【レビュー】レコーダ難民が、パナソニック「miyotto」使ってみた。納得の実用性で“導入に王手”

miyotto

レコーダーやディスクメディアにまつわるニュースは、ここ最近厳しいトピックが続いていた。ソニーが記録用ブルーレイディスクメディアの製造を終了。パイオニアが光ディスク事業から撤退。ソニー製レコーダーではお馴染みのアプリ「Video & TV SideView」が2027年3月末でサービス終了になる。特に、ソニーのレコーダーを愛用して、Video & TV SideViewも活用していた筆者には深刻な事態だ。

いったいどうすれば……と思っていたら、パナソニックからまさかのネットワーク対応HDDレコーダー「miyotto」が登場した。これは試すしかない。

この配信全盛時代にテレビ放送にこだわるなんて、と思われるかもしれない。だが、miyottoは、様々なデバイスでまるで配信を見ているような手軽さで、テレビ放送ならではのメリットも享受できる新世代のレコーダーだ。本稿では、その魅力と実用性をじっくり解剖していく。

11月21日に発売された「miyotto」は、ネットワークHDDレコーダー。放送・録画番組を、同じネットワーク上にあるFire TV Stickやスマホ・タブレット、スマートプロジェクターなど再生できる。公式オンラインストアや大手家電量販店経由での販売で、実売は5.5万円前後と3番組同時録画対応のレコーダーとしてはお手頃だ。

miyotto

ネットワーク接続専用のレコーダーであり、HDMI出力はない。製品をネットワークに接続し、家庭内のスマートフォンやタブレット、パソコン、Mac、テレビなどで視聴する。Fire TV Stickシリーズ、Google TV 、Android TVなどでも見られるので、対応デバイスは無数にある。

また、レコーダーでは当たり前のようにあるBlu-rayドライブは搭載しない。

まとめると、Blu-rayレコーダーのようにネットワーク対応で専用アプリも用意され、宅内リモート視聴はもちろん、番組をスマホに転送して外でオフライン視聴もできるし、外出先から予約録画だってお手の物。ただし、Blu-rayとDVDの再生には非対応。あくまで「ネットワークHDDレコーダー」として機能をシンプル化した製品となる。

気になるレコーダーとしての機能面は、パナソニックのディーガ並みと謳う。内蔵HDDは2TBと潤沢。DRモードで約244時間(地デジ)、15倍録モードで約1,920時間録画できる。最大8台までの外付けUSB HDD(160GB以上・8TB以下)を登録し、録画用ストレージとして活用できる。

チューナーは、地上/BS×3チューナー搭載で3番組の同時録画に対応(4K放送は非対応)。現在放送中もしくは録画済み番組の同時視聴は最大2台まで、宅外からのリモート視聴は1台まで。

録画機能は「番組表予約」「日時指定予約」「毎週予約」のほか、特定のワードを設定して自動録画させる「キーワード自動録画」、ジャンル(ドラマ/アニメ)と時間帯(朝/午後/ゴールデンタイム/深夜)を組み合わせて約90日間分自動で録り置く「1クール自動録画」にも対応する。

やっぱりBlu-rayに焼いて残したいという方のために、ディーガへのお引っ越しダビング機能も搭載。引っ越し先のレコーダーでBD-Rなどに焼いてディスクとして残せるというわけだ。外形寸法は55×214.5×147mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.2kg。

配信サービスがすっかり映像コンテンツの主流になって久しいが、テレビコンテンツの需要はまだまだ堅調なのが実情だ。パナソニックによると、配信サービス全体で見ても「視聴時間の半分以上がテレビコンテンツ」という調査結果が出ているとのこと。

無料の配信サービスでは、CMスキップができないとか、”最新話無料”が終わってる(見過ごしの発生)といった不便さも存在していた。一方、レコーダーは予約録画さえミスらなければ、そんなストレスとは無縁でいられる。

だが、しかしだ。

「テレビ放送でオンエアチェックできるのは民放局がたくさんある都会民だけの特権」というシビアな現実からは目をそらせない。筆者も大いに同意だ。特にアニメは、2001年まで12年間「アニメ不毛の地」として名高い静岡県に暮らしていた自分にとって、独立UHF局やテレビ東京系列が見られないことで、何度歯ぎしりするほど悔しかったかしれない。

ただ、今となっては静岡も深夜アニメが増えてきたし、BS11や民放キー局のBSチャンネルでも多くのアニメがフォローできる。CATVに加入すれば地域外の局も受信できたりする。

いろんな意味で時代が変わりつつある今、配信サービスで感じるストレスと無縁のテレビ放送を、配信並みの快適さでチェックできる製品……それがmiyottoなのである。

自宅に届いた製品を箱から取り出す。箱はフルカラーで写真も配置されていて、ポップな感じ。カジュアルな視聴者層にも使ってほしいという意図が伝わる。

中身は、本体とACアダプター。添付書類一式。アンテナ線やLANケーブルは同梱されていない。アンテナ線やLANケーブルが付属していないのは、置き場所を自由にできるmiyottoならではの判断とみた。適切な長さは、設置場所や環境によって大きく変わるからだ。

miyottoは内部に3.5インチのHDDが使われていると推察され、テレビチューナーを内蔵した機能性も考えればコンパクトな本体だといえる。奥行きこそ少しスペースを取るが、その昔、オーディオ用NASとして話題になったRockDisk Nextとそっくりな寸法で懐かしさを覚えたりもした。一般的なBlu-rayレコーダーと比べると幅は1/8だという。もはや比べるべくもない。

奥行きは長めだ

フロントパネルには、LINKとSTATUSのLEDが2つ、Wi-Fi初回接続やネットワーク状態の確認に使用するスイッチが配置されている。バックパネルには、100BASEまで対応したLANポート、mini B-CASカードスロット、外付けHDD用のUSB-A端子、地上デジタルとBS/CSのアンテナケーブル挿し込み口、ACアダプターのジャックがある。

前面
背面

コードは、(Wi-Fi接続すれば)ACアダプターとアンテナケーブルの計3本で事足りる。BS/CSを見ないなら2本だけだ。HDMIケーブルやテレビに渡るアンテナケーブルが入り乱れるレコーダーに比べると、ずいぶんスッキリしている。

余談だが、フロント側のLEDは設定で暗くすることもできる。リビングに置くとは限らないmiyottoだけに、こういう些細な仕様からは気遣いを感じた。

付属のACアダプター

テレビアンテナ線さえ接続できれば、家中どこに置いてもいいのは自由度が高い。起動しているときの動作音は、Blu-rayレコーダーと比べて、HDDが剥き身に近いmiyottoは少し大きめだ。よって、テレビとは別の部屋に設置するのもありだろう。テレビコンセントは、意外とあちこちの部屋にあったりする。普段見ない家具の裏とか、探すと発見できるかも。

テレビアンテナ線さえ接続できれば、家中どこに置いてもいいのは自由度が高い

初期設定はとても簡単。スマホやタブレットにmiyottoアプリをインストールして、画面の指示に従って初期設定を進める。筆者はネットワークには有線で接続した。Wi-Fi接続は、画面の指示に従ってボタンを押して簡単接続、あるいはSSIDを選んで手動接続をするといった一般的なIoT家電と同等の手順だった。

ウィザード形式で設定も簡単

チャンネル受信設定は郵便番号を入れれば、地域に合った地上デジタル放送局を自動でサーチしてくれる。CATV回線がデフォルトで壁まで来ている筆者の場合、J:COMのほか、テレビ神奈川やテレビ埼玉、BS/CS放送まで自動でスキャンしてくれた。

今回、視聴で試したのは、iPadとiPhone、WindowsとGoogle TV、全4種類。これでも一部だから、本当にマルチに使える製品なのだと実感する。

個人的には3番組同時録画に対応しているのが本当に素晴らしいと思う。見たい番組の時間帯が被ることは、ドラマやアニメのヘビーチェッカーなら日常茶飯事。最低でも2番組同時、3番組同時ならほぼ確実にフォローできるだろう。家族で共有するにしても、録画の都合でケンカはしたくない。VHSの時代を思い出してしまう。

予約録画はアプリから行なう。番組表から直接選んで予約はもちろん、キーワードを登録しての自動録画も行える。録画モードは、DRのほか、3倍、5倍、10倍、15倍録と画質と容量のバランスを考えて決める。

“DR録画至上主義”の自分も3倍録を試したところ、予想より遙かにキレイで驚いた。むしろ、画質は放送自体のビットレートが低いTOKYO MXなのか、キー局なのか、BSなのかの違いの方が分かりやすいくらいだ。MXなら3倍録で録っても十分アリだと思えた。

番組表
自動予約のキーワードを登録しているところ。さらに詳細な設定をカスタムできる

お録りおき設定は、対象の時間帯、任意のチャンネルのドラマやアニメを全部録画できるディーガらしい機能。欲を言えば、深夜アニメの時間帯をカスタムできるとよかった。

設定では23時からになっているが、実質的には22時から深夜アニメが始まるというのが東京在住アニメファン(筆者)の体感である。ゴールデンと深夜を組み合わせれば録画できるものの、深夜帯とはいえないアニメまで録画してしまうのでHDDを圧迫する。

お録りおきは、そのために確保するHDDの領域を300GB/560GB/810GBの3種類から選択できる。確保領域が小さければ、早く上限に到達し、古い番組が自動で削除されていく仕組みだ。

お録りおき設定のトップ

キーワードを登録しての自動予約録画やお録りおき設定は、どこから設定を始めればいいか、分かりにくかった。

前者は、メニューバーの「お気に入り」から、後者はホーム画面の設定から「本体設定」⇒「お録りおき」と辿ると設定できる。この他にも目的の設定が見つけ難かったり、お録りおきの録画番組一覧が「録画一覧」から見られず、ホーム画面の最下段からの閲覧になる点など、アプリの使いやすさは今後のアップデートで改善してほしいと感じた。

お録りおき設定のカスタム例

とはいえ、この感想もディーガユーザーならまた違った感触になるかもしれない。筆者は、シャープのDVDレコーダーで地デジ放送を録画し始め、ソニーのBlu-rayレコーダー「BDZ-AT900」に移行。今は「BDZ-FBW2000」を使用しており、アプリはVideo&TV SideViewだ。慣れているレコーダーが違えば、使い勝手の勘所も変わってくる。

録画した番組を宅内視聴する際は、筆者所有のiPhone 12 miniとiPad Pro 11インチ(M4)、どちらも同じビットレートと解像度で映し出された。選択肢は、3.5Mbpsの720p、もしくは2.0Mbpsの360pどちらか。宅内ネットワークの状況に応じて、2.0Mbpsを使うことはあるかもしれないが、基本は3.5Mbpsを選びたいところ。

3.5Mbps ならiPhone 12 miniの小さな画面では画質十分。11インチのiPad Proでは、少々粗さが気になるという感触。粗さといっても、ニュース番組のテロップが読みづらいとかそういうレベルではない。気軽に番組を見る分には支障ゼロだ。

番組名をタップして映像が始まるまでは、1秒程度の待ちがあるが、筆者的にはそれほどストレスはなかった。チャプター送りも、HDMIで接続されたレコーダーよりワンテンポ遅れるかな? という程度だ。

また、リアルタイムで放送中の番組を視聴することも可能だ。番組表から目的のタイトルを選んで視聴する。ビットレートと解像度は、前述の2種類となる。

リアルタイムで放送中の番組を宅内視聴用のデータに変換して送信する処理が挟まるため、「番組を見る」を選んでから数秒の待ち時間が発生する。これは筆者が使っているソニーのVideo&TV SideViewとほぼ同等の時間だった。miyottoが11秒、Video&TV SideViewが12~13秒ということで、体感的にはまったく同じ。Video&TV SideViewでは、720pが自動で選ばれており、ビットレートは明示がない。

ビットレートを下げずに、安定して通信(視聴)したいときは、バッファ量を大きくするのがオススメだ。設定の「録画番組」から「高度な設定」に入ると、バッファ量を「小さい(初期値)」から「普通」か「大きい」に変更できる。録画番組のカテゴリにある項目だが、リアルタイム視聴でもバッファを増やせば、映像が始まるまでの時間が増えるので、両方に有効な模様だ。

外出先から番組を見るリモート視聴機能も備わっている。自分のネットワークが外出先からでも視聴できる環境かをチェックする「リモート視聴チェック」は、UPnP設定などの宅内ネットワークの問題点を教えてくれる。筆者の環境は緑の丸印。推奨環境だった。外出先でWi-Fiに繋げて、リモート視聴できるなら安心だが、モバイルデーター通信で見るのは容量が心配だ。

そんなときに便利なのが、「持ち出し」である。何を隠そう、筆者がVideo&TV SideViewで使っている機能は専ら「おでかけ転送」と「外出先からの予約録画」の2つ。スマホに転送できるのは、深夜アニメのヘビーチェッカーとしてマストの機能だった。miyottoにも当然、この機能が備わっている。

何よりも感動したのは、ビットレートと解像度の高さ、つまり画質の良さである。予約録画する際に、持ち出し用のビットレートをあらかじめ設定できるのだが、その選択肢が豊富だ。150kbps(180p)、400kbps(180p)、650kbps(350p)、1.5Mbps(720p)、3.5Mbps(720p)の5段階から選ぶ。スマホの空き容量に不足がなければ、迷わず3.5Mbps(720p)を選ぼう。

持ち出し用のビットレート選択画面

miyottoから3.5Mbps(720p)で転送した映像とVideo&TV SideViewの2.0Mbps(VGA)を比較すると、字幕の滲み具合や、イラストの緻密さがまったく違った。ついでに色味まで自然ときては、パナソニックの映像変換技術の高さに脱帽である。この画質が高まった一点をもってして、個人的にはmiyottoの導入に王手!といっていい。

iPhone 12 miniの画面は476ppiというスペックとなっていて、最新のiPhone17/Pro/Pro Maxは460ppiとほぼ同等、画面が大きくなっても筆者が感じている高精細感は楽しめそうだ。なお、720pの3.5Mbpsで持ち出すと、30分番組でおよそ800MBを消費する。

画質が素晴らしいという話をしたが、手放しで絶賛できることばかりではなかった。転送速度の問題である。例えば、出勤前に昨晩録りためた番組を転送してから出発するケース。誰もが慌ただしいモーニングタイム、転送に掛かる時間は短い方がいい。

miyottoから、3.5Mbpsで設定した持ち出しデータを転送すると、所要時間に驚いた。筆者の環境は、スマホと繋がるWi-Fiルーターの有線LANポートにBlu-rayレコーダーとmiyottoを接続している。LANケーブルはボトルネックにならない製品をチョイスした。

しかし、転送速度に大きな差が出た。miyottoで30分751MBの番組を転送するのに掛かった時間は3分1秒。今までのBlu-rayレコーダーから30分402MBの番組を転送するのは22秒だった。

もしかして、100BASE-TXのLANポートが影響しているのかと思って、有線LANをやめて5GHzのWi-Fiで繋げたが、3分45秒と逆に伸びてしまった。

Wi-Fiルーターは「WNR-5400XE6」という2022年に発売したWi-Fi 6E対応モデル。miyottoはIEEE802.11a/n/acまで対応している。Wi-Fiであることが足を引っ張るとは思えない。いったい何がボトルネックになっているのか分からないが、持ち出しの転送速度は改善してほしいところだ。

なお、スマホやタブレット版アプリの便利機能として、バックグラウンド再生がある。画面をオフにしても、音声を再生し続ける機能で、ラジオのようにニュース番組やワイドショーなどを流しっぱなしにできる。

余談だが、転送したスマートフォンにスティックタイプのDACを繋げたときの挙動は個人的に嬉しいものだった。Video & TV SideViewは著作権保護のエラーが出てUSB-DACが使えなかったのだが、miyottoでは問題なくスティックDACから音が出る。これまで有線で聴けないから、やむなくBluetoothを使っていただけに、miyottoの株がまたひとつ上がった。

TV用アプリでも視聴してみよう

TV用アプリについても触れておこう。筆者のTVは、リビングにある「XRJ-48A90K」。スマートテレビとしてはGoogle TV(Android TV ver'12)が入っている。ネットワークには有線LANで接続しており、Wi-FiルーターのLANポートに繋いでいる。miyottoアプリは検索ですぐに見つかった。

Google TVでmiyottoアプリをインストール

初期設定は、既にアプリから済ませているので、ログインはQRコードのスキャンだけで簡単。miyottoの設定等はテレビアプリでも行なえるので、テレビでBlu-rayレコーダーのような活用がメインの方でも困ることはなさそう。

録画番組は、録画時の画質を上限として、いくつかのビットレートを選ぶことができる。DRを選ぶと、Blu-rayレコーダーで見ていたものと同等の画質が楽しめた。HDMIではなく、ネットワーク経由の伝送だがまったく問題を感じない。ただ、番組を再生するまではオリジナル画質でもワンテンポ遅れて始まる。

録画時の画質を上限として、いくつかのビットレートが選択できる

音声は、テレビからHDMIケーブルで繋がっているYAMAHAの「RX-V6A」にARCで送ってスピーカーから試聴したが、なんだか普段と異なる音だ。YAMAHAのアプリで入力されている音声フォーマットをチェックするとDolby Digital Plusだった。地上デジタル放送なので、本来はAACのはずだ。Blu-rayレコーダーから再生するときは写真のようにAAC 48kHzと表示される。

Blu-rayレコーダーから再生するとAAC 48kHzと表示されるのだが……
……miyottoではDolby Digital Plusになる

録画時の音声がDolby Digital PlusかオリジナルのAACかは、予約の際に選択肢がないので分からない。録音の仕様自体はMPEG-2 AACか、Dolby Digitalの2種類のようだ。Dolby Digital Plusに変換されるならテレビ側の仕様かもしれないと思って、ビットストリームを妨げそうな設定を片っ端から見直すが、変わらなかった。もしかしたら、筆者のテレビの仕様なのかも。

ビットストリームを妨げそうな設定を片っ端から見直すが、変わらなかった

「別にDolby Digital Plusでもいいのでは」、「AACだって圧縮音声でしょ」、と思われる方が大半だと思う。ただ、オリジナルのAACと比べると違いは大きい。

まず全体的に音の鮮度が落ちる。声のディテールは大味になって、奥行き感も損なわれてしまった。特に気になったのは、明らかに音量感が上がっている点。わずかにマスターリミッターが掛かったような変化がある。テレビ放送は、ラウドネス基準に基づく音作りが、結果としてダイナミクスを残した自然な音声トラックに繋がっているというメリットがある。その利点が活かせないのはもったいない。

続いてパソコンでの視聴を軽く触れる。パソコンやMacでの視聴は基本的にサポート外だ。見たい場合は「DiXiM Play U」という他社製アプリを有料で購入する。

同アプリはOSごとにサブスクリプションと買い切りがある。まとめていくつかのOSで使いたいときは、バリューセットを購入するとお得だ。体験版で1分間何度でも視聴できるから、動作確認を行なってから導入しよう。

サードパーティーアプリながら、レスポンスもサクサク快適。再生を押してから、動画が始まるまでの待ち時間も思ったより短くて日常使用にも問題ない。画質も申し分なかった。

PCの「DiXiM Play U」から見たところ。ライブ視聴画面
録画番組の一覧
録画の宅内視聴時のビットレート設定

ということで、ディーガを使ったことがない筆者が、ディーガ並みの録画再生機能を備えたmiyottoを使ってみた訳だが、率直に言って「テレビがメディアとしてまだまだ見られている限り、次のレコーダーは必然的にこうなるよね」と納得できるほどの実用性を備えていた。

もうしばらくはBlu-rayレコーダーも共存すると思われるが、そもそもテレビ番組をBlu-rayにダビングするという行為を昔ほどやらない自分がいる。

ダビングして、タイトルラベルをプリンターで印刷してという面倒な作業は、いつしか「とりあえず焼くだけ焼いて、無地のままケースに入れておく」という後ろめたい状況に陥っている。それに、焼いてもどうせ見ない。焼いて残しておきたいほどのアニメならBlu-rayを買っている。

ということで、ディスクメディアの先が明るいとはいえない状況も踏まえると、Blu-rayレコーダーはやがて終焉を迎え、細々とマニア向けの再生専用機が残り、録画再生はネットワークレコーダーが主流になる未来が訪れそうな気はする。(ハイエンドの再生専用機はどうか残して……)

miyottoは、長年のレコーダー製造で培った技術力と顧客のニーズを抑えたパナソニックが初めて世に出すネットワークHDDレコーダー。長文になった本稿も、実はすべての機能を解説できてはおらず、ニコニコ実況機能、テレビ番組情報ウェブサービス「ディモーラ」との連携など、ユニークな機能もまだまだある。

ニコニコ実況機能のコメント表示設定

DVDやBlu-rayレコーダーを使ってきた人も、配信サービスがメインでテレビは処分してしまった人も、どこの家にもあるアンテナコンセントとWi-Fi環境を使って、現代的なテレビライフをはじめてみてはいかがだろう。

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