習慣は、94%身につかない。200万人分のデータからわかった「習慣化を成功させる3原則」とは?
ライフハッカー・ジャパンとBOOK LAB TOKYOがコラボ開催するトークイベント「BOOK LAB TALK」。第44回目のゲストは、『200万人の「挫折」と「成功」のデータからわかった 継続する技術』の著者・戸田大介さんです。
国内No.1習慣化アプリ「継続する技術」の開発者であり、データアナリストでもある戸田さん。本書では、戸田さんがアプリのユーザーデータから導き出した「続けられる人になる」プロセスが、三日坊主の社会人・高橋くんを主人公としたユーモアあふれるストーリー仕立てで紐解かれます。
なぜ人は習慣化に失敗するのか。そして、どうすれば継続できるのか──。200万人分のビッグデータから見えてきた、意外にもシンプルな3つの原則をご紹介します。
衝撃のデータが示す「習慣化」の難しさ
新卒で広告系の会社に入社したあと、アプリ開発の道を選んで独立。現在では、200万ダウンロードの「継続する技術」と、300万ダウンロードの「集中」という2つのアプリを生みだした戸田さん。
実は戸田さんご自身が「筋金入りの三日坊主」で、「子どものころの学習教材にはじまり、何をやっても続かなかった」と振り返ります。
習慣化は、私たちが思っているよりもずっと難しいものなんです。
(アプリのユーザーデータから)どれぐらい続かないかというと、ランニングをはじめても、1日だけで終わる人がおよそ半分。30日間続けられる人は、100人中で5~6人。94%は途中で挫折しています。(戸田さん、以下同)
ランニングだけではありません。走ることよりは負担が軽そうなストレッチでさえ、85%の人は続かないのだそう。
だからこそ、習慣化ができないのは当たり前。そう前置きしたうえで、200万人分のデータ分析から見えてきた3つの継続の原則について、具体的な方法を交えながら解説してくれました。
第一の原則:すごく目標を下げる
第一の原則は「すごく目標を下げる」こと。ここで重要なのは、「すごく」下げるという点だと戸田さんは強調します。
人は何かをはじめるとき、無意識に自分ができるレベルよりもずっと高い目標を立ててしまいます。データ分析の結果、こうした高すぎる目標設定こそが、習慣化の失敗を招く最大の原因だとわかりました。
そこで戸田さんが提案するのが「5分ルール」です。「たった5分やるだけでいい」という、一見すると物足りない目標設定が、実は継続の決め手になります。
毎日1時間ランニングをしようと決めても、実際には全くやらなくなってしまう。それなら毎日5分でも積み重ねていく方が、長い目で見ると大きな成果につながります。
ポイントは、この5分に準備時間も含めること。ジム通いなどが継続しないことに顕著に表れていますが、人は準備が面倒で挫折することが多いと戸田さんは指摘します。そのため、はじめてから終わるまでのトータルタイムを5分以内に収めることがコツだそう。
なぜ5分なのか──実はこれも、データ分析から導き出された数字です。「10秒ならもっと続く」というデータもあったそうですが、「さすがに10秒は短すぎる」という心理的な抵抗感を考慮して、5分という数字に落ち着いたといいます。