米ワクチン責任者が辞任、ケネディ厚生長官が「誤情報」推進と主張
- 長官が望んでいるのは真実ではなく誤情報を受け入れることだと指摘
米食品医薬品局(FDA)のワクチン責任者が28日、ケネディ厚生長官が予防接種の安全性に関する「誤情報」を広めようとしていると主張して、突如辞任を表明した。
4月5日付で辞任するのは米食品医薬品局(FDA)でワクチンなどの安全・有効性審査を担う生物製剤評価研究センター(CBER)のピーター・マークス所長。同氏はかつて、新型コロナウイルスのワクチン接種イニシアチブである「ワープスピード作戦」で中心的役割を果たしていた。ブルームバーグは同氏の辞表を確認した。
マークス氏は「私はワクチンの安全性と透明性に関する長官の懸念を対処するために働きたいと思っていた。しかし長官が望んでいるのは真実と透明性ではなく、誤情報やうそを従順に受け入れることだということが明らかになった」と指摘した。
ケネディ氏は長年にわたり、ワクチンの安全性に公然と疑問を呈してきた。また厚生長官就任当初、厚生省は外部のワクチン専門家の会議を延期・中止したほか、ワクチンと自閉症の関連性を研究する計画を発表し、ワクチン忌避行動研究への資金拠出を取り消した。
マークス氏は辞表で、「特に深刻化しているテキサス州を中心に、はしかの流行が複数の州で現在も続いているが、これは公衆衛生と福利の基盤である確立された科学に対する信頼が損なわれた場合に何が起こるかをわれわれに思い起こさせる」と指摘。「ワクチンが自閉症を引き起こすことなど絶対にあり得ない。脳炎や死亡とも関連していない」と主張した。
マークス氏の辞任については、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。
原題:Top US Vaccine Official Resigns Citing RFK ‘Misinformation’ Push(抜粋)