インドは関税引き上げを覚悟、経済的打撃の抑制に大慌て-当局者
- トランプ氏非難に衝撃、どう対応すべきか分からない-印政府当局者
- トランプ氏、対インド関税を「24時間以内に大幅に」引き上げと発言
インド政府は、米国が課す関税によって生じかねない経済的打撃を抑えようと慌てている。トランプ大統領による関税の脅しに、インド政府は衝撃を受けると同時に見捨てられたと感じ、どう対応すべきか分からない状態だという。
インド経済は「死んでいる」、インドの関税障壁は「不快」で、インドの人々はウクライナ人の苦境に無関心、などとするトランプ氏の厳しい言い回しは、言葉による平手打ちに等しいとインドの当局者は説明。公の場で行われたこのような非難に対してインド政府にガイドラインはなく、一連の展開が米印関係の緊張を強めたと当局者は語った。
トランプ氏は5日、CNBCとのインタビューで、インドからの輸入品に課している25%の関税を「24時間以内に大幅に」引き上げると述べた。インドの高い貿易障壁とロシア産原油の購入を理由に挙げ、インドはロシアの「戦争マシーンに燃料を供給している。インドがそうし続けるのなら、自分は不満だ」と語った。
インド政府はいまや関税引き上げを覚悟し、生じ得る経済的な打撃の抑制を図っている。モディ首相は外需の落ち込みを埋め合わせようと、国産品の購入を国民に呼び掛けている。商工省は、宝飾品、繊維といった特に大きい打撃を受ける輸出産業に対する支援策を協議中だ。政府は緊張緩和に向けて、水面下での協議も引き続き模索する方針だと、当局者は述べた。
インドはロシアとの経済関係が問題視され、数週間にわたってトランプ氏の攻撃の的となってきた。同氏はロシアのプーチン大統領に対し、8日までにウクライナとの停戦に応じるよう要求し、ロシア経済を下支えしているインドや中国などエネルギー購入国への圧力を強めている。
これに対して、モディ政権は現時点で一歩も引かず、インドにとって石油と軍需品の最大の供給国であるロシアとの関係で非難されるいわれはないとの立場を貫いている。政府当局者は、国内の製油業者にロシア産原油の購入停止を指示する考えはないと示唆している。
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原題:India Braces for Pain as Trump Gives 24-Hour Tariff Warning (1)(抜粋)