赤旗記者の名刺投稿した維新・藤田氏 専門家「犬笛行為に該当も」

毎日新聞 2025/11/9 09:50(最終更新 11/9 09:50) 有料記事 2432文字
自身の税金還流疑惑報道を受け、報道陣の取材に応じる日本維新の会・藤田文武共同代表=国会内で2025年11月4日午後5時32分、平田明浩撮影

 日本維新の会の藤田文武共同代表が、取材を受けた「しんぶん赤旗」の記者の名刺を自身のX(ツイッター)に投稿した。

 赤旗側は削除するよう要請しているが藤田氏は応じず、不特定多数の人が閲覧できる状態になっている。

 記者の同意を得ずに名刺を公開したことに問題はないのか。

  <主な内容> ・プライバシー侵害に当たるのか ・嫌がらせを扇動? ・別の観点から見た問題点 ・犬笛型の名誉毀損にも

 ・問われる政治家の品位や倫理観

「税金還流」を指摘され…

 しんぶん赤旗日曜版は10月29日配信の電子版で、藤田氏による「税金還流」疑惑を報じた。

 藤田氏側が公設秘書の会社に税金を原資とする多額の資金を支出していた、と指摘する内容だ。

 これに対し、藤田氏は「恣意(しい)的な記事ですが、すべて実態のある正当な取引」と反論。

 質問状に対する回答が記事に反映されていないとし、30日に回答全文とともに記者の名刺画像をXに投稿していた。

一部白塗りしたメールや携帯番号も

 名刺には記者の所属部署▽氏名▽日本共産党本部の住所▽部署の電話番号▽ファクス番号▽記者のメールアドレス▽携帯電話番号――が記載されている。

 メールアドレスと携帯番号の一部は白塗りされているが、それ以外の情報はそのままだ。

 赤旗側は11月4日、編集局長と日曜版編集長の名義で画像削除などを求める申し入れ書を藤田氏に提出した。

 ①取材活動への重大な妨害、威嚇行為②個人情報の無断公開によるプライバシー侵害――の2点を問題視し、10日までの対応を求めている。

 一方、藤田氏は4日の記者会見で「携帯電話(の番号)は消しているし、メールアドレスのドメインも消している。それ以外は公開情報だ」と主張。削除に応じない構えを見せた。

プライバシー侵害 専門家の見方は?

 連立与党のトップが記者の名刺を公開した今回の一件。専門家はどう見るのか…

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