レバノン新首相にサラムICJ裁判長、ヒズボラ影響力低下鮮明
レバノン国民議会で13日、国際司法裁判所(ICJ)の裁判長を務めるナワフ・サラム氏(写真)が新首相に就任するために必要な票数を獲得した。2024年5月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ベイルート 13日 ロイター] - レバノン国民議会で13日、国際司法裁判所(ICJ)の裁判長を務めるナワフ・サラム氏が新首相に就任するために必要な票数を獲得した。ミカティ暫定首相の続投を望んでいた親イラン武装組織ヒズボラ弱体化が改めて示された。
レバノン国民議会は9日、レバノン軍のジョセフ・アウン司令官を新大統領に選出。アウン氏はこの日、首相選出を巡り議員と協議を行い、議員128人のうちこれまでに84人がサラム氏に支持を表明した。
これを受けアウン大統領はサラム氏に組閣を要請する。サラム氏は現在国外におり、14日に帰国する。
多数の宗教や宗派が混在するレバノンでは権力が分担されており、大統領はキリスト教マロン派、首相はイスラム教スンニ派、国民議会議長はイスラム教シーア派から選出される。
新大統領のアウン氏は2017年に米国が支援するレバノン軍の司令官に就任。米国やサウジアラビアなどの支持を得ている。 もっと見る
シーア派のヒズボラがイスラエルとの戦争で打撃を受け、シリアでアサド政権が崩壊する中、レバノンの宗派間の勢力バランスは大きく変化。ヒズボラのモハメド・ラード議員は、反対勢力がヒズボラの分断と排除を目指していると言及。ヒズボラはアウン氏を大統領に選出するために先週「手を差し伸べた」が、その「手が切り落とされた」と感じていると語った。
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