「中学数学から教え直さないと」カルフォルニア大学での学力崩壊はなぜ? 入試の変更の盲点
こうしたニュースが出ると、日本のSNSでは次のような声がよく挙がります。 「アメリカの入試はボランティアや留学など“経験が全て”だから、学力が下がったのだ」 「お金持ちの子どもはいろいろな経験を積みやすい。そういう経験を評価した結果、学力が担保できなくなった」 このような声が挙がる理由は、ボランティアや留学のプログラムなどの“経験”を販売する業者が、インフルエンサーに費用を払って、この「アメリカの入試は経験が全て」というイメージを拡散してきたからです。 しかし、実際には、アメリカの大学で重視されるのは「高校の成績」です。アメリカの名門高校に通っている生徒たちは、高校の段階で「どの大学に進学できるか」がだいたい分かります。なぜなら、高校の成績を見ればどのあたりに受かるか判断できるからです。 日本の場合、大学受験の指導は模試の偏差値を見て、「このあたりなら受かる」と受験プランを決めていきますが、アメリカの場合、高校の成績を見てどこを受験するか考えます。 高校の通知表の成績だけではなく、どのレベルの授業を、どれくらい取っているかも入試では評価されます。より難しいコースを履修していると評価が高まります。 最難関大学になると、「ほとんどオールA」の生徒が世界中からたくさん出願してきます。 そんな「高校の成績がトップクラスの層」が受験してくるため、高校の成績だけだと差がつきません。 そこで、共通学力テストのSATやACTの点数を使って、学力の差をより細かく見ていきます。日本の推薦入試でも高校の評定平均値と共通テストの得点を見て合否を決めるものがありますが、それに近い形になります。 つまり、最難関大学では高校の成績とSATやACTといった学力テストのスコアの「2つのポイント」を重視し、合否の判定をしてきました。