エチオピアのハイリ・グッビ火山が1万年ぶりに噴火、噴煙が大陸を越えて広がる

ハイリ・グッビ火山の噴火で噴出した灰が紅海上を漂う様子を捉えた衛星画像/NASA/Handout/Reuters

(CNN) エチオピア北東部アファール州にあるハイリ・グッビ火山が23日、およそ1万年ぶりに噴火し、濃い煙と灰を上空高く噴き上げた。近隣の村々は灰に覆われ、農業にも影響が出ている。

地元当局者によると、死傷者は確認されていないが、家畜を放牧して生活する地域社会にとって、灰が地面を覆ってしまうことが大きな脅威となっている。AP通信が伝えた。

住民は、噴火の瞬間に恐ろしい爆発音を聞いたと証言している。

地元住民のひとりは「まるで煙と灰とともに突然爆弾が投げ込まれたようだった」と語った。

(Social Media)

米航空宇宙局(NASA)の衛星からも噴火が観測されており、濃い火山灰の雲が紅海を越えて流れる様子が確認された。

トゥールーズ火山灰情報センターによると、火山灰はイエメンやオマーン、パキスタン、インド方面へ流れた。

24日には、パキスタンの気象当局が領空に灰が入ったとして警報を発令した。

インドでは、航空会社エア・インディアが、ハイリ・グッビ火山の噴火後に特定の地域の上空を飛行した機体の安全確認を行うとして、複数の国内線・国際線の欠航を発表した。

噴火するエチオピア・アファール州のハイリ・グッビ火山=23日/Afar Government Communication Bureau/AP

深刻な大気汚染の波に見舞われているインドの首都ニューデリーだが、インドの気象当局によると、火山灰は高高度を漂っているため、大きな影響はないとみられている。

ハイリ・グッビ火山はエチオピアの首都アディスアベバの北東約800キロにあり、標高は約500メートル。二つのプレートが接する活発な地質活動帯に位置している。

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