貿易収支3月は5441億円の黒字、財務省「駆け込み輸出まだ」
財務省が17日発表した3月貿易統計速報は、貿易収支が5441億円の黒字だった。写真は、横浜港で輸出を待つ車。3月27日、横浜で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
[東京 17日 ロイター] - 財務省が17日発表した3月の貿易統計の速報によると、貿易収支は5441億円の黒字だった。輸出は前年比プラス3.9%と6カ月連続の増加、輸入は同プラス2.0%で2カ月ぶりに増えた。
トランプ米大統領による関税政策の影響について、財務省の担当者は、日本からの自動車の駆け込み輸出などの影響はまだ「みられていない」とした。
ロイターの予測中央値は4853億円の黒字だった。
輸出は、米国向けハイブリッド車、台湾向けICなど半導体等製造装置や非鉄金属の増加が目立った。春節の影響は一巡し、輸出の増勢も通常のペースに戻った。
輸出数量でみると前年比0.8%減と「輸出は決して強くない」と農林中金総合研究所の理事研究員の南武志氏は指摘する。
輸入は、医薬品、通信機や衣類・同付属品が増加した。一方、原粗油、航空機類、石炭は減少。円は対前年同月比0.1%の円安と、為替要因による押し上げは一時期より落ち着いてきた。
地域別では、対米輸出は同3.1%伸び8470億円の黒字となった。品目別では、ハイブリッド車が全体の伸びをけん引した。
今後の貿易収支について、農中総研の南氏は、世界的な原油価格の下落や為替の円安是正による輸入の減退で黒字化へ転換していくのではないか、とみている。
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