事実の焦点:就任1年を振り返り虚偽の主張繰り返すトランプ大統領(AP通信)

コロンビア特別区、1月21日 (AP) ー トランプ大統領は就任1年目を記念して、2時間近くも続くとりとめのない記者会見を開き、自らの成果を列挙するとともに、2025年を通じて繰り返してきた多くの虚偽の主張を再び述べた。  同大統領が流布し続けた虚偽の情報トピックには、2020 年の大統領選挙、外交政策、経済、エネルギーなどが含まれていた。 事実を詳しく見てみよう。 ▽2020 年の大統領選挙 トランプ大統領:バイデン前大統領について、「... ちなみに、彼は選挙に勝ったわけではない。選挙は不正だった。今では誰もがそれを知っている」と述べた。 事実:これは繰り返し反証されてきた明白な虚偽だ。2020年選挙は盗まれていない。バイデン前大統領は306の選挙人票を獲得し、トランプ大統領の232を上回った。また一般投票でも同大統領はトランプ氏より700万票以上多く獲得した。  しかしトランプ大統領は、選挙終了後から一貫して2020年選挙で勝利したと主張し続けている。2024年に再選を果たした後も、2026年中間選挙に向けた現在に至るまでその主張を続けている。  バイデン全大統領の選挙人団勝利は、トランプ氏が2016年にヒラリー・クリントン候補を破った際の差(227対306、後に2人の選挙人が離反して304に修正)とほぼ同水準だった。バイデン前大統領はペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、アリゾナ、ジョージアといった重要州で勝利を収めたことで勝利を決定づけた。  トランプ大統領が主張する大規模な投票不正は、複数の裁判官や州選挙当局者、さらには自身の政権下の国土安全保障省の一部機関によっても否定されている。2020年には当時のウィリアム・バー司法長官(トランプ任命)がAP通信に対し「広範な投票不正の証拠は発見されていない」と述べていた。「現時点で、選挙結果を変えるほどの規模の不正は確認されていない」。 ▽国際紛争 トランプ大統領:「理解してほしい、私は8つの戦争を解決したのだ」 事実:トランプ大統領が頻繁に自身の功績として挙げるこの統計は、大きく誇張されている。確かに多くの国々の関係調整に貢献したが、その影響力は自身が主張するほど明確ではない。  トランプ大統領が解決したと主張する紛争には、イスラエルとハマス、イスラエルとイラン、エジプトとエチオピア、インドとパキスタン、セルビアとコソボ、ルワンダとコンゴ、アルメニアとアゼルバイジャン、カンボジアとタイが含まれる。  ガザ戦争終結宣言にはまだ多くの課題が残されている。また、イスラエルとイランの12日間の戦争を終結させた功績は認められるものの、これは継続中の冷戦における一時的な休戦と見なせる。先月にはカンボジアとタイの間、そしてコンゴ軍とルワンダ支援の反政府勢力の間で新たな戦闘が発生した。  アルメニアとアゼルバイジャンの指導者は8月、ホワイトハウスで数十年に及ぶ紛争終結を目指す合意に署名した。しかし両指導者はまだ平和条約に署名しておらず、議会も批准していない。4月にインド支配下のカシミールで観光客が殺害された事件で、インドとパキスタンは数年ぶりの戦争危機に陥ったが、停戦が成立した。トランプ大統領は米国が停戦を仲介したと主張し、パキスタンは彼に感謝したが、インドはその主張を否定した。  エジプトとエチオピアの間のグランド・エチオピア・ルネッサンス・ダムをめぐる摩擦は、戦争ではなく緊張の高まりと表現するのが適切だ。トランプ大統領の2期目でセルビアとコソボの間に戦争の脅威は存在せず、同大統領がホワイトハウスに復帰した最初の1年間で両国関係の改善に重要な貢献をしたわけでもない。 ▽経済 トランプ大統領:「我々が引き継いだ状況を覚えておけ——インフレは史上最高だった。こんなインフレはかつてなかった。48年ぶりだと言うが、48年ぶりだろうと史上初だろうと、私の見解では史上最高のインフレだった」 事実:これは誤り。バイデン政権下のインフレ率は2022年6月に9.1%でピークに達した。これはサプライチェーンの混乱、過剰な政府支援策、ロシアのウクライナ侵攻による食料・エネルギー価格高騰が原因だ。  しかし米国民はこれより深刻で長期化したインフレを経験している。例えば1980年には13%を超える高インフレが長期化した。また一部の推計によれば、第一次世界大戦中にはインフレ率が20%に迫った。  トランプ大統領就任後の数カ月間はインフレ率が低下していたが、4月に大統領が関税を発表すると再び上昇した。2025年12月時点では2.7%であった。 ▽エネルギー政策 トランプ大統領:「私は『クリーンで美しい石炭』と言う。石炭という言葉は決して使わない。必ず『クリーンで美しい石炭』と前置きする。」 事実:石炭生産は歴史的に見ても現在が最もクリーンだが、それでもクリーンとは言えない。 しかしトランプ大統領は常にこの重要な文脈を省略している。  米エネルギー情報局によれば、石炭産業による地球温暖化要因の二酸化炭素排出量は、過去30年間で減少している。それでも国連が支援する研究によれば、気候変動対策のためには世界的な石炭生産量を大幅に削減する必要がある。  EIAによれば、石炭燃焼は二酸化炭素に加え、酸性雨・スモッグ・呼吸器疾患の原因となる二酸化硫黄や窒素酸化物も排出する。  かつて石炭は米国エネルギー生産の半分以上を担っていた。現在では米国発電量の約15%を占めるに過ぎない。 ▽カリフォルニア山火事 トランプ大統領、2025年ロサンゼルス山火事後の復興承認について議論:「...ロサンゼルスで2万戸以上の家が焼けたのは、水がないからだ。太平洋北西部から水を流すことを許可しなかった。水を太平洋に流した...彼らはやりたくなかった。小さな魚を守りたかったのだ」 事実:トランプは再び、昨年の山火事時にロサンゼルスの一部消火栓が枯渇した事実を、絶滅危惧種(デルタスメルトと呼ばれる小魚を含む)保護を目的とした州の水政策のせいにしようとした。地元当局者は、消火栓の機能停止は、市営システムがこれほど大規模な災害に対応するよう設計されていなかったためだと説明している。  トランプ大統領は後に、カリフォルニア州中央部の農業地帯にある2つのダムからの放水を命じたが、その水はロサンゼルスには届かず、100マイル以上離れた干上がった湖の盆地へ向かった。  カリフォルニア州の水の大部分は、北部の山岳地帯で雪解け水となり、サクラメント・サンワーキン川デルタにつながる河川に流れ込む。そこから、その大部分は 2つの大規模な揚水・運河システムを通じて、さらに南部の農民やロサンゼルスなどの都市に送られる。1つは連邦政府、もう 11つは州が運営している。トランプ大統領の主張とは反対に、太平洋岸北西部からの水供給はカリフォルニア州のシステムには接続されていない。 (日本語翻訳・編集 アフロ)

AP通信
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