米国株式市場=反発、アマゾンの見通し好感 WBDが8%超上昇
米国株式市場では、主要株価3指数が軒並み上昇して取引を終えた。3月撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)
[31日 ロイター] - 米国株式市場では、主要株価3指数が軒並み上昇して取引を終えた。アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabが前日引け後に示した明るい見通しが最大の押し上げ要因となった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)が12月会合での利下げに慎重になっているとの見方から投資家心理は冷え込んだ。
アマゾンは9.6%高。前日の決算発表で、第4・四半期の売上高が2060億─2130億ドルと、LSEGがまとめたアナリスト予想平均(2081億2000万ドル)を上回るとの見通しを示したことが材料視された。
一方、アップル(AAPL.O), opens new tabは0.4%安。前日発表した第4・四半期(7─9月)決算は売上高、1株当たり利益ともに市場予想を上回ったものの、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が30日、iPhone製造面の供給制約が今四半期に入っても続いていると発言したことを嫌気した。
S&P総合500種(.SPX), opens new tab、ナスダック総合(.IXIC), opens new tab、ダウ工業株30種(.DJI), opens new tabはともに週間ベースで0.7%、2.24%、0.75%、それぞれ上昇。月間では数年ぶりの連続上昇を記録した。
この日はFRB当局者の発言が相次いだ。アトランタ地区連銀のボスティック総裁は次回12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げは確定ではないとし、全ての会合が「ライブ」になるとの見方を示した。また、クリーブランド地区連銀のハマック総裁は、FRBが今週の会合で決定した0.25%ポイントの利下げについて、米国のインフレはなお高すぎるため、利下げに反対していたと明らかにした。
CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む12月会合での利下げ確率は65%と、前日の72.8%から低下した。
D・A・ダビッドソンのウエルス・マネジメント調査ディレクター、ジェームズ・ラガン氏は、市場を動かす主要な要因は昨日とほぼ同じだと指摘。「決算は予想をやや上回ったものの、FRBのややタカ派的な発言により動きが抑制されている」と述べた。追加利下げ期待を市場が「織り込み過ぎた可能性がある」(オールスプリング・グローバル・インベストメンツのジェイク・セルツ氏)との見方も聞かれた。
その他の個別銘柄では、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)(WBD.O), opens new tabが8.7%高。同社のスタジオおよびストリーミング事業に対する買収提案をネットフリックスが積極的に検討しているとの報を好感した。 もっと見る
ネットフリックスは2.7%高。1株を10株にする株式分割を発表した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.28対1の比率で上回った。ナスダックでも値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.42対1で上回った。
米取引所の合算出来高は210億3000万株。直近20営業日の平均は211億3000万株。
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