プーチン氏は領土の要求崩さず、米国の停戦説得を拒否-関係者

ロシアが戦争終結の合意を結ぶ場合、ロシアによるウクライナ4州の支配が認められなければならないとプーチン大統領は主張している。事情に詳しいモスクワの関係者3人が明らかにした。ロシアはこの4州について、完全には支配していない。

  この要求は、停戦と恒久的な戦争終結に取り組むトランプ米大統領にとっては打撃だ。和平交渉は進展せず、米政権内では不満が高まっている。

  慎重に取り扱うべき問題を話しているとして匿名を要請した関係者2人によると、25日にモスクワを訪問したウィトコフ米特使は長時間にわたる会談で、現在の戦線に沿って戦闘を停止する停戦案に合意するようプーチン氏を説得しようとした。だが、プーチン氏は領土について最大限を要求する姿勢を崩さなかった。

モスクワで会談したウィトコフ米特使とロシアのプーチン大統領(ロシア国営メディアのスプートニク提供)

  今や交渉は暗礁に乗り上げ、打開を図るためにはプーチン氏とトランプ氏の直接会談が必要だと、関係者の1人は語った。

  ロシア大統領府のペスコフ報道官はコメントの要請に応じなかった。

  米国家安全保障会議(NSC)のヒューイット報道官は「現在進行中の協議についてコメントしない」と述べ、「この戦争を平和的に解決させるため、ウクライナ、ロシアの双方と共に前進を続ける」とした。

  ロシアは2022年の全面侵攻開始後に占領したウクライナの地域で一方的な「住民投票」を強行し、ドネツク、ルハンシク、ザポリージャ、ヘルソンのウクライナ4州が「恒久的に」ロシアの一部になったとプーチン氏は宣言した。ロシアは4州を完全に掌握したことは一度もないが、4州全域の編入を憲法にも明記した。

  この「住民投票」について、国連のグテレス事務総長は「国連憲章と国際法に違反している」と指摘。投票結果は国際的に認められてはいない。

  トランプ氏と米政権幹部は、近く合意が実現しないなら交渉から離脱する可能性を示唆している。米国は4回目となったウィトコフ氏とプーチン氏の会談の結果詳細を公にしていない。

  トランプ氏はこの会談直後には停戦合意が「極めて近い」と楽観を口にしていたが、その後懐疑的な見方を強め、プーチン氏は恐らく「戦争を止めたいのではなく、私を利用して引き延ばしているだけなのかもしれない。『銀行制裁』や『2次制裁』といった異なる手段で対応する必要があるかもしれない」と述べた。

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原題:Putin Is Said to Keep Demanding Ukraine Land Despite US Pressure(抜粋)

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