中国商工会議所、医療機器メーカーのアクセス制限するEU措置に反発
- 「開放性、公平性、無差別のEUの原則と矛盾」と指摘
- 中国外務省報道官、EUに対し「市場ルールの順守」求める
欧州連合(EU)が中国医療機器メーカーによる域内の公共契約へのアクセスを制限する措置について、在EU中国商工会議所は3日、「深い失望」を示し、中国とEUの通商関係に悪影響を及ぼすとの警告を発した。
中国銀行、中国遠洋海運集団(COSCO)、電気自動車(EV)メーカーの比亜迪(BYD)などが加盟する同団体は「中国企業を標的にしたこの措置は、憂慮すべき兆候だ。中国とEUの経済・貿易関係に新たな複雑さを加えるだけでなく、市場アクセスにおける開放性、公平性、無差別というEUの原則と矛盾している」との声明を発表した。
また、「長年、欧州の医療機器企業は中国市場で広範なアクセスを享受し、中国の医療システム近代化を支援し、大幅な成長を実現する上で重要な役割を果たしてきた。EUの決定はこの文脈を認識しておらず、均衡のとれた関与と相互利益の精神を損なうものだ」と指摘した。
EU加盟国は2日、域内の公共調達契約への中国医療機器メーカーのアクセスを制限することで一致した。
米国のトランプ大統領が関税や防衛問題などでEUを疎外しようとする中、中国はEUとの関係を強化し、より信頼できるパートナーとしての地位を確立しようとしている。EUによる今回の措置は、両者の関係に新たな摩擦要因となる恐れがある。
中国の王文濤商務相は今月、パリでEUのシェフチョビッチ欧州委員(貿易・経済安全保障担当)と会談予定で、中国への公正なアクセスが確保されていないなどの不満を伝える可能性がある。欧州首脳陣は来月、北京で中国首脳陣と会談する予定だ。
中国外務省の林剣報道官は3日、北京での定例記者会見で、EUに対し市場ルールを順守するよう求めた。同氏は中国は自国企業の「正当な権利と利益」を「断固として守る」と強調した。
原題:Chinese Firms Warn EU Procurement Curb Could Hurt Trade Ties (1)(抜粋)