米国で百日ぜきが猛威、1950年代以来の急速な流行拡大

Jessica Nix

  • 今年の感染者数は前年同期の2倍強、ワクチン接種率低下が背景

米国では今年に入って百日ぜきの感染者が急増しており、1950年代半ば以来最も速いペースで流行が拡大している。全米のワクチン接種率が低下していることが背景にある。

  米疾病対策センター(CDC)データによると、年初以来の感染者数は4月16日時点で8077人。前年同期(3847人)の2倍強となっており、50年ぶりの大規模流行となった2012年に匹敵する勢いとなっている。

  今年は既にルイジアナ州とアイダホ州、サウスダコタ州で計4人が死亡している。

  感染の拡大は、はしかの流行と重なっている。コロラド大学アンシュッツ医療キャンパスの小児科医デービッド・ヒギンズ氏は、ワクチンで予防できる子どもの感染症の中では通常、最初に流行して注意を促すのがはしかだが、最近では百日ぜきが目立つと指摘。はしかのワクチン接種率が低下しているということは、百日ぜきを含む他の接種率も同様に低下していると理解していると述べた。

  百日ぜきの症例数は1940年代にワクチンが開発されると減少したが、1980年代に再び増加。新型コロナウイルス禍の間は一時収まったものの、現在は年間の感染症例が1万件を超えるコロナ禍前の水準に戻りつつある。

原題:Whooping Cough on Track for Worst US Outbreak in 70 Years(抜粋)

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