米ハーバード大、トランプ政権を提訴 補助金凍結巡り

米ハーバード大学は4月21日、トランプ政権による補助金凍結の差し止めを求め、マサチューセッツ州ボストンの連邦地方裁判所に提訴した。写真は抗議者ら。12日、同州ケンブリッジで撮影(2025年 ロイター/Nicholas Pfosi)

[21日 ロイター] - 米ハーバード大学は21日、トランプ政権による補助金凍結の差し止めを求め、マサチューセッツ州ボストンの連邦地方裁判所に提訴した。

政権は今月、ハーバード大に対し、多様性・公平性・包括性(DEI)重視方針の撤回や一部の学部への審査開始などを要求したが、大学が拒否したことを受け、連邦政府からの23億ドルの資金提供を凍結すると発表した。 もっと見る

訴訟は、トランプ大統領が反ユダヤ主義やイデオロギー的偏向を排除するために主要大学での最先端研究への資金提供に対して広範な攻撃を開始したと指摘。

「政府はハーバード大学の学術的意思決定をコントロールする手段として、資金凍結を利用しようとしている」と訴えた。

ハーバード大は、トランプ政権の行動が恣意的かつ違法で、言論の自由を定めた憲法修正第1条に基づく大学の権利を侵害していると主張している。

ホワイトハウスのフィールズ報道官は、ハーバード大などの機関が連邦政府の援助を容易に受けられる状況は終わりに近づいていると指摘。

「納税者の資金は特権であり、ハーバード大はその特権にアクセスするのに必要な基本条件を満たしていない」と語った。

トランプ大統領は1月の就任以来、昨年の親パレスチナ派によるデモへの対応を巡りキャンパスに反ユダヤ主義を広めたとして、米国の名門大学に対する圧力を強めている。

しかし、一部のユダヤ人団体を含むデモ参加者は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでの軍事行動への抗議が反ユダヤ主義と誤って混同されていると主張している。

トランプ政権の対応を巡り訴訟を起こした大学はハーバード大が初めて。

政府はキャンパスでの抗議活動を巡り、コロンビア大学、プリンストン大学、コーネル大学、ノースウェスタン大学、ブラウン大学などへの補助金も停止している。

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