NY市場サマリー(7日)10年債利回り8カ月ぶり高水準、ドル上昇・株下落

<為替> ドルが上昇した。7日発表された米指標は堅調な内容となり、連邦準備理事会(FRB)が利下げペースを鈍化させる公算が大きいことを示した。

11月の米雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が25万9000件増の809万8000件と、市場予想の770万件を上回った。 もっと見る
米供給管理協会(ISM)が発表した12月のISM非製造業総合指数は54.1に上昇し、市場予想の53.3を上回った。需要の増加を背景に、投入価格指数は2023年2月以来約2年ぶりの高水準となった。 もっと見る

ドル/円は米指標を受け、約6カ月ぶり高値を付けた。終盤の取引では0.2%高の157.875円で推移した。

主要通貨に対するドル指数は0.2%高の108.55。オーバーナイト取引では一時107.74と、昨年12月30日以来の安値に沈んだ。

NY外為市場:

<債券> 10年債利回りが8カ月ぶりの高水準を付けた。この日発表された雇用関連指標から、労働市場の底堅さが示唆された。

2年債利回りは2.7ベーシスポイント(bp)上昇の4.297%。

指標となる10年債利回りは7.1bp上昇の4.687%。一時、4月26日以来の高水準となる4.699%を付けた。

2年・10年債利回り格差は4bp拡大の39.3bpと、2022年5月以来の大きさとなった。

30年債利回りは7.5bp上昇の4.913%。一時、4.926%と23年11月以来の高水準となった。

この日財務省が実施した390億ドルの10年債入札はまずまずの需要を集めたが、利回りの急上昇がこれを後押しした可能性がある。

米金融・債券市場:

<株式> 下落して取引を終えた。堅調な経済指標を受け、インフレ再燃によって米連邦準備理事会(FRB)の緩和ペースが鈍るとの懸念が広がった。

序盤は上昇したものの、米労働省が発表した11月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が予想外に増加したほか、米供給管理協会(ISM)が発表した12月の非製造業総合指数が上昇し、投入価格指数が約2年ぶり高水準となったことを受け、株価は下げに転じた。 もっと見る
統計を受けて米10年債利回りは一時8カ月ぶりの水準に上昇。利回り上昇がハイテク株(.SPLRCT), opens new tabを圧迫し、半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは6.22%安となった。S&P総合500種の主要11セクターは大半が下落した。
テスラ(TSLA.O), opens new tabはBofAグローバル・リサーチが投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に引き下げたことを受けて4%下落した。
一方、マイクロン・テクノロジー(MU.O), opens new tabは2.67%上昇。エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、最新のAI半導体「ブラックウェル」を採用した次世代チップ「RTX50」シリーズにマイクロンがメモリーを提供すると明らかにした。

米国株式市場:

<金先物> 中国当局による金購入の報などを手掛かりに買い戻しが入り、3営業日ぶりに反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前日比18.00ドル(0.68%)高の1オンス=2665.40ドル。

NY貴金属:

<米原油先物> 供給不安を背景に反発した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比0.69ドル(0.94%)高の1バレル=74.25ドルと、昨年10月中旬以来約2カ月半ぶりの高値水準。3月物は0.65ドル高の73.57ドル。

NYMEXエネルギー:

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