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(ブルームバーグ):ロボット掃除機「ルンバ」を製造する米アイロボットの株価が12日に急落した。事業継続能力に「重要な疑義」があると表明した。同社を巡ってはアマゾン・ドット・コムが14億ドル(現在のレートで2100億円)での買収計画を断念した経緯がある。

アイロボットは同日の決算発表資料で、継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に重要な疑義があると指摘した。取締役会は債務借り換えや身売りなど選択肢の検討に向け、正式な戦略見直しに着手した。

ニューヨーク市場で株価は一時42%安の3.63ドル。取引時間中として2005年11月の上場以来最大の下げとなった。

アマゾンが昨年、アイロボット買収計画を断念した背景には、買収阻止をちらつかせた欧州連合(EU)競争当局との対立があった。アマゾンは米国、EUの双方から強い圧力をかけられた。既に苦境に陥っていたアイロボットへの影響はすぐに顕在化した。株価は数年ぶりの大幅安となった。時価総額は11日時点で2億ドル未満。

2024年10-12月(第4四半期)は7710万ドルの純損失を計上した。年末時点で現金・現金同等物の保有額は1億3400万ドル。前期よりは増加したが、前年同期を下回った。売上高は44%減少。同社はその要因として、ホリデーシーズンに向けた大口顧客からの受注タイミングや新製品発売に向けて取り組んでいる競争上の課題などに言及した。

また、「消費者需要のみならず競争、マクロ経済状況、関税政策といった潜在的要因ゆえに、新製品投入が成功する保証はない」と警告した。

原題:One-Time Amazon Takeover Target iRobot Warns Doubt on Future (2)(抜粋)

--取材協力:Irene Garcia Perez.

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