トランプ氏「ガザの食料供給急務」、イスラエルの飢餓否定に疑義
[カイロ/ジュネーブ 28日 ロイター] - トランプ米大統領は28日、パレスチナ自治区ガザで多くの人々が飢餓状態にあると述べ、飢餓はないとするイスラエルのネタニヤフ首相の主張に疑問を呈した。イスラエルが人道支援のアクセスを強化できるとの見方も示した。
英北部スコットランド・ターンベリーの自身のゴルフリゾートでスターマー英首相と会談し、ガザへの食料支援を強化する必要性を強調した。
ガザの飢餓は現実だとした上で、イスラエルは支援の流入に大きな責任を負っており、多くの人々を救うことができると述べた。
ネタニヤフ氏は27日、「ガザに飢餓はない」と述べ、イスラム組織ハマスとの戦いを続けると表明。28日にもこの発言をXに再投稿していた。しかしその後、ガザの状況は「困難」と指摘し、イスラエルは支援物資が届くよう取り組んでいると強調。「国際機関や米欧諸国と引き続き協力し、大量の人道支援がガザ地区に届くよう努める」と声明で述べた。
さらに、ガザの最優先課題は食料供給で、米国は人道支援に6000万ドルを提供しているとして、他の国々に対して支援を強化するよう求めた。27日に会談した欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長からは、支援を大幅に強化する意向が示されたとした。
トランプ氏は「われわれは多額の資金と食料を提供しており、他の国々も支援に乗り出している」とした上で、ガザは悲惨な状況にあり、飢餓に直面する多くの人々が「今すぐに食料と安全を確保する必要がある」と述べた。スターマー氏も「人道危機であり、まさに大惨事だ」と同意した。
フランスのマクロン大統領が表明したパレスチナ国家の承認意向については言及を避け、立場を明確にしなかった。
一方、トランプ氏はハマスが人質のさらなる解放に応じないと批判。ネタニヤフ氏に対して「別のやり方が必要だと話した」と述べた。トランプ氏は「停戦は可能」だとしたが、詳細は説明しなかった。
ガザ保健当局は28日、これまでの24時間で飢餓と栄養不良で少なくとも14人が死亡し、戦争による飢餓での死者が147人に達したと発表。うち88人は子どもで、大半は直近の数週間に死亡した。
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A senior correspondent with nearly 25 years’ experience covering the Palestinian-Israeli conflict including several wars and the signing of the first historic peace accord between the two sides.