気になる「トイレ中の音」。音を消す装置を使う?使わない?男女差も興味深い結果に
トイレに入った時に気になる「あの音」。ほかの人に聞かれたくないと思い、「音姫」に代表されるトイレ用の擬音装置(以下「擬音装置」)がついていると、それを使うこともあります。しかしふと気になる「これってみんなどれくらい使ってるんだろう?」また、「男性ってどうしてるのかな?」という疑問。
今回『kufura』では、20〜60代の男女356人に「あの擬音装置、普段使ってますか?」と質問。使う人、使わない人それぞれに理由なども聞きました。男女差はもちろん、女性の中でも意見が分かれて面白い結果となりましたよ。
まず、トイレに入った時にトイレで装置を使うかどうか、男性と女性それぞれの結果は以下のようになりました(男性240人、女性116人)。
特に注目したいのは、使用しない割合です。男性は62.5%(150人)、女性は17.2%(20人)が「使用しない」と答えており、割合としては3倍以上の開きがあります。利用状況を割合で比べてみるとより分かりやすくなります。
女性はみなさん個室ですが、男性は小便器も使用できるということも関係しているのでしょう。女性で最も多いのが「使用するときもしないときもある(34.5%)」だというのも興味深いですね。ここからは、使用しない理由から見ていきましょう。
アンケートに答えてくれた男性の6割以上が、擬音装置を使用していません。その理由は大きく3つに分けることができそうです。
「特に気にしないから」(46歳男性/営業・販売)
「特に必要だとは思わないから」(38歳男性/総務・人事・事務)
「聞かれても自然現象なので気にしない」(60歳男性/営業・販売)
「小さい時から使っていないから」(64歳男性/総務・人事・事務)
男性の場合は、トイレでの音が気にならないという意見が多く寄せられました。トイレに行くのは誰にでも起きる生理的な現象です。そこで音がしたとしても、それも自然のことだから気にすることもないという考えのようですね。
「使い方が分からないし、装置がついてない」(37歳男性/その他)
「男子トイレにはほとんどついていません」(42歳男性/その他)
「設置されていない」(46歳男性/金融関係)
新しいビルや商業施設などでは男性用トイレの個室でも擬音装置が付いていることが多いようですが、古いビルや公衆トイレなどでは擬音装置がついていないこともあります。また、小用便器のみの使用だとあまり用がありません。そのため使ったことがなく、使い方がよく分からないという意見も。使い慣れていないので、使うことにとまどいもあるのかもしれません。
「別に音が聞こえても気にならないから。かえって、装置を使うほうが白々しい感じがする」(61歳男性/会社経営・役員)
「使用するのがかえって恥ずかしいと感じる」(62歳男性/営業・販売)
音を聞かれるよりも、「音を意識している」「恥ずかしがっている」と思われる方に抵抗を感じることもあるようですね。ほかの人が音を消していないのに自分だけ消しているという状況になるとたしかにちょっと気まずいかも。
【男性編】「使っている」と答えた人の意見は?
null擬音装置を使わない男性が多いですが、もちろん使っている人もいます。その理由は大きく分けると2つあります。
「エチケットとして使います」(40歳男性/営業・販売)
「音を消すことがマナーのような気がするから」(50歳男性/その他)
仮に自分は音を気にしなくても、他の人が気にしたり、場合によっては不快な思いをさせたりするかもしれません。そう考えると、装置を使ったほうがよいと思うのでしょう。トイレに入った時のエチケットやマナーと捉えている人もいます。
「周りにトイレの音を聞かれるのは嫌だから」(69歳男性/コンピューター関連以外の技術職)
「職場などの知っている人に聞かれると恥ずかしいから」(53歳男性/公務員)
「おならが出た時に恥ずかしいから」(61歳男性/営業・販売)
職場などで知っている人がいる場合、トイレの音を聞かれたくない気持ちも出てくるという人も。生理的な現象とはいえ、恥ずかしい気持ちが先行するようです。
【女性編】「擬音装置を使用しない」少数派の理由
null次は女性が類似のトイレ用擬音装置を使用しない理由を見ていきます。女性の場合、「使用しない」と回答したのは2割以下となっていますが、ここでは代表的な2つの意見を紹介します。
「気にしなくてもいいと思うので」(53歳女性/その他)
「トイレなので音がしても不思議ではないし、あまり気にしないようになったから」(52歳女性/主婦)
「生理現象だし、自分も特に他人の音を気にしたことはないので、自分から使ったことはない」(30歳女性/その他)
トイレに行くのは誰でも同じ。人間なら必ず起きる生理現象と考えれば、音が出ても気になりませんね。この意見は男性からも出ていますから、トイレに入ったら当然のことと割り切ってしまうのもよいのかもしれません。
「使っても聞こえる時がある」(28歳女性/主婦)
「あまり意味がなさそう」(49歳女性/総務・人事・事務)
擬音装置を使って音を消しても意味がない気がするという人たち。結局、音は聞こえてるよね? 「気を使ってますよ~」というアピールにしかならないのでは? と感じたことがある人も多いと思います。それならいっそ使わなくていいじゃない、という現実的な意見です。
番外編として、
「ボタンを触りたくないからです」(63歳女性/主婦)
衛生的に気になるからという人もいました。自動で音が流れたり、手をかざせば鳴る装置ならともかく、わざわざ触れる箇所を増やしたくないという気持ちも分かります。
女性の場合、小の時のみ、大の時のみ、大小ともに、と、いずれかの場合では使用するという人の合計が45人(38.8%)と最多となりました。その理由は主に2通り。
「音を消すことがエチケットだと思うから」(53歳女性/総務・人事・事務)
「一応流すのが自分の中でマナーになっているから」(48歳女性/学生・フリーター)
「他人がいる時はお互い気にしなくていいように使用する」(54歳女性/金融関係)
トイレでの音は自分だけが気にするものではありません。音が聞こえてしまうほかの人も、なんだか気になってしまうもの。擬音装置を使うのはほかの利用者への配慮として、という意見が多くありました。もはやマナーやエチケットとして定着したとも言えるでしょう。
シンプルに音を聞かれたくないし、音があった方が安心できる
「音がないと恥ずかしいから」(27歳女性/デザイン関係)
「単純に恥ずかしい。音が気になるから」(44歳女性/主婦)
「人がいると音が気になるから」(31歳女性/主婦)
「人に聞かれたくないから」(39歳女性/その他)
装置を使うのは、他の人に音を聞かれたくないという思いがあるからです。男性も同じですが、恥ずかしい気持ちが強いですね。
「あれば安心して用が済ませられる」(52歳女性/主婦)
「音を気にせずに使用できるから」(49歳女性/総務・人事・事務)
恥ずかしい気持ちや、ほかの人に聞かれているという不安な気持ちがあると、安心してトイレで用をすますことができない場合も。音を消せば他の人に聞かれているという心配もなくなるので、いろいろな意味で快適に感じるのかもしれません。
最後に、単独では最多となった「使用するときもしないときもある」派の人たちの意見。
「人がたくさん並んでいるときは聞かれたくないので使うことが多いけど、人があまりいないときは面倒なので使わない」(30歳女性/その他)
「人が多い時は使わない。人が少ない時は使うことが多い」(31歳女性/その他)
「人の気配があって、お腹の調子が悪かったり大きな音が出そうな時は使う」(31歳女性/学生・フリーター)
「近くの人に聞かれるのが嫌なのでトイレが混雑しているかどうかで判断している」(44歳女性/その他)
「知り合いと一緒にトイレに入ったときのみ使います」(42歳女性/主婦)
「他に人が居なければ使わない。シーンとしていたら使うかも。パーキングエリアのトイレなど人が多くがやがやしているところでは使わない」(63歳女性/主婦)
面白いのは、「人が多いときは使う」「人が多いときは必要ない」両方の意見があること。トイレから出た時に「あの人の音が聞こえていたな」と思われるかどうか、ということでしょうか? どちらの気持ちもなんとなく分かる気がしますね。
また、知り合いが一緒の時は使う、他人だけの時は構わない、音が出ちゃいそうなら使う、静かなトイレだったら使う……など、状況を判断しつつ使用しているという人が多かったようです。
いかがでしたか? 考えてみればトイレって、個室という超プライベートな空間なのに、音はなんとなく共有されているという点でとても特殊なのかも。
いろいろな人の意見を見ていて、自分のトイレの音を人に聞かれることが「恥ずかしい」/「当たり前のことなのだから恥ずかしいと感じるのもヘン」という考え方の違いはもちろんなのですが、「音を人に聞かせてしまうことはエチケットとしてどうなのか」という考え方も広く浸透していることが感じられました。このあたりをどうとらえるかで意見も分かれてきそうです。
また、小用のみの場合でもトイレの個室を使用する男性も増えてきていると聞くので、これからは今回の結果のような男女差もだんだんなくなっていくのかもしれませんね。
川崎さちえ
フリマアプリ・ネットオークションガイドとして、NHK「あさイチ」、フジテレビ「ノンストップ」などの情報番組に多数出演。『節約の達人 川崎さちえの ポイ活+クーポン+メルカリ スマホでおトク術』(インプレス)などの著書や、記事の執筆も手がける。
2003年、夫が子育てをするために、突然会社を辞める。翌月からの給料が0円になり、家にいながら、しかも空いた時間でできるオークションを開始する。ネットオークション歴20年以上、フリマアプリ歴10年以上の経験で培った独自の効率的な利用方法を発信し、オークションやフリマアプリの魅力を伝えている。