突然死を起こす「不整脈」の特徴は? ペースメーカーは小型化が進む

不整脈にはさまざまな種類がある。頻度の高い心房細動について解説した前回に続き、今回は徐脈(脈が遅くなる)や頻脈(脈が速くなる)、期外収縮(脈が不規則になる)の中で特に多いものを中心に取り上げる。ペースメーカーの小型化はどのくらい進んでいるのか? 突然死を引き起こす心室細動や、誰にでも見られる期外収縮にはどんな対応が必要なのか? 最新情報を、東京慈恵会医科大学附属病院循環器内科教授の山根禎一氏に聞いた。

>前編 潜在患者の多い「心房細動」 カテーテル治療は大きく進化

脈が遅くなる徐脈、速くなる頻脈、不規則になる期外収縮。それぞれ原因や対処法は異なる。(写真:PIXTA)

脈が遅くなる「徐脈」は進行するとペースメーカーが必要に

不整脈にはたくさんの種類があります。前回お聞きした「心房細動」のほかに、どんな不整脈があるのでしょうか。

山根氏(以下敬称略):不整脈は「徐脈」「頻脈」「期外収縮」の3つに大きく分けられます。

 このうち、心臓のポンプのような動きが減り、脈拍が遅くなって栄養や酸素が全身に送られなくなる不整脈を徐脈といいます。それとは反対に、脈拍が速くなるのが頻脈です。頻脈の中には突然死につながるような怖いタイプもあります。3つ目の期外収縮は脈拍のリズムが不規則になるもので、多くの場合、治療しなくても問題ありません。

まずは徐脈について教えてください。徐脈にはどんな種類があるのでしょうか。

山根:徐脈の中で多いのは、「洞不全症候群」と「房室ブロック」の2つです(図1)。

 心臓の上半分には2つの心房、下半分には2つの心室という左右4つの部屋があります。心臓の中で電気信号を出す、発電所のような役割を持つのが、右心房の上部にある「洞結節」です。洞不全症候群では洞結節の機能が落ち、十分なスピードで電気信号が出せなくなります。

 洞結節から出た電気信号は、心臓の中央辺りにある「房室結節」を経由して心臓全体に伝わり、それによって心臓が収縮・拡張します。洞結節から電気信号が出ているのに、通り道の房室結節でブロックされ、心室に伝わらなくなるのが房室ブロックです。その結果、徐脈が起こります。

図1 脈拍が遅くなる「徐脈」の主な種類

  • 洞不全症候群 電気信号を出す洞結節の機能が低下し、脈が減ってしまう
  • 房室ブロック 電気信号は出ているのに、通り道である房室結節でブロックされ、心室に伝わらない

(原図イラスト:PIXTA)

洞不全症候群や房室ブロックではどんな症状が現れるのでしょうか。

山根:徐脈になると心臓が十分に拍動しないので、栄養や酸素が全身に行き渡りません。軽いめまい程度で済む人もいますが、息苦しくなったり、失神したりする人もいます。患者さんの多くは、これらの症状を自覚して医療機関を受診し、心電図検査を経て診断されます。

 心電図検査にはいくつかの種類があります。最も一般的なのが、胸や手首、足首に電極をつけて調べる、「12誘導心電図検査」です。しかし、その最中に徐脈が現れるとは限らないので、機器を24時間装着する検査を行うこともあります(ホルター心電図)。検査中に心臓が数秒止まっていることが分かったりして、診断につながるわけです。

 徐脈に対しては、薬物療法の効果が不十分です。そのため進行すると、「ペースメーカー」という小さな機械を体内に植え込み、心拍を補う治療を行います。

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「人の名前が出てこない」「判断力が鈍った」──年齢を重ねるにつれ、こうした「脳の老化」を感じる人は多いだろう。実は、脳の老化スピードは個人差が大きいとされている。年を重ねてもはつらつと活動的な人もいる。その差を生み出すものは何なのか。本特集では、脳の発達や加齢のメカニズムを研究する東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏への取材を基に、脳を若く維持する秘訣を紹介していく。

瀧靖之(たき やすゆき)氏 東北大学加齢医学研究所臨床加齢医学研究分野教授、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター長

1993年東北大学理学部卒業、同年東北大学医学部入学。2003年東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。東北大学助手、助教、准教授を経て、2012年より東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授、2013年より現職。医師、医学博士。専門は画像診断、画像医学、脳発達・加齢。大規模脳画像データベースを用いて、脳の発達や加齢のメカニズムを研究。これまでに読影や解析をした脳のMRI画像は延べ16万人に上る。10万部を超えるベストセラー『生涯健康脳』(ソレイユ出版)、『脳医学の先生、頭がよくなる科学的な方法を教えて下さい』(日経BP)など著書多数。東北大学発のスタートアップ株式会社CogSmart代表取締役CSO(最高科学責任者)を務める。

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朝の過ごし方は人によってさまざまだ。朝からしっかり食べて精力的に動いている人もいれば、朝食を抜いてあわただしく出かける人、ぼんやりと過ごす人もいる。だが、朝の時間の使い方次第で、生活の質も、病気の発症リスクも変わる可能性がある。本特集では時間栄養学に基づき、朝から健康的でアクティブな1日を送るための「最適な朝習慣」を解説していく。

田原優(たはら ゆう)氏 広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学教室 准教授

早稲田大学理工学部、同大学大学院先進理工学専攻卒業。博士(理学)。早稲田大学高等研究所助教、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部助教、早稲田大学理工学術院准教授を経て、2022年より現職。時間栄養学を専門とし、常にヒトへの応用を目指して基礎研究に携わっている。

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健康な体の土台となる骨。だが、日本では40歳以上の約1590万人が骨粗しょう症と推定されている。骨がスカスカになってもほとんど自覚症状はないため、骨折して初めて病気の進行に気づく人が少なくない。骨粗しょう症は命を落とす病気ではないと軽く見る人や、男性には無関係だと誤解している人も多い。本特集ではそのような誤解を解き、人生100年時代に知っておきたい骨を強くして骨粗しょう症を防ぐための方法を紹介する。

萩野浩(はぎの ひろし)氏 日本骨粗鬆症学会理事長/山陰労災病院院長

1982年鳥取大学医学部卒業、88年同大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。米国クレイトン大学骨粗鬆症センター留学、鳥取大学医学部整形外科講師、同大学医学部リハビリテーション部助教授、同大学医学部保健学科教授、山陰労災病院副院長などを経て、2024年より現職。鳥取大学名誉教授。日本骨粗鬆症学会理事長。専門は、骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。

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最近まで自由自在に歩き回っていたのに、転倒による骨折がきっかけで、ある日突然寝たきりを余儀なくされた末、命を落とす――。こうした事態を避けるには、気づかぬうちに骨が弱くなる骨粗しょう症や、骨折の直接の原因となる転倒を予防することが重要だ。骨は日々新陳代謝を繰り返して入れ替わっており、食事の改善や運動により劣化のスピードを遅めたり、転倒を予防したりできる。第3回の今回は、骨を守るために今日からできる運動と食事を紹介する。

(写真:PIXTA)

骨吸収と骨形成のバランスが崩れると骨粗しょう症に

 骨粗しょう症は、骨量の過度の減少などによって骨の中がスカスカになり、骨折を起こしやすくなる病気だ。私たちの体の骨は、破骨細胞が古くなった骨を溶かす「骨吸収」と、骨芽細胞が新しい骨を作る「骨形成」を繰り返す「骨代謝(骨のリモデリング)」によって、常に生まれ変わっている。しかし、そのバランスが崩れ、骨吸収に骨形成が追いつかなくなると、骨が弱くなり骨粗しょう症になってしまう(図1)。

図1 骨粗しょう症では「骨吸収」が「骨形成」を上回る

骨粗しょう症では骨を壊す「骨吸収」が骨を作る「骨形成」を上回るため、骨が劣化する。(イラスト:堀江篤史)

 この病気が怖いのは、本人が気づかないうちにいつの間にか背骨が折れてつぶれることがあること。折れてしまうと胸部が圧迫され、心肺機能が低下してしまう。また、ある日突然、転倒をきっかけに股関節を骨折して歩けなくなり、寝たきりや死亡につながる恐れもある。骨粗しょう症を進行させる大きな要因の一つが加齢で、性別を問わず誰でも、50歳前後を境に年齢が上がるほど骨が弱くなる。

 ただ、「高齢になったら骨を強くできないので何をしてもムダだ」と考えているとしたら、それは間違いだ。日本骨粗鬆症学会理事長で山陰労災病院院長の萩野浩氏は、「骨粗しょう症と診断されてからは、食事や運動だけで骨密度を正常レベルに戻すことはできませんが、そこまで悪化していない人であれば、食事や運動で骨密度を上げたり、骨密度低下のスピードを遅くしたりすることは可能です」と話す。

 また、骨折を引き起こす転倒を防ぐための対策も大切だとしたうえで、「たとえ骨粗しょう症になったとしても、骨折しなければいいわけです。転倒を防ぐための対策は何歳になっても有効です」と語る。

 骨の劣化を少しでも遅らせ、骨折や寝たきりを防ぐにはどうしたらよいのだろうか。今回は骨粗しょう症や骨折から骨を守る方法について解説する。

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萩野浩(はぎの ひろし)氏 日本骨粗鬆症学会理事長/山陰労災病院院長

1982年鳥取大学医学部卒業、88年同大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。米国クレイトン大学骨粗鬆症センター留学、鳥取大学医学部整形外科講師、同大学医学部リハビリテーション部助教授、同大学医学部保健学科教授、山陰労災病院副院長などを経て、2024年より現職。鳥取大学名誉教授。日本骨粗鬆症学会理事長。専門は、骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。

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健康な体の土台となる骨。だが、日本では40歳以上の約1590万人が骨粗しょう症と推定されている。骨がスカスカになってもほとんど自覚症状はないため、骨折して初めて病気の進行に気づく人が少なくない。骨粗しょう症は命を落とす病気ではないと軽く見る人や、男性には無関係だと誤解している人も多い。本特集ではそのような誤解を解き、人生100年時代に知っておきたい骨を強くして骨粗しょう症を防ぐための方法を紹介する。

高齢者が骨折すると、何が起こるか

 「骨粗しょう症は骨折を招くかもしれないが命には関係ない」「女性はなりやすいが男性には関係ない」――そう考える人も少なくないだろう。それは大きな誤解なので、あるケースを紹介することから始めたい。

 82歳の男性Aさんは、大学時代は柔道部だったというだけあって体格が良く、健康には自信があった。ところがある日、室内で重い物を持とうとしたときによろけて、尻もちをつき、痛くて起き上がれなくなった。息子のBさんがすぐに救急車を呼び、搬送先の病院で「骨粗しょう症による腰椎の圧迫骨折で、手術が必要」と診断された。

 「だいぶ前から腰痛はひどかったけど、骨は強いと思っていたから、まさか自分が骨粗しょう症だなんてショックだったよ。頑張ってリハビリをしてすぐに家に帰るから、心配するな」

 手術後、家族にそう話していたAさんだったが、入院中に肺炎になって安静を強いられたために歩けなくなり、急激に体力が低下して話もできなくなった。肺炎が重症化して人工呼吸器が必要になり、回復しないまま、骨折から約2カ月後に息を引き取った。

 「少し腰は曲がっていて高血圧だったとはいえ、80代になっても元気だった父が、こんなにあっけなく亡くなるなんて……。家での骨折をきっかけに父が急激に衰え、亡くなったことをしばらく受け入れられませんでした」とBさんは語る。

(イラスト:堀江篤史)

脳卒中と同じく怖い! 要介護や死亡リスクを高める“骨卒中”

 人体には約200個の骨が存在し、体を支えて姿勢を維持し、脳や心臓など大事な臓器を保護している。私たちの体の骨は、破骨細胞が古くなった骨を溶かす「骨吸収」と、骨芽細胞が新しい骨を作る「骨形成」を繰り返す「骨代謝(骨のリモデリング)」によって強度を維持し、3~5年ですべて入れ替わっている。

 骨粗しょう症は、加齢によるカルシウム吸収力の低下やホルモンバランスの変化などによって、骨が破壊される骨吸収が骨形成を上回り、骨の中がスカスカになって骨折を起こしやすくなる病気だ。

「健康な骨」(左)と「骨粗しょう症の骨」(右)

健康な椎体(背骨の一部、写真左)の断面は緻密で、カルシウムが蓄えられている。骨粗しょう症(写真右)になると骨量が減少して、大根などに「す(鬆)」が入るように空洞が多くなり、骨がもろくなる。(写真提供/浜松医科大学名誉教授・井上哲郎氏)

 病気が進行してもほとんど自覚症状がないうえ、「骨折のリスクが高まる」といわれても危機感を持ちにくいせいか、軽く見る人も少なくない。だが、骨粗しょう症が怖いのは、背骨の一部がいつの間にかつぶれてしまう脊椎椎体骨折や股関節が折れる大腿骨近位部骨折によって介護が必要になったり死亡したりするリスクが高まるためだ。

大腿骨近位部骨折

脊椎椎体骨折

(イラスト:堀江篤史)

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    「20代の頃はあんなにスリムだったのに…」――。こう言われて、秘かに心を痛めている人は少なくない。年を取ってくると気になってくるのは、やはりお腹周り。そのお腹にたまっているのは、生活習慣病の元凶となる「内臓脂肪」だ。内臓脂肪が増えてくると、どんな病気のリスクが出てくるのか。ぽっこりお腹は、お酒の飲み過ぎが原因なのか。そんな疑問に答えつつ、中年太りを解消するのに適した食事や運動も紹介する。

  • のどの老化はいつから始まる? 健康度を知って早めに対策

    シニアになると、飲み込む力が衰える「のどの老化」が気になる。飲み込む力が衰えると、食べ物が気管や肺に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」を起こしやすくなるからだ。なぜ、誤嚥が起こるのか、のどの老化はどうやってチェックするのか、どういう人が要注意なのか、専門家に尋ねてみよう。

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人生100年時代に知っておきたい、骨を強くして将来の寝たきりを防ぐための方法を取り上げる本特集。骨粗しょう症になると骨が劣化し、骨折しやすくなるばかりか、動脈硬化を進めて命を縮めるリスクがある。男女問わず誰もが年齢とともに骨密度が低下するが、特に骨が劣化しやすいのはどのような人なのだろうか。2回目の今回は、骨粗しょう症のリスクについて解説する。

(元イラスト:PIXTA)

骨粗しょう症が原因で、股関節や背骨が折れる

 私たちの体を支える大切な骨を気付かぬうちにむしばんでいく「骨粗しょう症」。これは、加齢によるカルシウム吸収力の低下やホルモンバランスの変化などによって、骨の中がスカスカになって骨折を起こしやすくなる病気だ。

 骨粗しょう症による骨折。最も多い部位は背骨(脊椎椎体骨折)、続いて股関節(大腿骨近位部骨折)だ(*1)。

骨粗しょう症による骨折で最も多いのは「脊椎椎体骨折」、続いて「大腿骨近位部骨折」だ(*1)。(イラスト:堀江篤史)

 「中でも股関節が折れる『大腿骨近位部骨折』は、寝たきりにつながる危険性の最も高い骨折であり、この骨折を起こした人の95%は手術が必要で、うち5人に1人が1年以内に亡くなることが分かっています」と日本骨粗鬆症学会理事長で山陰労災病院院長の萩野浩氏は言う。これらの人たちの主な死因は心臓病、肺炎、脳血管疾患などで、その背景には、骨粗しょう症が動脈硬化を進行させ、心臓病や脳血管疾患の発症リスクを上げるということもある。

 一方、背骨の一部がいつの間にかつぶれてしまう「脊椎椎体骨折」の患者数は約48.9万人だが、「これは痛みがあって受診した人の数であり、実際にはこの3倍患者がいると推定されている」(萩野氏)という。こちらの骨折も、介護が必要になったり死亡したりするリスクが高まる。脊椎椎体骨折を起こすと、健康な人に比べて8.6倍死亡リスクが上昇するとの報告(*2)もある。

 こうした事態をできるなら避けたいと思う人は多いだろう。そのためにはまず、どんな生活習慣が骨粗しょう症のリスクを高めるのかを知ることが重要だ。次ページからは、骨粗しょう症になりやすいのはどういう人か、また忍び寄る骨粗しょう症をいち早く見つけるためにすべきことは何かについて解説していく。

*1 Yonago Acta Medica. 2021;64(2):147–154. *2 Osteoporos Int. 2000;11(7):556-561.

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体内時計をリセットして生活リズムを整える、「最強の朝習慣」を探る本特集。今回のテーマは「朝食」だ。朝は時間がない、用意するのが面倒、などという理由で朝食を抜きがちな人もいるだろう。だが、「たかが朝食」とあなどってはいけない。時間栄養学を基にした朝食をとるタイミングとは? 最適な朝食のメニューとは? 具体的に見ていこう。

「何をどのくらい」食べるかより、「いつ」食べるかが大事

 「朝昼晩、健康的な食事をしっかり3食とる」。この「3食」のうち、一番ハードルが高いのは朝食ではないか。忙しくて朝食をつくることができなかったり、食べるのを忘れたりすることがよくあるからだ。加えて朝食は、昼食や夕食と比べ、「いつ」「何を」「どのくらい」食べればいいか、分かりにくい面がある。例えば、「バナナ1本で済ませている」「パンと目玉焼きが定番」という人は、それでいいのだろうか。

 時間栄養学や体内時計に関する研究を行う、広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学教室准教授の田原優氏によると、1日の食事の中で特に重視すべきなのは「朝食」だという。「もちろん朝食の内容や量もおろそかにできません。しかし、何よりもまず、『朝起きたら食べる』という習慣を持つことが大切です」と田原氏は話す。

(写真はイメージ:PIXTA)

 なぜ朝食を重視すべきなのか。その背景には、人間が生まれながらに持つ、「体内時計」が関わっている。第1回でも解説したが、私たちの体は、1日24時間ではなく、「少し長め」のサイクルで動いている。そのため、生活リズムを日々リセットして24時間に合わせなければ、体内時計が乱れ、体調を崩しやすくなる。さらに、体内時計が乱れている人は、肥満になりやすく、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクも高くなる。

 体内時計をリセットするためのトリガーとなる刺激が「」と「食事(朝食)」ということは、第1回で説明した。では、朝食と体内時計にどんな関係があるのか。体内時計のリセット効果をさらに高めるには、どんな朝食がいいのか。今回は朝食に関するこれらの疑問を解消し、朝からギアを上げて過ごすためのポイントを見ていこう。

朝食が体内時計を動かし、心身を活動モードに切り替える

 皆さんもご存じの通り、昔から「朝食をとることが大事」だと言われてきた。朝食による効果の一例は下表の通りだ。

朝食によって期待できる主な効果

  • 体温が上がる
  • 代謝が上がる
  • 1日を通して血糖値を上がりにくくする
  • 交感神経のスイッチを入れ、心身を活動モードに切り替える
  • 「夜型」の生活リズムになるのを防ぐ

 朝食をとった後、変化を実感しやすいのは「体温」だろう。皆さんも、食事をとると体が少し温まった、という経験はないだろうか。これは「食事誘発性体熱産生」という仕組みによるものだ。食べること自体に体温を上げる作用があり、夕食よりも朝食のほうが体温上昇の効果が高いことが分かっている。

 朝食には、肝臓をはじめとする全身の「末梢時計」(詳しくは第1回を参照)を動かす作用もある。肝臓は体内の物質を分解・合成する「代謝」の機能を担う臓器だ。この肝臓は、朝食によって代謝が上がり、エネルギーを消費しやすくなる。「朝食を抜くと太る」と言われるのはこのためで、太りにくい体をつくる意味でも朝食は重要だ。

 さらに、朝食は「自律神経」との関わりも深い。自律神経とは、呼吸や消化、血圧など、生命を維持するために必須の機能をつかさどるシステムのこと。そして自律神経の1つである「副交感神経」は、寝ている間に優位になり、心身ともにリラックス状態となるが、そこで朝一番、「活動するぞ」というスイッチを入れるのが朝食だ。起床して朝食をとると「交感神経」が優位になり、心身がアクティブな状態になる。

 「だから朝食をきちんととる人は、午前中からパフォーマンスが上がりやすくなります。一方、朝食を抜くと副交感神経が優位なままなので、午前中はパフォーマンスが低く、頭がぼーっとして仕事がはかどりにくいのです。朝食を抜いた状態が続くと、他にも悪い影響が出てくるので、朝食はきちんととりましょう」(田原氏)

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朝の過ごし方は人によってさまざまだ。朝からしっかり食べて精力的に動いている人もいれば、朝食を抜いてあわただしく出かける人、ぼんやりと過ごす人もいる。だが、朝の時間の使い方次第で、生活の質も、病気の発症リスクも変わる可能性がある。本特集では時間栄養学に基づき、朝から健康的でアクティブな1日を送るための「最適な朝習慣」を解説していく。

田原優(たはら ゆう)氏 広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学教室 准教授

早稲田大学理工学部、同大学大学院先進理工学専攻卒業。博士(理学)。早稲田大学高等研究所助教、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部助教、早稲田大学理工学術院准教授を経て、2022年より現職。時間栄養学を専門とし、常にヒトへの応用を目指して基礎研究に携わっている。

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朝の過ごし方は人によってさまざまだ。朝からしっかり食べて精力的に動いている人もいれば、朝食を抜いてあわただしく出かける人、ぼんやりと過ごす人もいる。だが、朝の時間の使い方次第で、生活の質も、病気の発症リスクも変わる可能性がある。本特集では時間栄養学に基づき、朝から健康的でアクティブな1日を送るための「最適な朝習慣」を解説。それに欠かせない「朝食や運動」についても詳しく言及していく。初回は、体の不調に直結する体内時計のメカニズムを解説しながら、朝時間の重要性を改めて考える。

「朝から元気で若々しい人」と「朝から気だるく不健康に見える人」

(写真はイメージ:PIXTA)

 「1日の計は朝にあり」――。日本にはこんなことわざがあり、最近では「朝活」という言葉も定着した。読者の皆さんの周りにも、「どうして朝からそんなに元気なの?」と言われるような人はいないだろうか。朝から活動的な人は皆、元気で若々しい。

 一方で、「朝が大事」と頭では分かっていても、気だるさが先立って、朝の時間を有効に使えていない人もいるのではないか。例えば、仕事をリタイアして、朝からテレビをつけて何となくぼーっと過ごしていないだろうか。仕事がある人なら、平日は朝食抜きでバタバタと出かけていないだろうか。

 「朝から元気で若々しい人」と、「朝から気だるく不健康に見える人」の差は何か。それは、眠りから目覚め、朝食をとり、身支度をするまでの「朝時間」の使い方ではないか。「朝から体がだるい」「しっかり寝たのに疲れが取れない」「朝は頭がぼーっとしている」という人は、朝の過ごし方を改善しよう。

(原図:PIXTA)

体内時計が乱れると、さまざまな病気のリスクが上がる

 「生活リズムの乱れは、軽い体調不良では済まなくなることもあり、軽視してはいけません」。こう指摘するのは、広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学教室准教授の田原優(たはらゆう)氏だ。田原氏は、体に備わる「体内時計」やそれを考慮した栄養学「時間栄養学」を専門とする研究者だ。

 私たちの体の中には、「体内時計」と呼ばれる1日のリズムを刻むメカニズムがある。「ある実験では、一般的なマウスの寿命は2~3年ですが、体内時計が乱れたマウスは1年あまりで死んでしまうという結果になりました。体内時計が乱れたマウスは、肥満や高血圧など、さまざまな病気になりやすく、寿命も短くなっています」と田原氏は話す。

 これは動物実験の結果だが、大規模な疫学的調査においても、生活リズムが不規則で体内時計が乱れている人は、肥満になりやすく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病のリスクが高いことが分かっている。つまり、体内時計の乱れは健康面で悪い影響を及ぼすため、放っておいてはいけないのだ。

体内時計の乱れがもたらす悪影響の例

(イラスト原図:PIXTA)

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「人の名前が出てこない」「判断力が鈍った」──年齢を重ねるにつれ、こうした「脳の老化」を感じる人は多いだろう。実は、脳の老化スピードは個人差が大きいとされている。年を重ねてもはつらつと活動的な人もいる。その差を生み出すものは何なのか。本特集では、脳の発達や加齢のメカニズムを研究する東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏への取材を基に、脳を若く維持する秘訣を紹介していく。

(写真:PIXTA)

脳の老化スピードが速い人・緩やかな人、その差はどこに?

 同じ年齢でも若々しく見える人もいれば、年齢以上に老けて見える人もいる。これと同じことが、脳についても言えるのだという。

 「私たちの脳は一定の発達を遂げると、神経細胞などの数が徐々に減って体積が減少し、萎縮していきます。それに伴い、考える、判断する、記憶するといった『高次認知機能』の低下も進んでいきます。加齢による脳の変化は誰にでも起こるものですが、変化のスピードには個人差が大きいことが分かっています」

 こう話すのは、東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏だ。瀧氏は脳の発達や老化を専門とする脳医学者で、これまで16万人以上の脳のMRI画像を読影・解析してきた。ここで、瀧氏に提供してもらった脳MRI画像で「脳の老化の個人差」を見てみよう。

図1 60歳男性2人の脳MRI画像

同じ年齢でも、脳の萎縮度合いが大きく異なる。(画像:瀧靖之氏提供)

 AさんとBさんともに60歳。2人の画像を見比べてみると、大きな違いがある。中央部にX状に黒く映っている「脳室」という部分が、Bさんのほうが大きい。さらに脳の表面を取り巻く「脳溝」も、Bさんの方が大きくなっているのが分かる。これは、脳室や脳溝の周辺の脳が萎縮して、空間が拡大していることを示している。Aさんの脳は60歳という年齢相応のものであるのに対し、Bさんの脳は年齢相応の人よりも萎縮が進んでいると考えられるという。

 同じ年齢でも、脳の萎縮度にこれほど差が生じるのはなぜか。その背景には生活習慣の影響が大きいと、瀧氏は指摘する。「私たちの研究所では、脳のMRI画像を基に、脳の形態や機能、認知力、遺伝子や生活習慣などの情報をデータベース化して、脳の発達や加齢との関連を研究しています。膨大なデータを解析していく中で、脳の萎縮を促す要因や、脳の萎縮スピードを抑える要因には、生活習慣が大きく関わることが分かってきています」

 さらに、近年の研究からは、加齢による脳の変化は避けられない一方で、脳の機能は何歳からでも向上でき、新たな能力を獲得することも可能であることが分かってきた。この“脳力”の成長にも、生活習慣や日ごろの過ごし方が大きく関わってくるという。

 どんな生活習慣が、脳を若く維持したり、成長させたりするのかは第2回、第3回で解説する。今回は、加齢によって脳ではどんな変化が起こっていくのか、その変化にはどんな要因が関連するのかについて、瀧氏に解説していただこう。

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「人の名前が出てこない」「判断力が鈍った」──年齢を重ねるにつれ、こうした「脳の老化」を感じる人は多いだろう。実は、脳の老化スピードは個人差が大きいとされている。年を重ねてもはつらつと活動的な人もいる。その差を生み出すものは何なのか。本特集では、脳の発達や加齢のメカニズムを研究する東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏への取材を基に、脳を若く維持する秘訣を紹介していく。

瀧靖之(たき やすゆき)氏 東北大学加齢医学研究所臨床加齢医学研究分野教授、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター長

1993年東北大学理学部卒業、同年東北大学医学部入学。2003年東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。東北大学助手、助教、准教授を経て、2012年より東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授、2013年より現職。医師、医学博士。専門は画像診断、画像医学、脳発達・加齢。大規模脳画像データベースを用いて、脳の発達や加齢のメカニズムを研究。これまでに読影や解析をした脳のMRI画像は延べ16万人に上る。10万部を超えるベストセラー『生涯健康脳』(ソレイユ出版)、『脳医学の先生、頭がよくなる科学的な方法を教えて下さい』(日経BP)など著書多数。東北大学発のスタートアップ株式会社CogSmart代表取締役CSO(最高科学責任者)を務める。

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脳の老化スピードには個人差があり、年齢以上に脳の機能が衰えていく人もいれば、年齢を重ねても若々しい脳を維持できる人もいる。この個人差に大きく関わるのが「生活習慣」だ。今回は日々の会話・コミュニケーションや、主観的幸福感、趣味・好奇心が脳にどのような影響を与え、脳の活性化や機能の維持向上につながるのか、東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏に聞いていく。

(写真:PIXTA)

会話・趣味・幸福感…脳に働く「3つの刺激」

 年齢を重ねれば、脳のパフォーマンスが衰えてくるのは仕方がないこと──もの忘れをすることが多くなったり、人の名前がとっさに出てこなかったり、集中力の低下を実感したりすると、そんな諦めを抱きがちだ。しかし、脳の発達や加齢のメカニズムを研究する東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之氏はこう断言する。

 「脳には『可塑性』と呼ばれる変化し続ける力があります。中高年からでも、高齢になってからでも、脳機能の維持向上につながる生活習慣を心がけ、脳に適切な刺激を与え続けることで、低下したパフォーマンスを改善したり、『脳力』を高めたりすることは不可能ではありません

 瀧氏らの研究所をはじめとする国内外の様々な研究報告によって、脳を若く保つために重要なポイントは6つあることが分かっている。運動、食事、睡眠、会話・コミュニケーション、主観的幸福感、趣味・好奇心だ。

 前回 脳の老化を食い止めるには、どんな食事・運動・睡眠がいい? は、運動、食事、睡眠の知っておきたいポイントについて紹介した。今回は、残りの3つである会話・コミュニケーション、主観的幸福感、趣味・好奇心について、脳を若く保つポイントを紹介する。運動、食事、睡眠に加えてこの3つも意識することで、より脳萎縮を抑える効果が期待できる。これらはなぜ脳に良い刺激をもたらすのか。その理由や、脳機能の維持向上に適切な刺激を与える具体的な方法について、引き続き瀧氏に解説していただく。

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不整脈にはさまざまな種類がある。頻度の高い心房細動について解説した前回に続き、今回は徐脈(脈が遅くなる)や頻脈(脈が速くなる)、期外収縮(脈が不規則になる)の中で特に多いものを中心に取り上げる。ペースメーカーの小型化はどのくらい進んでいるのか? 突然死を引き起こす心室細動や、誰にでも見られる期外収縮にはどんな対応が必要なのか? 最新情報を、東京慈恵会医科大学附属病院循環器内科教授の山根禎一氏に聞いた。

>前編 潜在患者の多い「心房細動」 カテーテル治療は大きく進化

脈が遅くなる徐脈、速くなる頻脈、不規則になる期外収縮。それぞれ原因や対処法は異なる。(写真:PIXTA)

脈が遅くなる「徐脈」は進行するとペースメーカーが必要に

不整脈にはたくさんの種類があります。前回お聞きした「心房細動」のほかに、どんな不整脈があるのでしょうか。

山根氏(以下敬称略):不整脈は「徐脈」「頻脈」「期外収縮」の3つに大きく分けられます。

 このうち、心臓のポンプのような動きが減り、脈拍が遅くなって栄養や酸素が全身に送られなくなる不整脈を徐脈といいます。それとは反対に、脈拍が速くなるのが頻脈です。頻脈の中には突然死につながるような怖いタイプもあります。3つ目の期外収縮は脈拍のリズムが不規則になるもので、多くの場合、治療しなくても問題ありません。

まずは徐脈について教えてください。徐脈にはどんな種類があるのでしょうか。

山根:徐脈の中で多いのは、「洞不全症候群」と「房室ブロック」の2つです(図1)。

 心臓の上半分には2つの心房、下半分には2つの心室という左右4つの部屋があります。心臓の中で電気信号を出す、発電所のような役割を持つのが、右心房の上部にある「洞結節」です。洞不全症候群では洞結節の機能が落ち、十分なスピードで電気信号が出せなくなります。

 洞結節から出た電気信号は、心臓の中央辺りにある「房室結節」を経由して心臓全体に伝わり、それによって心臓が収縮・拡張します。洞結節から電気信号が出ているのに、通り道の房室結節でブロックされ、心室に伝わらなくなるのが房室ブロックです。その結果、徐脈が起こります。

図1 脈拍が遅くなる「徐脈」の主な種類

  • 洞不全症候群 電気信号を出す洞結節の機能が低下し、脈が減ってしまう
  • 房室ブロック 電気信号は出ているのに、通り道である房室結節でブロックされ、心室に伝わらない

(原図イラスト:PIXTA)

洞不全症候群や房室ブロックではどんな症状が現れるのでしょうか。

山根:徐脈になると心臓が十分に拍動しないので、栄養や酸素が全身に行き渡りません。軽いめまい程度で済む人もいますが、息苦しくなったり、失神したりする人もいます。患者さんの多くは、これらの症状を自覚して医療機関を受診し、心電図検査を経て診断されます。

 心電図検査にはいくつかの種類があります。最も一般的なのが、胸や手首、足首に電極をつけて調べる、「12誘導心電図検査」です。しかし、その最中に徐脈が現れるとは限らないので、機器を24時間装着する検査を行うこともあります(ホルター心電図)。検査中に心臓が数秒止まっていることが分かったりして、診断につながるわけです。

 徐脈に対しては、薬物療法の効果が不十分です。そのため進行すると、「ペースメーカー」という小さな機械を体内に植え込み、心拍を補う治療を行います。

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トイレに行く頻度が多く、長時間の会議や移動の前は不安、歩いているときに急に尿意が生じ漏れそうになる…。こんな症状に困っているものの、年齢のせいとあきらめて、尿トラブルを放置している人は意外に多いのではないだろうか。しかし、尿のお悩みの中には、症状に合った適切な対策をとりさえすれば、わざわざ医療機関に行かずとも、生活習慣の見直しや体操などセルフケアで改善できるものが少なくない。過去の人気記事を基に症状別の対策を紹介するので、試しにやってみよう。

テーマ別特集「尿の悩みの解消法」この記事の主な内容 尿トラブルは大きく3タイプに分けられる 尿トラブルのタイプ別、おすすめの対策 こまめにトイレは頻尿のもと! 「膀胱訓練」で容量を増やそう 「夜間頻尿」もセルフケアで改善することが多い

 尿の悩みと一口に言ってもさまざまだが、最も多いのは頻尿だ。排尿障害に対する全国的な疫学調査によると、昼間8回以上排尿する「昼間頻尿」のある人は50.1%、夜に1回以上トイレに行く「夜間頻尿」も69.2%の人に見られた(*1)。

 そのほかの症状では、急に尿がしたくなる「尿意切迫感」は男性15.8%、女性12.5%、尿が出にくい「尿勢低下」は男性37.0%、女性18.1%が、その症状を週1回以上の頻度で経験していた。くしゃみをしたときに漏れる「腹圧性尿失禁」は男性3.0%、女性12.6%と女性のほうが多いが、それでもほぼすべての症状において男女ともに50、60代あたりから悩む人が増えていた。

図1 男性も女性も中高年になると増える「尿の悩み」

全国の健康な40歳以上の男女4570人(平均年齢60.6歳)を対象に、排尿障害に関する調査を行ったところ、何らかの尿の悩みを抱える人は多かった。(データ:日本排尿機能学会誌 14 (2), 266-277, 2003)

 「排尿障害の治療では、排尿習慣や生活習慣を見直していく行動療法が効果を上げます。症状や要因にもよりますが、生活習慣を見直したり、骨盤底筋トレーニングや膀胱訓練を行ったりすることにより、漏れる量を減らす、漏れにくくする、といったことが可能です」と言うのは東北大学大学院医学系研究科保健学専攻教授の吉田美香子氏だ。

 人生100年時代、できるだけ長くアクティブに過ごしていくために、主な尿のお悩みの症状や改善策について、正しく知ろう。

*1 日本排尿機能学会誌 14 (2), 266-277, 2003.

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「詐欺と脳の仕組み」に関する問題

【問題】ちまたに横行する「特殊詐欺」。人が特殊詐欺でだまされるときの説明で、以下のうち間違ったものはどれ?

  • (1)特殊詐欺は、人の脳の仕組みを利用した犯罪である
  • (2)ストレスフルな情報で、思考できなくするのが常套手段だ
  • (3)高齢になるほど引っかかりやすいのは脳の機能低下が関係している
  • (4)特殊詐欺では、相手の不安をあおる手法が唯一使われる手口だ

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65歳の誕生日を迎えれば、誰もが「前期高齢者」となり、多くの企業戦士は前線から離脱、社会保険の行政上の扱いも変わるが、当の本人は「昨日の自分とまったく変わっていないのに」と困惑する。そんなチグハグさの解消を目指して、2024年6月に日本老年学会は医学的視点で高齢者のリアル(真実)を詳細なレポートで発表。同9月に内閣府は、高齢でも働きたい人のための環境づくりを企業などに求める「高齢社会対策大綱」を公開した。そんな時代の曲がり角に「人々の加齢変化に向き合うための健康管理もギアチェンジが必要だ」と語るのが東京大学高齢社会総合研究機構 機構長で未来ビジョン研究センター教授の飯島勝矢氏。いつまでも活力ある生活を送るためのヒントを提案する。

70歳は高齢者にあらず! 日本人は若返っている

東京大学高齢社会総合研究機構 機構長で未来ビジョン研究センター教授の飯島勝矢氏。(写真:田村充)

 そもそも65歳以上の人を高齢者と決めたのはいつなのだろう。調べてみると1956年に国連は、当時の先進国の平均寿命や健康状態から65歳以上の人を「高齢者」と定義する報告書を出した。それから日本を含め、多くの国で65歳以上を高齢者と位置づけるようになった。

 東京大学の飯島勝矢氏は「日本の平均寿命が長くなり、健康状態も向上しているにもかかわらず、70年近くも同じ定義が使われ続けてきたことになる。国民の意識とずれているのは当然だし、健康づくりにも新たな視点が必要だ」と語る。

 こうしたなか高齢者の定義を見直そうという動きも出てきている。日本老年学会・日本老年医学会は2017年に過去10~20年間の疫学調査を元に「高齢者の定義を65歳以上から75歳以上とする」と提言する報告書を公開。2024年には、その根拠を詳細に示した、日本老年学会「高齢者および高齢社会に関する検討ワーキンググループ報告書」 PDFはこちら を公開している。

 報告書は高齢者を75歳以上にする理由について「日本人の高齢者に若返りが見られる」「国民の意識が変化している」などとしている。これについて飯島氏は「指標によって異なるが、傾向として過去10年間で10歳若返っており、その傾向は続いている」としている。

 例えば歩く速さ。報告書では、2017年に75~79歳だった人の歩行速度は、2007年の65~69歳に近づいていることが報告されている(下グラフ)。

歩行速度は、2007年に比べて2017年では速くなっている

2017年に75~79歳であった人の「通常歩行速度」は2007年の65~69歳に近づいている。日本老年学会「高齢者および高齢社会に関する検討ワーキンググループ報告書2024」より引用

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