トランプ氏、ウクライナに兵器供与 50日以内の和平なければ対ロ制裁
トランプ米大統領は14日、ホワイトハウスで北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談し、ロシアの侵攻を受けるウクライナにNATO経由で最新鋭兵器を供与すると明らかにした。(2025年 ロイター/Nathan Howard)
[キーウ/ワシントン 14日 ロイター] - トランプ米大統領は14日、ホワイトハウスで北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談し、ロシアの侵攻を受けるウクライナにNATO経由で最新鋭兵器を供与すると明らかにした。同時に、ロシアが50日以内に和平合意に応じなければロシアに制裁を科すと表明。これまでのロシアへの対応を大きく転換させた。
トランプ大統領は大統領執務室でルッテ氏と並んで座り、ロシアのプーチン大統領に失望していると記者団に述べた上で、数十億ドル相当の武器がウクライナに提供されると表明。「最先端の兵器を製造し、NATOに送る」とし、NATO加盟国が武器代金を負担すると述べた。
NATO経由でウクライナに提供される武器には 防空システム「パトリオット」ミサイルが含まれる。トランプ氏は「バッテリーを含む完全なセットだ」とし、「数日以内に、極めて迅速に」ウクライナに送られる可能性があると述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、トランプ大統領による武器供与発表後に同氏と電話協議したと明かし、「非常に良い対話だった。ウクライナを支援し、殺害を止めて永続的で公正な平和を確立するために協力し続ける用意を示したトランプ大統領に謝意を伝えた」とメッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。また、トランプ氏とより頻繁に対話し、「引き続き足並みをそろえる」ことで合意したと述べた。ルッテ氏と非常に良い協議を行ったとも明らかにした。
トランプ氏は対ロシア制裁について、ロシアから原油などを輸入する第三国に「二次制裁」を科す可能性があると表明。ロシアは中国やインドなどへの原油輸出で多額の収益を上げており、米国が二次制裁措置を実際に導入すれば、西側諸国による対ロシア制裁の大きな転換となる。
トランプ氏はルッテ氏と共にウクライナへの支援を表明するにあたり、プーチン大統領に深い失望を感じていると改めて表明。プーチン氏は電話では話しやすいが、会話した後にウクライナを激しく攻撃するとし、「プーチン氏を暗殺者とは呼びたくはないが、手強い男だ」と述べた。
ルッテ氏は、自分がプーチン氏の立場にあり、50日後に何が計画されているか知っていれば、ウクライナを巡る交渉を真剣に受け止めるべきか再考するだろうと述べた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab