iPhoneのホームボタン、死のブルースクリーン... 2025年に消えたテクノロジー10選
終了や廃止、サービス停止といった視点で見ると、2025年は比較的静かな一年だったと言える。 ただし、何事もなかったわけではない。長年テック業界を見続けてきた立場から振り返ると、業界に少なからぬ影響を与えたり、ひとつの時代の終わりを象徴したりする出来事が、10件ほどあった。 2022年には、iPodやGoogle Stadia、Internet Explorerといった象徴的な存在が相次いで姿を消した。それと比べると、2025年は派手な「大物の退場」は少ない。その一方で、懐かしさを伴う別れや、より大きな技術トレンドの変化を映し出す出来事が目立った年でもあった。 AOL、ダイヤルアップ接続を終了 ある年代以上の人であれば、モデムがインターネットに接続する際の、あの独特な接続音を覚えているだろう。通信速度は遅かったが、ウェブが形作られていった初期の時代、人々は「特定のサービスにログインしてネットにつながる」という感覚で利用していた。 その中心にあったのがAOLだ。ダイヤルアップ接続の代名詞とも言える存在だったAOLは、34年の歴史を経て、9月にサービスを終了した。これにより、今なおこの回線に頼っていた利用者の一部が、自宅でのインターネット接続手段を失った可能性がある。2015年時点でも、利用者は約200万人いたとされている。 Humane AI Pin 音声でAIとやり取りするウェアラブル端末「Humane AI Pin」は、登場時に大きな注目を集めたが、その熱狂に疑問を感じた人も少なくなかったはずだ。用途をひとつに絞ったデバイスは、これまでも何度も現れては姿を消してきた。最終的には、多機能な製品に取って代わられるケースがほとんどだ。 Humane AI Pinも例外ではなく、製品寿命は約1年にとどまった。完成度の低さも短命に終わった要因とみられる。2月にはHPがHumane AIを買収したが、評価されたのは人材やOS、特許資産であり、ハードウェアそのものが復活する可能性は低い。 iPhoneから消えた最後のホームボタン iPhoneでは、物理的なホームボタンが完全に過去のものとなった。専用のホームボタンを備えた最後のモデルはiPhone SEで、2月に登場したiPhone 16eでは、この仕様が引き継がれなかった。 画面下からのスワイプ操作がうまく認識されない場面に直面するたび、物理ボタンの分かりやすさと確実性を思い知らされる。 Micron、一般向けメモリ事業からデータセンター向けにシフト AI分野の急成長を背景に、メモリメーカーは高需要かつ高収益が見込めるAI向け・高帯域幅メモリへと注力する動きを強めている。巨額投資を続けるAI企業が、データセンター向けメモリを強く求めているためだ。 主要メーカーがSK Hynix、Micron、Samsungの実質3社に限られるなか、Micronが11月にコンシューマー市場から軸足を移す方針を示したことで、PC向けメモリが慢性的に品薄かつ高価格となる状況は、当面解消されそうにない。 「死のブルースクリーン」、黒が新たな定番に Windowsの「ブルースクリーン・オブ・デス(BSoD)」は、GUI黎明期から続く、テック業界を象徴する存在だ。システムクラッシュ時に突如現れる表示として恐れられてきた一方、実用性は高いとは言えなかった。 Microsoftは2024年10月、OSクラッシュ時の復旧速度向上や障害データ収集の改善を進めた。そして2025年10月に提供されるOSでは、従来のBSoDに代わり、より簡素なUIを黒い背景で表示する仕様へと変更した。 長年親しまれてきた大きな“しかめ面”のアイコンは姿を消す。ただし、古いWindowsが使われ続ける環境では、デジタル看板やタクシーの車内システムなどで、従来のBSoDを目にする機会は今後も残りそうだ。 Amazon、Android向けアプリストアを終了 Amazonは収益性を重視し、自社ブランド製品を軸にエコシステムを構築してきた。8月にはその方針をさらに明確にし、一般的なAndroid端末向けのアプリストアを終了。独自仕様のAndroidを搭載するFire端末向けアプリに一本化した。 AmazonのAndroidアプリストアは2011年に開始され、14年間にわたって提供されてきた。 Skype、単体アプリに幕 Teamsへ統合 FaceTimeやVoIP通話が一般化する以前、Skypeは高額だった長距離・国際電話の代替手段として急速に普及した。2011年にMicrosoftが買収して以降は、ビデオ通話機能を取り込みながら存在感を高めてきた。 しかし2月、MicrosoftはSkypeの単体アプリを終了し、同社のTeams(無料版)に統合すると発表した。長年親しまれてきたサービスは、こうして別のプラットフォームの一機能として生き残る形となる。 Google Nest Learning Thermostat、初期モデルの機能が大幅縮小 Googleは10月、初期のNest Learning Thermostat(第1世代および第2世代)について、アプリ連携を終了した。これにより、遠隔操作や通知といった主要機能が利用できなくなり、事実上、製品の価値は大きく低下することになった。 本体のハードウェア自体に致命的な問題があるわけではない。Nest Labsが製品を投入したのは2011年、Googleが同社を買収したのは2014年だ。だが、アプリから切り離されることで、セキュリティ更新も停止され、利用者は実質的に新モデルへの移行を迫られる形となっている。 Google、Stadiaコントローラーの救済措置を終了 Googleが独自設計したStadiaコントローラーは、クラウドゲームサービス「Stadia」向けに開発された製品だ。Stadiaが2022年末に終了したことで、コントローラー自体も販売終了となった。 同社は当時、ハードウェア購入者への返金に加え、Bluetooth対応へ切り替えるファームウェアアップデートを提供してきた。しかし、このアップデートは2025年末で終了する。期限までに切り替えを行わなかった場合、コントローラーは実質的に使用できなくなる。 米国でDJI製ドローンの流通が停滞 ドローンメーカーとして高い知名度を誇るDJIの製品が、米国市場で入手しにくくなっている。12月に、海外で製造されたドローンの輸入を禁止する措置が発効したためだ。 既存機の飛行や購入自体が直ちに禁止されるわけではない。ただし、流通が制限されることで、米国内で製品を見つけるのは難しくなる。消費者にとっては、事実上の入手困難な状況が続くことになる。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。