バングラデシュ、実戦でラファールを撃墜した中国製戦闘機取得に動く
バングラデシュ空軍はタイフーン取得に向けた意向書に署名したが、ブルームバーグは25日「バングラデシュはJ-10CE購入計画を進めており、インド・パキスタン紛争における同機の性能を理由として挙げている」と報じ、バングラデシュ空軍はタイフーンとJ-10CEの両方を取得するのかもしれない。
参考:Bangladesh Plans to Buy Chinese Fighters in Military Overhaul
バングラデシュ空軍の戦闘機戦力はMiG-29BM/UBM、MiG-29B/UB、FT-7BG、F-7BGIで構成され、インド空軍やミャンマー空軍と比較すると能力不足が否めないためSu-30MEの調達を検討してきたものの、ロシアはロヒンギャ難民問題でバングラデシュと対立するミャンマーを支持、さらにミャンマー空軍にSu-30SMEを売却したため関係が拗れ、バングラデシュは戦闘機の調達先を西側諸国に変更することを決めた。
出典:Faisal Akram from Dhaka / CC BY-S 2.0
当初は調達コストが安価なグリペンやF-16を検討していたものの「高価でも能力の優れた戦闘機の方が抑止力が高い」という結論に落ち着き、バングラデシュ空軍は2025年12月「レオナルドとの間で意向書が調印された」「この合意に基づいてレオナルドはタイフーンを我々に供給する予定だ」と発表、Defense Newsも「この契約が成立すればバングラデシュは欧州と中東以外でタイフーンを購入する国になる」「現地メディアによればバングラデシュ空軍は最大16機のタイフーン導入を予定している」と報じていたが、まだタイフーン導入に関する正式な契約締結までには至っていない。
ブルームバーグは25日「バングラデシュは中国製のJ-10CE購入計画を進めており、政府関係者はインド・パキスタン紛争における同機の性能をその理由として挙げている。タリク・ラーマン首相の政策・戦略・情報顧問を務めるザヘッド・ウル・ラフマン氏が火曜日の記者会見で『政府の交渉委員会が多用途戦闘機調達に関する契約草案を決定した』『今年度中に資金が確保できれば計画を進められるが、そうでなければ来年度に計画が持ち越されるだろう』『中国製戦闘機はラファールやタイフーンといった欧州製戦闘機よりも安価なのに直接的な戦闘状況ではより優れた性能を発揮する』と述べた」と報じて注目を集めている。
出典:Bangladesh Air Force
バングラデシュがJ-10CE購入計画(推定24機導入)を進めている要因の1つ(直接的な戦闘状況では欧州製戦闘機よりも優れた性能を発揮するという言及)は2025年5月に発生したインドとパキスタンの軍事衝突のことで、J-10CとPL-15の組み合わせでラファールが撃墜されたことを示唆しており、ウズベキスタンもJ-10CEを24機取得するという噂が流れているが、バングラデシュの動きもウズベキスタンの噂も正式な契約締結ではないので「J-10CE導入が決定した」と意味ではない。
ちなみにバングラデシュ空軍の規模を加味するとタイフーン×16機では足りないため、中国からJ-10CE×24機を導入しても不思議ではなく、J-10CとPL-15の組み合わせでラファールが撃墜されたことは事実だが、現代の空中戦において戦闘機や空対空ミサイルの能力やパイロットの腕は結果を左右する一要素に過ぎず、ミッチェル航空宇宙研究所のダーム氏は「ラファールとJ-10Cの比較は(有益なことを)何も教えてくれない」「この戦いで重要だったのは戦闘機の性能ではなくキルチェーン全体の有効性だ」と指摘している。
出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Samantha White
“パキスタン空軍のAがBを発射してCがBを誘導して目標を撃墜した。この一連の攻撃は地上配備型防空システムのレーダーが目標を検出したことから始まり、指示を受けたJ-10Cが目標方向にミサイルを発射し、最終的に早期警戒管制機がデータリンク経由でミサイルをインド空軍の戦闘機に誘導したのだろう。もっと交戦の詳細が明らかになればパキスタンがどれだけシステム統合を上手くやったのか分かるだろう。これはJ-10Cとラファールの相対的な能力というより、システム・オブ・システムズ、訓練、戦術といった数値化の難しい事柄について多くのことを物語っている”
“多くの報道機関は第4世代のJ-10Cが第4.5世代のラファールを撃墜したという点を強調しているが、この比較は(有益なことを)何も教えてくれない。撃墜された可能性があるラファールがミーティアを搭載していたのかも不明で、この比較はJ-10CとPL-15の組み合わせがラファールとミーティアの組み合わせを上回ったかどうか、中国の技術が西側の技術と比べてどれほど優れているのかについて何も物語っていない”
出典:China Military Bugle
要するにJ-10CEとPL-15の組み合わせを取得しただけでは意味がなく、戦闘機、ミサイル、地上レーダー、早期警戒管制機、ネットワーク、統合された指揮統制などの要素で構成されるキルチェーン全体を構築し、それの特性に合わせた戦術やパラメーターを開発しないとJ-10CEとPL-15の強みは発揮されないため、戦闘機単体の性能で大きな優劣がつくのはゲームの中だけの話だろう。
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※アイキャッチ画像の出典:China Military Bugle