エヌビディアに市場はなお強気、予想慎重でも-目標株価引き上げ相次ぐ
人工知能(AI)向け半導体メーカー大手の米エヌビディアが決算発表で示した業績予想は、投資家の期待を上回るほどではなかったが、アナリストらは同社に対する強気な姿勢を崩さず、目標株価を引き上げている。
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エヌビディアの中長期的な展望を手掛かりに、27日の決算発表後に少なくとも10社が12カ月先の目標株価を引き上げた。ブルームバーグのまとめたデータによれば、目標株価は平均3%引き上げられ、202.60ドル。27日の終値から約12%の上昇が示唆される。
ハーラン・スール氏率いるJPモルガン・チェースのアナリストは、エヌビディアのAIチップ「ブラックウェル」の強化を指摘。スール氏は「エヌビディアの12カ月先の受注残は依然として供給を上回っているだろう」と述べ、同社の株式判断を「オーバーウエート」に維持した上で、目標株価を26%引き上げて215ドルに設定した。
エヌビディアが発表した8-10月(第3四半期)の売上高見通しは約540億ドル(約8兆円)と、慎重な内容。ウォール街の平均予想と一致したものの、一部アナリストは600億ドル超を見込んでいた。
トゥルイスト・セキュリティーズのアナリスト、ウィリアム・スタイン氏は、目標株価を9%引き上げて228ドルとした。売上高の実績と見通しは「機関投資家の予想をわずかに下回った」が、「これは軽度の未達と捉えている。だが、それよりも経営陣の強固な長期的見通しに注目している」と述べた。
28日の米株式市場で、エヌビディアの株価は前日比で一時上昇する場面もあった。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)がFOXニュースに対し、ブラックウェルの中国向け販売でトランプ政権と協議していることを明らかにし、売り上げの一部を政府に納める意向を示したことが好感された。
エヌビディア株に対し、ウォール街では引き続き強気が圧倒的多数を占める。ブルームバーグがまとめたデータによると、同社株に対する「買い」相当の評価は72社、「中立」は7社、「売り」は1社にとどまる。株価は5月に第1四半期決算を発表してから約35%値上がりし、この間に時価総額は1兆ドル以上増えた。
モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は決算前の期待は高かったが、主要な項目はおおむねクリアしていたと評価した。
ただ、中国を巡る不透明性はなお残る。トランプ米政権が最近になり、一部の中国向けAI半導体の輸出規制を緩和したが、売り上げの回復につながる兆しは見られていない。
ムーア氏は目標株価を206ドルから210ドルに引き上げたうえで、「中国情勢は予測不能であり、経営陣も問題解決の見通しについて慎重なようだ」と述べた。
原題:Nvidia Analysts Look Past Tepid Outlook, Lift Price Targets (1)、Nvidia Erases Drop on Reported Talks to Sell Blackwell to China(抜粋)