【独自】「インフルエンザAの後にBにかかる人も」“爆発的感染拡大”の実態 2024年同時期の患者数“3倍”…医師「まだ注意必要」
14日朝の埼玉・熊谷市の総合病院。
病院職員: お熱が一番高い時で、何度くらいか分かりますか?
全ての職員が電話対応にあたる中、なおも鳴り続ける電話・・・。
この記事の画像(11枚)病院職員: 問診を先に取らせていただきますので、お名前から教えていただいてよろしいですか
“爆発的な感染拡大”が続くインフルエンザへの対応で、医療現場は逼迫(ひっぱく)していた。
埼玉慈恵病院・藤永 剛 副院長: 実際厳しいです。今年はインフルA型にやられたという感じですね。
“救急車が足りない”という緊急事態も
過去最多を更新するペースで猛威をふるうインフルエンザ。 取材班が向かったのは、119番通報を受信する埼玉・久喜市の消防指令センター。
受付: 熱があるということですが何度の?
電話:
38度6分です。出動要請を受け、救急車が次々と出ていく。
インフルエンザとみられる症状での出動件数は、1年前と比べて3倍近くに激増していた。
埼玉東部消防組合消防局 司令課 清水和典 主幹: この年末年始に関しては、一番多い日でも115件の出動件数があるという。
その結果、“想定していなかった事態”が起きてしまっていた。 インフルエンザの感染拡大で、“救急車が足りない”という緊急事態を経験していた。
埼玉東部消防組合消防局 司令課 清水和典 主幹: 先に消防車を向かわせて、後から来た救急隊に引き継ぐということも多数やってました。
インフルと新型コロナの「同時検査」対応に追われ…
一方、埼玉・熊谷市の病院の「発熱外来」。
医師: 今回、インフルエンザA型になってるね。
患者:
コロナではない?医師:
コロナではないです。コロナと両方(検査)やってるけど、インフルエンザですね。
医療現場は、インフルエンザと新型コロナの「同時検査」への対応に追われていた。
厚生労働省が14日に発表したデータでは、12月30日から1月5日までに報告された全国のインフルエンザの患者数は14万1998人。
1医療機関あたりの患者数は33.82人で、1999年の統計開始以降、最多となった前の週に比べて減少した。 しかし、2024年の同じ時期と比較すると、3倍近い患者数で、過去10年の同じ時期と比べても最も多くなっている。
都道府県別にみると岐阜県が70.67人で最も多く、茨城県で60.18人となったほか、30の道府県で「警報レベル」の30人を上回った。
医療機関からは、年末年始のインフルエンザ患者の状況について、こんな声が上がった。
埼玉慈恵病院・藤永 剛 副院長: 12月特に半ば、下旬ぐらいからものすごい勢いで患者さんが増えてましたので。もう今まで経験したことないような、インフルA・Bの陽性率と数でしたね。
待合室は、診察を待つ患者でいっぱいに・・・病床の逼迫は今も続いているという。
埼玉慈恵病院・藤永 剛 副院長: 今、感染症(患者)を入れるお部屋はいっぱいです。病床はかなり厳しいです。先週も救急搬送されてきて、入れるお部屋がなくて。それこそ他の病院に回させていただいたりとか。もうここんとこずっとほぼ満床です。
隔離室が埋まったため、個室を充てるなどして対応。年明けの今がまさに流行のピークだという。
埼玉慈恵病院・藤永 剛 副院長: インフルエンザAに罹って、体力とか落ちると、その後に流行るBにまたかかる人もいるので、まだまだ注意が必要だと思う。
(「イット!」 1月14日放送より)