米・ロ・ウの「困難な」三者協議、最終日が終了 和平めぐり進展なく
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ロシアとウクライナの代表団は18日、アメリカが仲介したスイス・ジュネーヴでの和平協議の最終日を終えた。ロシアによるウクライナでの戦争の終結に関して、突破口は見出せなかった。
三者協議は2日間の日程で行われた。初日は夜遅くまで協議が続いたが、最終日の18日はわずか2時間で終了した。
アメリカのスティーヴ・ウィトコフ大統領特使は、協議について楽観的な見方を示した。一方で、ロシアの首席交渉官ウラジーミル・メジンスキー氏とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はいずれも、「困難な」協議だったと述べた。
メインの協議終了後、メジンスキー氏は会場へ戻り、ウクライナ側と約1時間半にわたり非公開で協議した。協議の詳細は明らかになっていない。
ウクライナの外交筋によると、前線の位置や停戦監視など「軍事問題」で一定の進展があったという。
ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は18日遅く、ウクライナとロシアの双方に「意味のある進展があった」と説明。「和平合意に向けて共に取り組み続ける」ことで合意したとした。
しかし、停戦の前提となる領土問題では依然として合意の見通しは立っておらず、ロシアとウクライナの両政府の立場に大きな隔たりが残っている。
ロシアは、ドネツク州とルハンスク州からなるウクライナ東部ドンバス地方の完全な支配権を自分たちに引き渡すよう要求し続けている。これはウクライナにとって到底受け入れられない条件だ。
メディンスキー氏は協議について、困難だったことを認めつつ、「実務的」に進んだとし、新たな協議が「近く」行われるだろうと述べた。
ゼレンスキー氏も、双方の立場の違いから交渉は「容易ではない」と述べた。
ウクライナ交渉団のトップ、ルステム・ウメロフ国家安全保障・国防会議書記は、協議は「実質的かつ集中的」なもので、進展はあったものの「現段階では」詳細は明かせないと述べた。
「これは全ての当事者間での調整と十分な時間を要する、複雑な作業だ」と、ウメロフ氏は述べた。
協議の終了が発表される直前、ゼレンスキー氏は、ロシアが「本来ならすでに最終段階に達しているはずの交渉を引き延ばそうとしている」と非難した。
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ゼレンスキー氏は18日、さらなる捕虜交換が行われる可能性を示唆した。
ウクライナでの戦争終結に向けた外交努力を率いてきたアメリカのドナルド・トランプ大統領は、ウクライナとロシアの協議がこう着状態にあることにいら立ちを見せている。
トランプ氏は16日、ウクライナは「早急に交渉の席に着くべきだ」と述べた。これに対しゼレンスキー氏は、ウクライナだけが譲歩を求められるのは「不公平」だと反論した。
ロシアによるウクライナ全面侵攻開始からまもなく丸4年となる中、ロシア政府の要求と、ウクライナが「公正な平和」と見なす可能性のあるものの間には、依然として大きな隔たりがある。
ウクライナは長らく、ドンバス地方の割譲を求めるロシアの要求を拒否している。ドネツク州にある要塞都市や長大な防衛線を含む、ウクライナの主権領土を放棄することを意味するからだ。
多くのウクライナ国民は、東部の領土を手放せば、ロシアが再び侵攻してきた場合にウクライナはぜい弱な状態に置かれるだろうと考えている。ゼレンスキー氏自身も、1938年に西側諸国がナチス・ドイツの指導者アドルフ・ヒトラーと合意したミュンヘン協定との類似点を指摘している。当時のドイツ・ミュンヘンでの会談では、イギリスとフランスがチェコスロヴァキアに領土の一部割譲を迫った。そして、スロヴァキアとして独立後まもなく、ナチス・ドイツに明け渡した。
ゼレンスキー氏は17日、米メディア「アクシオス」に対し、ドンバス地方割譲案は国民投票にかけても拒否されるだろうと述べた。
同氏は、ロシアが将来再びウクライナを攻撃するのを防ぐため、西側同盟国から強固な安全の保証を確保しようとも取り組んでいる。
協議におけるもう一つの争点は、ウクライナのザポリッジャ原子力発電所の扱いだ。
欧州最大級のザポリッジャ原発は前線に位置し、全面侵攻開始直後の2022年3月からロシアの支配下にある。ウクライナはロシアに返還を求めており、ゼレンスキー氏は以前、同原発をアメリカと共同管理する可能性に言及している。しかし、ロシアがこれに同意する可能性は低い。
三者協議が開かれたジュネーヴにはイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの当局者も集まり、三者協議の合間にウクライナ側と話し合った。
欧州諸国はアメリカ主導の協議への参加を模索してきたが、うまくいっていない。ゼレンスキー氏は、いかなる最終合意にも欧州の参加が「不可欠」だとしている。
ゼレンスキー氏は18日、イギリスの著名司会者ピアス・モーガン氏の番組「ピアス・モーガン・アンセンサード」のインタビューで、スイスでさらなる協議が行われる見通しであることを認めた。そして、軍事面では進展があったものの、「政治的な方向性についてはより困難」な状況だと繰り返した。
また、トランプ氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の関係について、本当に「理解できない」とした。「プーチンに対する(トランプ氏の)態度が、時に(中略)プーチンが受けるに値する以上に好意的なことは、私にとって非常に、非常に苦痛だ」と、ゼレンスキー氏は述べた。
ロシアによるウクライナ全面侵攻は、今月24日で丸4年となる。
この戦争により、ウクライナ全土で何万人もの軍人や民間人が犠牲になっている。数百万人が家を追われるなど、ウクライナ人の生活に影響をおよぼし続けている。今もウクライナ全土で日常的に致命的な空爆が起きている。
17日夜にはロシアの砲撃や空爆で4人が死亡し、30人が負傷した。各地の電力インフラも標的になっており、近年で最も厳しい冬の中、数百万人が電気や暖房が遮断された状態に置かれている。