立花孝志氏に情報提供、維新の会・兵庫県議3人が謝罪会見…「立花さんがデマを言ったとは認識していない」
兵庫県知事の内部告発問題で、日本維新の会は23日、調査報告書を公表し、県議3人が政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏への県議会百条委員会の音声データや文書の提供に関与したことを認定した。3人は神戸市内で記者会見を開いて謝罪。音声データとメモを提供した増山誠氏(46)は離党届を提出した。県組織の兵庫維新の会が3人の処分を検討する。
記者会見する日本維新の会の(左から)増山誠氏、岸口実氏、白井孝明氏(23日午後、神戸市中央区で)=宇那木健一撮影ほかの2人は岸口実氏(60)、白井 孝明(たかひろ) 氏(41)。岸口氏は百条委の副委員長、増山氏は委員だったが、すでに辞任した。
調査結果や3人の説明によると、増山氏は昨年10月下旬に立花氏と連絡を取り、知事選告示日の同31日、神戸市内のカラオケ店で面会。同月に非公開で行われた百条委の証人尋問で自身が録音した音声データと、備忘録として作成したメモを渡した。県議会の会議規則では、秘密会(非公開の会議)の内容は公表してはならないとされている。
音声データでは、片山安孝前副知事が、告発者の男性職員(昨年7月に死亡)の公用パソコンから「クーデター」との文言が書かれたメールが見つかったと証言。告発とは関係のない男性職員の私的情報に触れる発言をしようとして制止された場面が含まれていた。
メモには、公用パソコンに保存されていた男性職員の私的情報とする内容が記載されていた。
岸口氏は昨年11月1日、同市内のホテルで民間人とともに立花氏と面会。2人のうちどちらかが文書を提供した。文書は出所不明で、面会の直前、民間人の知人から受け取ったという。文書には、先月亡くなった竹内英明前県議について、斎藤元彦知事を陥れた「黒幕」などと記載されていた。
白井氏は立花氏と計3回電話し、立花氏から文書の内容を確認されるなどした。
3人はそれぞれ個別に立花氏と接触し、組織的な動きではないとしている。
今後、党内に第三者を入れた委員会を設置し、再発防止策を検討するという。
立花氏は選挙期間中、SNSで音声データとメモ、文書を公開。その後、SNS上で竹内氏ら百条委メンバーへの中傷が広がった。
県議3人は23日、記者会見で経緯を説明。増山氏は提供した理由として、「当時、何を言っても信じてもらえないくらい反斎藤の動きがメディアの中にあって、県民にファクトを知ってもらいたいという強い思いがあった」と主張した。
立花氏を提供先に選んだ理由は「発信力」とし、「今でも立花さんがデマを言ったとは認識していない」と話した。
岸口氏は「百条委では、我々の主張が全て通らなかった。公平性ある審議から 乖離(かいり) があるというのが正直な思いだった」と述べた。