170」...米空軍も口を閉ざすステルス無人機の正体(ニューズウィーク日本版)

1月3日未明、アメリカは「絶対的決意」と名付けられた軍事作戦をベネズエラで展開。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領とその妻シリア・フローレスの拘束に成功した。 【動画】奇跡的にとらえられた、ベネズエラからプエルトリコに帰投する無人偵察機RQ-170 この作戦では、カリブ海地域の空軍基地を拠点に、先進的な航空機が前例のない規模で展開された。中でも、米空軍が厳重に運用状況などを秘匿している無人偵察機RQ-170センチネル・ステルスドローンが作戦に関与したと見られている(ただし、RQ-170が同作戦を支援したという公式発表はない)。 本誌は米国防総省にコメントを求めている。 RQ-170は、敵対空域での情報収集・監視・偵察任務を遂行するために米空軍向けに開発された。1枚主翼のみで構成された全翼型であるため、レーダーに映りにくい。同機はネバダ州クリーチ空軍基地の第432航空団および同州トノパーに所在する第30偵察飛行隊により運用されている。 作戦終了後、RQ-170がプエルトリコの米軍基地に帰還する様子が地元住民に目撃されている。防衛関連のニュースサイト「ザ・ウォー・ゾーン」によると、これは非常に珍しいことだという。 同サイトの副編集長、ジョセフ・トレビシックも「空軍がRQ-170の存在を正式に認めたのは15年以上前のことだが、現在に至るまでセンチネル部隊の詳細について、今もほとんど口を開かない。これまでに判明している同機の運用実態は、ベネズエラで展開された作戦内容と完全に合致している」とした。 また、米空軍南方司令部が公開した写真には、軍関係者の所属部隊を示すパッチが写っており、同サイトは、RQ-170 センチネルが昨年12月からラテンアメリカに展開していたことを示唆していると報じている。

専門家らは、RQ-170がマドゥロの居住地に対して持続的な監視を行った可能性が高いと分析している。これは2011年に米軍がアルカイダ指導者ウサマ・ビンラディンを急襲した際の情報収集フェーズと類似していると指摘している(当時も、長期間にわたる秘密裏の監視が行われていた)。 同機は、亜音速、ジェット推進、非武装の無人航空機であり、ステルス性を重視した情報収集、監視、偵察任務に特化している。完全な電波輻射管制(レーダー波や通信電波などの信号放出を制限、停止することで、自機の存在や位置を敵に探知されにくくする作戦行動上の制御手段。エミッション・コントロール(EMCON))モードで運用され、通信の傍受や電子情報の収集を行いながら、レーダーや赤外線による探知を回避し、自らの位置を露呈しないようにしていると、軍事専門サイト「アーミー・レコグニション・グループ」は説明している。 また、同機は高高度からミサイル攻撃や特殊作戦部隊の支援も行っていた可能性があり、探知を避けつつ、防空システムや電子活動を監視していたとも推測されている。 ドナルド・トランプ米大統領は、1月6日のフォックスニュース『フォックス・アンド・フレンズ・ウィークエンド』に出演した際、「着陸作戦で全体、投入された航空機の数は膨大だった。ヘリコプターの種類も様々で、戦闘機の種類も多岐にわたっていた。あらゆる状況に対応するための戦闘機を用意していた」と、マドゥロ拘束およびその準備に携わった部隊を称賛した。 なお、マドゥロとその妻は、1月8日にニューヨーク・マンハッタンのダニエル・パトリック・モイニハン合衆国裁判所に初出廷、両者ともに無罪を主張した。マドゥロ夫妻には、麻薬テロ共謀およびコカイン輸入共謀の疑いがかけられている。

アミラ・エルフェッキ

ニューズウィーク日本版
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