第一三共とアストラ、肺がん治療薬候補のEU申請を自主的取り下げ

Deirdre Hipwell

第一三共アストラゼネカは、肺がん治療薬候補「ダトポタマブデルクステカン」について欧州連合(EU)での承認申請を自主的に取り下げた。同薬にとっては打撃になる。

  両社は24日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)との協議に基づき、局所進行または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんの治療を対象とした販売承認申請を取り下げたと発表した。

  両社が9月に発表したダトポタマブデルクステカンの臨床試験データは、まちまちな結果だった。一部の患者の生存期間に改善傾向がみられたものの、全患者対象で統計学的な優位性は明らかにならなかった。ただ、比較的長期にわたり病状の悪化を食い止められることは示した。

  ロンドン市場午前の取引で、アストラゼネカ株は小幅に上昇。年初来では約1%下落している。

  ダトポタマブデルクステカンは抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれる薬剤で、強力な薬物をがん細胞に直接送り込み、健康な細胞を害さずにがん細胞を死滅させることを狙う。

  両社はダトポタマブデルクステカンをEUの肺がん患者に届ける取り組みを継続すると表明。「さまざまな肺がんの状況設定における7つの重要な臨床試験」が進行中で、ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の手術不能または転移性乳がんの治療を対象とした販売承認申請については、引き続きEMAと協議していくとした。

  米国では、より対象を絞った患者への治療薬として両社はダトポタマブデルクステカンの承認を申請済み。

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原題:Astra, Daiichi Withdraw EU Application for Lung Cancer Drug(抜粋)

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