米国株式市場=続落、対メキシコ関税延期で下げ幅は縮小

米国株式市場は続落して取引を終えた。2021年1月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米国株式市場は続落して取引を終えた。トランプ米大統領が週末に発表したメキシコとカナダ、中国への関税を受けて各国で安全資産への逃避が広がったが、同大統領がメキシコに対する関税発動を延期したことから、当初の大幅安からは下げ幅を縮小した。

トランプ氏は3日、メキシコに対する関税発動を1カ月見送ると発表。同国が合成麻薬フェンタニルなどの米国への流入を阻止するため国境警備を強化することで合意したと明らかにした。 もっと見る
同氏は1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税、中国からの輸入品に10%の追加関税を4日から課す大統領令に署名していた。 もっと見る

BMOファミリー・オフィスのキャロル・シュライフ最高投資責任者は「トランプ氏は関税がさまざまなことを実現するための主要な手段になると本気で考えている」とし、「関税はなくならないとみられ、市場は短期的に不安定になるだろう。同氏が欧州連合(EU)も視野に入れているのは明らかだ」と述べた。

シティのアナリストは「関税が長引けば市場はさらに下落する可能性が高く、インフレを助長する作用も出てくるだろう」と指摘した。

関税発動を控えて動揺が広がっていた自動車メーカーは下げ幅を縮小し、フォード・モーター(F.N), opens new tabが1.9%安、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N), opens new tabは3.2%安となった。
株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(.VIX), opens new tabも一時、1週間ぶり高水準を付けたが、その後18.6に低下した。
景気に敏感な小型株で構成するラッセル2000指数(.RUT), opens new tabは3週間ぶり安値から値を戻し、1.3%安で取引を終えた。
食肉大手タイソン・フーズ(TSN.N), opens new tabは2.2%高。通年の売上高見通しを引き上げたことを好感した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.18対1の比率で上回った。ナスダックでも2.37対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は163億4000万株。直近20営業日の平均は155億7000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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