【#佐藤優のシン世界地図探索171】世界の未来を左右する「ドイツ第四帝国」の夢と野望(週プレNEWS)

ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく! *  *  * ――いまなお続くウクライナ戦争は「ドイツ第四帝国」がウクライナを支援。すると、ロシアのラブロフ外相が「ドイツはウクライナを使って戦争しようとしているが、ドイツが直接ロシアと戦ってもいいと思い始めているようだ」と、喧嘩を買う気十二分の発言をしました。この現代のメルツ・ナチス第四帝国はどれほどヤバいのでしょうか? 佐藤 イギリスのコメディグループ「モンティ・パイソン」が、ヒトラーを題材にしたコント番組をやっていたのを知っていますか? ――知らないですね。 佐藤 ヒトラーが身分を偽って、イギリスの田舎のB&B(民宿)に身を潜めているという設定なんですよ。見た目とカッコはそのまんまなのですが。 ヒトラーと一緒にいるのは、日独防共協定を結んだリッベントロップ外相と、SS親衛隊のトップでホロコーストの元締め、ハインリヒ・ヒムラーで、地図を見て打ち合わせをしています。 ――ソ連のスターリングラードをにらんで戦争の作戦会議ですか? 佐藤 それもありますが、ヒトラーはこの田舎町の選挙に立候補して、巻き返しを図る演説をします。 ――「ハイル・ヒットラー!!」のナチス式敬礼はやりませんよね。 佐藤 さすがにそれはダメですよ。 ――その規制だけ守ってあとはすごいことしていますね、イギリスのTV番組は......。

佐藤 そのコントが放送されたのは1970年ですが、だいたいいまのドイツでは、こんな感じが蘇(よみがえ)ってきているわけですよ。 ――また第二次大戦の亡霊が蘇ってきましたね......。 佐藤 そう思います。結局、ヨーロッパのワクチンが切れたんですよ。ウクライナでもポーランドでも。 ――で、どうなるんですか? 佐藤 民主主義というワクチンが切れて、元々あった地の部分が表れてきたということです。彼らがもともと持っているドイツ至上主義が、民主主義から取って替わろうとしているんです。 ――なんと! 米国の掲げる民主主義の根幹は「米国が世界の模範となる理想的な国でなければならない」でした。そして、米国の歴代大統領はその理念を「丘の上の町」と表現し、公言してきました。しかし、トランプ大統領は言ってない、もしかしたら知らないのかも。 佐藤 「丘の上の町」を作るためには、ヨーロッパのような息苦しくて宗教や階級によって分断され、差別が激しい所ではやってられないと、新天地を求めて米国に逃げてきました。しかし、その米国建国前のヨーロッパの地が出てきた感じですね。 ――そのドイツ第四帝国ですが、ドイツの自動車産業が10万人の人員削減をしています。そして、中国と連携していて、その人員削減した工場を中国が買っているんですよ。「中独同盟」、これは危険ではないですか? 佐藤 それは心配いりません。「ドイツ第四帝国」が軍産複合体に移行したら、戦車を作ればいいんですから。戦車に比べたら、自動車なんか価格が安い薄利多売の商品ですよね。 ――ドイツの最新型戦車・レオパルト2A8は一台48億円でありますから、厚利少売となりますね。 佐藤 それにそもそも国家予算で作るわけですから、値段なんかどうでもいいでしょ? ――そりゃもちろんそうです。すると、「ドイツ第四帝国」はムダな自動車産業を中国に投げ売りしてボロボロにさせ、俺らは戦車をガンガン作って「敵はロシアだぜ」、と。 佐藤 そうです。とにかく陸上兵器ですね。自動車から戦車への流れを作っているので、失業者が出てくれないといけないんです。そうでないと、軍産複合体で安い値段で働いてくれる労働者が生まれませんからね。 ――そのことを中国は理解しているんですか?

週プレNEWS
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: