映画『アルマゲドン』は正しかった? 小惑星を内側から核爆破する地球防衛策
ブルース・ウィリスが犠牲にならなくてもいい『アルマゲドン』ならありかも…?
中国の科学者たちによれば、巨大な小惑星の地球衝突を阻止するもっとも効果的な方法は核爆発かもしれなくて、しかもそれを実現するためのベストな戦略まで見つけちゃったみたいです。
学術誌Space: Science & Technologyに掲載されたオープンアクセスの研究では、地球を守るための新しいアプローチが提案されています。
小惑星衝突の脅威に対処するために、中国運載火箭技術研究院のWang Xiaowei氏が率いる研究チームは、小惑星にクレーターを掘って、その中に核弾頭を配置して起爆するという映画のようなアイデアを提案しています。
この方法なら、そのまま地球にぶつかると大惨事を引き起こすような、直径約100mの小惑星を粉々に破壊したり、地球へ向かってくる軌道をそらしたりできるそうです。
迫り来る宇宙の脅威
小惑星は、約46億年前に太陽系ができたときの残り物です。岩石質の残骸は、楕円軌道を描いて太陽の周りを公転しながら太陽系のなかを旅しています。
NASA(アメリカ航空宇宙局)によると、現在確認されている地球近傍小惑星は約1万6000個あり、その11%にあたる1,784個が「潜在的に危険な小惑星」とされています。こうしてみるとけっこう多い気がしますね。
潜在的に危険な小惑星とは、地球の軌道から0.05天文単位(約748万km)以内に接近する軌道を持ち、直径が約140mを超えるものを指します。
ただ、これらは必ずしも地球の脅威というわけではなく、科学者が念のために注意して観測しておこうかな、くらいの意味合いみたいです。
NASAをはじめとする各機関は、小惑星が地球と衝突するコースに乗った場合にすぐ対応できるように、こういった天体を注意深く監視しています。
たとえば昨年、2032年に地球に衝突する確率が3.1%あるとされた小惑星「2024 YR4」が天文学者たちの注目を集めました。幸いなことに、その後に衝突の確率はほぼ0%まで下がって、地球は安全が確保されています。いまのところは。
でも、もし本当に小惑星が地球に向かってきた場合には、やっぱり対策が必要なわけで。
核でぶっ飛ばせ
NASAは、2022年の「DARTミッション」で、宇宙船を小惑星に体当たりさせて軌道を変更する「キネティックインパクト(運動エネルギーによる衝突)」を実証ずみです。
今回の研究チームは、100mを超える小惑星の場合、軌道変更やキネティックインパクトだと、時間が限られている状況での成功は期待できないと主張しています。
そこで研究チームは、声明で「核爆発によって生じる膨大なエネルギーを利用して、小惑星を直接破壊するか、その軌道を急速にそらすこと」を提案しています。
このチームが提案する小惑星の脅威に対する防衛方法はふたつ。
ひとつめは、小惑星の表面に直接衝突して小さなクレーターをつくり、そこに核装置を設置する方法。
ふたつめは、貫通装置を用いて事前により深いクレーターを掘って核弾頭を設置する方法で、このアプローチによって、小惑星を内部から木っ端みじんにできます。
研究チームは、バーチャルな地球の脅威になる小惑星のデータベースを用いて、さまざまな爆発の威力や埋める深さにおける小惑星へのダメージをシミュレーションしました。
その結果、接近する大型の小惑星を破壊するには、ふたつめの事前により深いクレーターを掘る方法がベストという結論に至ったとのこと。
研究チームは、声明のなかで「この結果は、フライバイ方式による事前掘削爆発がクレーターを形成する位置を自律的に選択し、深部での爆発を実現できるため、より強力なエネルギーを小惑星に伝えられることを示しています」と述べています。
現時点で地球が危険にさらされているわけではありませんが、それでも備えあれば憂いなしで、万が一に備えておくことはどんな時も賢い選択といえるのではないでしょうか。
『アルマゲドン』の主題歌になったエアロスミスの『ミス・ア・シング』を聴きながら記事を書いたのだけど、相変わらずめっちゃ演歌でした…。