米ISM非製造業総合指数、2月は上昇 インフレ・関税懸念の声

米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造業総合指数は53.5と、前月の52.8から上昇した。写真は2021年8月、米ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)

[ワシントン 5日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が5日発表した2月の非製造業総合指数は53.5と、前月の52.8から上昇した。価格指数が上昇し、最近みられる工場での原材料価格の急騰と相まって、今後数カ月でインフレが加速する可能性を示唆した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は52.6だった。

新規受注指数は52.2と、前月の51.3から上昇。これを受け、価格指数は62.6と、前月の60.4から上昇した。

トランプ政権によるカナダ・メキシコ・中国製品への関税により、アボカドから自動車まで、あらゆる品目の価格が上昇すると予想される。

ISMが3日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)では、支払い価格指数が約3年半ぶりの水準に上昇したことが示された。 もっと見る

供給業者の納入を示す指数は53.4と、前月の53.0から上昇。50を超えると納入が遅くなっていることを示す。

雇用指数は53.9と、前月の52.3から上昇した。

ISM services PMI

調査では、コメントの中で関税について広く言及された。一部の業界は関税が「混乱を引き起こし」、「将来の事業活動に大きな不確実性」をもたらしていると指摘されている。

連邦政府の大幅な支出削減も企業の不安感を高め、今後数カ月で経済活動が鈍化する可能性を示唆している。高インフレと経済成長の鈍化が重なると、米連邦準備理事会(FRB)は難しい立場に追い込まれる可能性がある。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「新たな関税の導入で経済は勢いを失い、インフレがじりじりと上昇する可能性が高い。FRBは今後数カ月、難しいバランス調整を迫られることになる。最も賢明な選択肢はじっと待つことだ」と述べた。

宿泊・飲食サービス部門の一部は「関税措置により価格設定などに混乱が生じ、購入が急増した後で急減する可能性がある」と報告した。

建設業界でも同様の意見が聞かれた。「関税の導入は、われわれのプロジェクトに多大なコスト影響を与えるだろう」などの指摘があった。

教育サービスでは「連邦政府の支援プログラムによる現在の潜在的な変化をまだ検証中」との声があった。農業、林業、漁業などでは「関税やその他の潜在的な政府措置のリスクにより、将来の事業活動について大きな不確実性がある」との報告があった。

トランプ米政権は4日未明、メキシコとカナダからの輸入品に25%の新たな関税を課したほか、中国製品への追加関税を2倍の20%に引き上げる措置を発動。3カ国と貿易戦争により、価格上昇圧力が一段と高まる可能性がある。 もっと見る

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