米国に対する世界の評価が低下、中国下回る 「米国第一主義」が影響

 12日発表された民主主義に関する年次調査で、米国の評価が世界的に悪化し、中国を下回ったことが分かった。写真は、ブルックリン橋の上を歩く人ら。2024年12月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Marko Djurica)

[コペンハーゲン 12日 ロイター] - 12日発表された民主主義に関する年次調査で、米国の評価が世界的に悪化し、中国を下回ったことが分かった。トランプ米大統領の「米国第一主義」の政策が影を落としている。

調査は、アライアンス・オブ・デモクラシーズ(AoD)財団が世論調査会社ニラ・データと共同で4月9日─23日に100カ国、11万1000人以上に対し実施した。調査で使用した具体的な基準は明らかにしていないが、民主主義の価値を守り、推進することが目的だとしている。

AoDの創設者のラスムセン前北大西洋条約機構(NATO)事務総長は、米国の評価がなぜ低下したかという質問に、「トランプ大統領は貿易戦争を引き起こし、ホワイトハウスでウクライナ大統領を叱責(しっせき)して同盟国に不安を与え、敵国を勇気づけた」とし、「米国とその理念を素晴らしいと思って生きてきた私のような人の間でさえ米国に対するイメージが悪化してしまったことに驚きはない」と語った。

調査では、100カ国中82カ国がトランプ大統領に対し否定的な認識を示し、ロシアのプーチン大統領(61カ国)や中国の習近平国家主席(44カ国)を上回った。

米国の評価も、肯定的から否定的を差し引いた正味で昨年のプラス22%からマイナス5%に悪化し否定的な評価が肯定的を上回った。

米国に対し肯定的な見方をする国の割合は45%で昨年の76%から低下。一方、中国は5%から14%に上昇した。

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