トランプ米政権の政府職員大量解雇指示を一時差し止め、地裁判断

米連邦地裁は27日、国防総省などに最近採用した職員の大量解雇を指示したトランプ政権の対応を一時的に差し止める判断を下した。写真は2月27日、ワシントンのホワイトハウスで撮影(2025年 代表撮影)

[サンフランシスコ 27日 ロイター] - 米連邦地裁は27日、国防総省などに最近採用した職員の大量解雇を指示したトランプ政権の措置を一時的に差し止める判断を下した。

サンフランシスコ連邦地裁のウィリアム・アルサップ判事は審問で、連邦政府の人事管理局(OPM)には、採用から通常1年未満の試用期間中の職員を含む、いかなる職員も解雇する権限はないと指摘した。

解雇すべき試用期間中の職員を特定するよう各省庁に指示した1月20日付のメモと2月14日付の電子メールを取り消すようOPMに命じた。

今回の判断はアルサップ氏が異議申し立てを検討する間、一時的に効力を持つ。同氏は民主党のクリントン元大統領が任命した。

訴訟は複数の労働組合や非営利団体が起こした。原告側はOPMには連邦職員の雇用と解雇に関する権限はないと主張している。またOPMのメモや電子メールは正式な規則に等しいと訴えている。

トランプ政権はOPMからのメモやメールについて、各省庁に試用期間中の労働力を見直し、解雇の可能性がある職員を特定するよう要請したにすぎず、何かを義務付けるものではないと主張している。

司法省の弁護士ケルシー・ヘランド氏は「命令は通常、要請という表現を用いない」と述べた。

これに対しアルサップ氏は、ほぼ全ての連邦機関が独自に職員の大幅削減を決定した可能性は低いと断じた。

ただ、国防総省や他の政府機関は訴訟の被告ではないため、これらの省庁自体に職員を解雇しないよう命じることはできないとした。

国防総省は28日に5400人の試用期間中の職員を解雇する見通し。また関係筋によると、27日には米国海洋大気庁の試用期間中の職員数百人が解雇を通知された。

アルサップ氏は連邦政府職員の大量解雇が広範囲にわたり悪影響をもたらすとの見解を示した。

「試用期間中の職員は政府の生命線だ。低い地位からスタートして昇進していく。それがわれわれ(政府機関)が新陳代謝を図る方法だ」と指摘した。

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Dan Wiessner (@danwiessner) reports on labor and employment and immigration law, including litigation and policy making. He can be reached at [email protected].

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