自宅にある「壊れたケータイ」が“隠れ資産”に…レアメタル高騰で中古スマホ市場が拡大(ピンズバNEWS)

※画像はshutterstock(ピンズバNEWS)

 日々、若者文化や社会問題を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。そんな戸田氏が今、注目するのは高騰が続くスマートフォンだ。高価格化が進む背景で中古スマホ市場に熱視線が注がれているという。

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 9月18日に発売されたのはAppleの『iPhone 18 Pro』『iPhone 18 Pro Max』だ。キャリアが発表した販売価格を見てみると、最安となる楽天モバイルでも『iPhone 18 Pro』が25万5900円から、『iPhone 18 Pro Max』が28万8900円からと高価格。 急速な円安の進行や世界的な半導体コストの上昇、さらには開発費の高騰を背景に、新品端末の販売価格は上昇の一途です。事実、調査会社のMM総研が今年8月に公表したデータによればスマホの最新機種の平均価格は8万1747円を超えています。 新品スマホの高騰を受けて急速に熱を帯びているのが、中古のスマホ市場です。MM総研などの調査によると、昨年度の国内における中古スマホ販売台数は360万7000台に達し、7年連続で過去最高を更新。販売店の中にはこの3年間で顧客数が約3倍に増加した店舗もあるそうです。新品に比べて手頃な選択肢として幅広い層へ浸透しつつあるのは明らかです。小学生の子供向けに購入を検討する親や、仕事用のサブ機を求めるビジネスパーソンなど、中古品を購入することに対する心理的な壁は確実に低くなっており、フリマアプリのメルカリが鑑定付きの専門サービスを開始するなど、安心感を担保した流通ネットワークも拡大しています。

 中古市場で特に重要視されているのが、端末の外観以上にバッテリーの最大容量です。多くの販売店ではバッテリー性能80%以上をひとつの基準として設定しており、これを下回ると画面の不意なシャットダウンや急速な電池減りが発生しやすくなります。端末を少しでも高く買い取ってもらうためには、日頃から保護フィルムやケースを装着して画面や外装の傷を防ぐことに加え、充電しながらの操作や満充電での放置を避けるといった適切なバッテリー管理が欠かせません。


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 一方で、自宅に眠っている古いガラケーや故障した端末そのものの価値も見直されています。ゲオホールディングスが関西大学の宮本勝浩名誉教授協力のもと発表した試算によると、2025年の1年間で新たに家庭内に滞留した「埋蔵携帯」の総価値額は約7263億円に達し、経済波及効果は約1兆6052億円に上ると推計されました。国内で買い替え後にリサイクルや売却へ出されない端末は約2735万台存在すると見られ、大きな経済的損失となっているのが実情です。 この背景にあるのが、端末に含まれる金や銀、銅、パラジウムといった有用金属、いわゆるレアメタルの価格急騰です。昨年12月に国内の金価格が1グラムあたり2万5000円を超えて最高値を更新するなど貴金属市場が高騰した結果、スマホ1台あたりに含まれる金属素材の価値も跳ね上がっています。 ゲオと宮本教授が22年に行った調査ではスマホ1台あたりに含まれる貴金属の金額は約370円だったのが、現在では約1194円と約3.2倍にまで跳ね上がったとのこと。調査によれば25年に“埋蔵された”携帯電話から回収できる金は約711キロと試算されており、これは最新型スマートフォン約2735万台分の製造に必要な金に相当します。オリンピックの金メダルに換算すれば約11万8529個分におよび、国内の家庭に眠る端末を回収するだけでも次世代の精密機器に必要な資源を国内で自給自足できる計算です。 ネット上でも、《引き出しの奥に古いガラケーが5台くらい眠っているから週末に査定へ持っていこうと思う》《新品のスマホが高すぎて手が出ないからバッテリー状態の良い型落ちiPhoneを探して買いました》《画面が割れて動かない古い端末でも買取額が想像以上で思わぬお小遣いになった》といった投稿が寄せられています。「新品端末の価格上昇が長期化するなか、消費者の防衛本能として中古市場を活用する動きはすっかり根付きました。今回の試算が示すように、壊れて使えなくなった古い携帯電話であっても、素材価値はかつてない高水準に達しています。自宅の引き出しに放置されていた不用品が“ウハウハ”な隠れ資産へと化ける絶好の機会とも言えるでしょう。資源の循環と家計の補填を両立させる手段として、不要な端末を査定に出す動きは、今後さらに増えていきそうです」(トレンド誌編集者)

 使い古したケータイはゴミとして放置せず、市場へと還元して臨時収入を得るのが「常識」になっていくのかもしれません。

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