未治療の慢性リンパ性白血病に対するカルケンス+ベネクレクスタ±ガザイバの固定期間併用療法、無増悪生存期間を有意に改善
[公開日] 2025.03.06[最終更新日] 2025.03.06
この記事の3つのポイント ・未治療の慢性リンパ性白血病を対象とした第3相AMPLIFY試験 ・ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬カルケンス+BCL-2阻害薬ベネクレクスタ±抗CD20モノクローナル抗体薬ガザイバの固定期間併用療法の有効性・安全性を検討 ・ガザイバの有無にかかわらず、化学療法と比較して無増悪生存期間を統計的有意に改善
2025年2月5日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、未治療慢性リンパ性白血病(CLL)に対するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬カルケンス(一般名:アカラブルチニブ)+BCL-2阻害薬ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)±抗CD20モノクローナル抗体薬ガザイバ(一般名:オビヌツズマブ)併用療法の有効性、安全性を検証した第3相AMPLIFY試験(NCT03836261)の結果がJennifer R. Brown氏らにより公表された。 本試験は、18歳以上のECOGパフォーマンスステータス0-2で遺伝子変異なし(17p deletion,TP53)の未治療CLL患者に対して、カルケンス+ベネクレクスタ併用療法を実施する群(N=291人)、もしくはカルケンス+ベネクレクスタ+ガザイバ併用療法を実施する群(N=286人)、もしくは化学療法を実施する群(N=290人)に1:1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証したオープンラベルの試験である。 本試験に登録された867人の患者背景は、年齢中央値が61歳(26-86歳)、男性が64.5%、IGHV遺伝子変異陽性が58.6%であった。 追跡期間中央値40.8ヶ月時点における結果、36ヶ月無増悪生存率がカルケンス+ベネクレクスタ併用群で76.5%、カルケンス+ベネクレクスタ+ガザイバ併用群で83.1%、化学療法群で66.5%を示した。カルケンス+ベネクレクスタ併用群と化学療法群の比較では、ハザード比が0.65(95%信頼区間:0.49-0.87)、P = 0.004、またカルケンス+ベネクレクスタ+ガザイバ併用群と化学療法群の比較ではP<0.001であった。 副次評価項目である36ヶ月全生存率は、カルケンス+ベネクレクスタ併用群で94.1%、カルケンス+ベネクレクスタ+ガザイバ併用群で87.7%、化学療法群で85.9%を示した。 一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)の中で最も多くの患者に確認されたのは好中球減少症で、カルケンス+ベネクレクスタ併用群で32.3%、カルケンス+ベネクレクスタ+ガザイバ併用群で46.1%、化学療法群で43.2%を示した。 以上の第3相AMPLIFY試験の結果よりJennifer R. Brown氏らは、「未治療CLLにおいて、カルケンス+ベネクレクスタ併用療法は、ガザイバ併用の有無にかかわらず、無増悪生存期間を有意に延長しました」と結論付けた。 参照元: Fixed-Duration Acalabrutinib Combinations in Untreated Chronic Lymphocytic Leukemia(The New England Journal of Medicine 2024 Doi:10.1056/NEJMoa2409804)
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