オーストリア通行人刺殺事件、TikTok通じ「過激化」で犯行か

 オーストリア南部フィラッハで15日、シリア人難民の男が通行人をナイフで次々に襲って少年1人を殺害、5人を負傷させた事件で複数の捜査当局が17日、男が中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のコンテンツを通じて自ら急速に過激化し、犯行に及んだ可能性があるとの見方を示した。16日撮影(2025年 ロイター/Borut Zivulovic)

[ウィーン 17日 ロイター] - オーストリア南部フィラッハで15日、シリア人難民の男が通行人をナイフで次々に襲って少年1人を殺害、5人を負傷させた事件で複数の捜査当局が17日、男が中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のコンテンツを通じて自ら急速に過激化し、犯行に及んだ可能性があるとの見方を示した。

23歳の男の住居からは過激派組織「イスラム国」(IS)の旗が発見されたが、これまで特に当局の目を引き付けるような行動は見られておらず、いわゆるローンウルフ型の単独テロ行為を防ぐ難しさが浮き彫りになっている。

ティックトックはユーザーに興味を持つ分野のコンテンツを大量に提供する仕組みのため、専門家によるとその分野にのめり込む傾向が強まりやすい。

事件の捜査を担当しているクラーゲンフルト検察の広報担当者は「男は3カ月で自ら過激化した。オンラインないし対面で誰とも接触していなかった。犯行をそそのかした人物も存在しない。男は動画を視聴し、ISに加わりたいと決めたと供述している」と述べた。

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