欠けゆく月が金星、土星と共演 美しいパノラマを見よう 今週の夜空

先週「フラワームーン」の満月を迎えてから、月は夜ごと欠けて小さくなり、かすかな星のきらめきや星座の形を見つけやすい暗い空が戻ってきた。夜半~未明の南の空には、天の川の中心部が輝いている。細い月と土星、金星の共演も見逃せない。5月第4週の星空観察のポイントをまとめた。 【画像】峡谷の上に昇ってくる天の川銀河の中心部 ■5月20日(火):下弦の月 満ち欠けの最後の1週間が始まる。今宵の月は、夜半に東から昇り、明け方に南の空に見え、正午頃に西の空に沈む。 満月や新月と比べて注目されにくい下弦の月だが、実は月を観察する絶好のチャンスでもある。月面の明るく光っている部分と欠けた暗い部分の境目、すなわち昼と夜の境界線に望遠鏡を向けてみよう。山脈やクレーターの形が影として浮かび上がって見えるはずだ。この境目を「明暗境界線(terminator)」と呼ぶ。 ■5月23日(金):月と土星が出会う 日の出の1時間~45分ほど前に東の低空を見ると、美しい天体の共演が拝める。月齢25のやや細い下弦の月が、土星と約3度の距離まで接近して並ぶ。左下方には「明けの明星」金星が輝いている。東の視界を遮る建物のない高層階や屋上から眺めるのがベストだ。 ■5月24日(土):月と金星が出会う やはり日の出の約1時間~45分前の東の低空で、こんどは明るく輝く金星から4度ほど離れたところに月齢26の細い月が見える。右上方を探すと土星も見つかる。月は、欠けた部分がほのかに光っているかもしれない。地球が反射した太陽光に影の部分が照らされることで生じる「地球照」という現象だ。ぜひ双眼鏡で覗いてみてほしい。 ■5月25日(日):新月の腕に抱かれた古い月 月が太陽のまぶしさの中に姿を消し、新月を迎える直前の姿を観察する最後のチャンスだ。月齢27の細く儚い月は、日の出の45分前の東の低空、金星の左側にある。地球照を伴った細い下弦の月を指して、英語では「新月の腕に抱かれた古い月(The old Moon in the new Moon’s arms)」と呼ぶことがある。夜明けの空で土星、金星、月が右上から左下へとほぼ一列に並び、まるで地平線を抱きしめているかのような優美なパノラマを見せてくれる。 ■今週の星座:からす座 カラスの形には見えないし、この星座について話題にする人もなかなか見ないが、古代ギリシアの天文学者プトレマイオスがまとめた「トレミーの48星座」の1つで、国際天文学連盟(IAU)が定めたれっきとした星座である。 見つけるのは実に簡単だ。北斗七星の「ひしゃくの柄」を伸ばした「春の大曲線」に沿って、うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカを通り、さらに先へと延長したところにからす座はある。今週の夜空では、ちょうどスピカの右下あたりに見つかるはずだ。

Jamie Carter

Forbes JAPAN
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: