「世界最強パスポート」、過去20年の変動が物語る世界情勢 米国は1位から10位に後退

(CNN) 2006年、米国のパスポートは世界へ出かける「究極のチケット」だった。これに匹敵できる国は、世界の中でデンマークとフィンランドの2カ国のみだった。 それから20年。状況は一変した。英コンサルティング会社ヘンリー・アンド・パートナーズは、今回で20年目となる「世界最強パスポート」の最新ランキングを発表した。 ビザなしで渡航できる国と地域の数を比較した同ランキングで、米国はもはや「最強」ではなくなった。順位は10位にとどまってはいるものの、同ランキングではそれぞれの順位にスコアが同点の国が並ぶ。つまり、米国を上回る国は36カ国もあった。 デンマークとフィンランドは4位に並び、別の5カ国に後れを取っている。 ヘンリー・アンド・パートナーズのクリスチャン・H・ケーリン会長は言う。「20年にわたるデータが示す通り、パスポートの力は、一国の地政学的な立場を端的に表す」「世界最強のパスポートは、貿易、投資、安全保障、あるいは協力関係において、他国からパートナーとして求められる国のものだ。渡航できる国の多さは究極的には、相手国が自分の国との関係をどれだけ重視しているかを測る尺度といえる」 26年7月のランキングはシンガポールがトップだった。ビザなしで渡航できる国・地域の数を表すスコアは192と、06年に比べて70も増えた。

21世紀を通じて最も大きく躍進したアラブ首長国連邦(UAE)は2位に浮上して日本および韓国と並んだ。この3カ国の国民は世界188カ国・地域へビザなしで渡航できる。 20年前のスコアと比べると、日本は60、韓国は73、UAEは153、それぞれ増加した。 3位のスウェーデンのスコアは187。06年に2位だった時のスコアは129だった。 4位には、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スペインが並んだ(いずれもスコア186)。 マルタはスコアを185に伸ばし、オーストリア、ギリシャ、ポルトガル、スイスと並んで5位に浮上した。06年当時、マルタはトップ10圏外の11位だった。 米国はアイスランドと並ぶ10位で、スコアは180。2006年のスコア130と比べると大幅に増えている。 ランキング最上位の国と最下位の国との格差は、この20年で急激に拡大した。首位のシンガポールと、2006年から現在に至るまで最下位にとどまるアフガニスタンのスコアには、118もの開きがある。 20年前、アフガニスタンからビザなしで渡航できるのはわずか12カ国・地域にとどまっていたが、現在ではほぼ倍増して22になった。

今回調査では、世界パスポートランキングと世界平和指数ランキングとの間に強い相関関係があることも分かった。 「平和指数の高い国のほとんどは、世界パスポートランキングでも最強級」だとヘンリー・アンド・パートナーズは指摘する。パスポートのランキングで首位のシンガポールは、平和指数のランキングで8位だった。日本、スイス、アイルランド、オーストリア、ポルトガル、フィンランド、デンマーク、ニュージーランド、カナダ、チェコ、マレーシアも、両方の指数で上位にランク入りしている。 例外もあり、米国の平和指数ランキングは134位。イスラエルはパスポートランキング18位、平和指数ランキングは149位だった。

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