暗黒物質「ダークマター」って一体なに?なぜ存在することが推定できる?その正体として疑われる素粒子とは(スペースチャンネル)

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ダークマターのイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

宇宙の約27%を占めるとされる「ダークマター(暗黒物質)」しかし、依然としてその正体は謎のままとなっています。本記事では、直接観測が困難であるダークマターとは一体なにか、そしてその正体として疑われている物質についてもご紹介していきます。

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■ダークマターとは何か?

ダークマターのイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

ダークマターは、光を放出せず、直接観測することができない物質です。目に見える通常の物質とは異なり、光や電磁波を発することがないため、望遠鏡では直接見ることができません。しかし、その重力的な影響により、銀河の回転速度や宇宙の大規模構造の形成を説明する重要な存在と考えられてきました。現在の主流の理論では、ダークマターは未知の素粒子によって構成されているとされていますが、その具体的な正体は長らく不明のままとなっています。

■ダークマターの存在証拠

渦巻銀河 出典:NASA

ダークマターは、以下のような天文観測によって存在が示唆されています。

  • 銀河の回転曲線問題: 銀河内の恒星の回転速度を測定すると、中心から遠ざかるほど減速するはずですが、実際には一定の速度を保っています。このことから、目に見えない「ダークマター」が重力的に影響を及ぼしていると考えられています。
  • 銀河団の質量推定: 銀河団の中に存在する物質の質量を計算すると、見える物質だけではその重力を説明できません。そこで、ダークマターが補完的な質量として存在していると推測されています。
  • 重力レンズ効果: 光が強い重力場によって曲げられる「重力レンズ現象」を観測すると、可視物質だけでは説明できないほどの重力場が存在することがわかります。これはダークマターが引き起こしていると考えられています。

■ダークマターの正体

ダークマターのイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)

ダークマターは光や電磁波と相互作用しないため直接観測することはできませんが、いくつかの理論がその正体を説明しようとしています。

  • WIMP(Weakly Interacting Massive Particles)仮説: ダークマターは非常に弱い相互作用を持つ重い粒子である可能性があります。これをWIMPと呼び、現在の実験ではその検出が試みられています。
  • アクシオン(Axion)仮説: 非常に軽い素粒子であり、電磁場との微弱な相互作用を持つ可能性があると考えられています。
  • 修正重力理論: ダークマターの存在を仮定せず、重力の法則自体を修正することで観測結果を説明しようとする理論も存在します。

ダークマターの正体が明らかになれば、宇宙の構造形成や進化の理解が大きく進展するだけでなく、物理学の標準模型を超える新たな理論の構築にもつながることが期待されます。さらに、未知の物理現象を解明することで、次世代のエネルギー技術や宇宙探査にも大きな影響を与える可能性があるのです。果たして、宇宙最大の謎が解明される日は近いのか、みなさんはどう思われますか?ぜひコメントお待ちしています。

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