韓国の起亜自、欧州でEV販売増目指す-関税で米市場に不透明感

Heejin Kim

  • EVがEU販売に占める割合、2030年までに60%超に引き上げる計画
  • 宗虎声CEOがソウルモビリティショーでのインタビューで語る

韓国の起亜自動車は欧州で電気自動車(EV)販売拡大を目指している。トランプ米政権が輸入車への関税を発動し、EVに逆風となる政策を掲げていることが米国での見通しを不透明にしている。

  起亜自動車は、欧州連合(EU)でEV販売を増やし、域内全体における割合を2030年までに60%余りに引き上げる計画だ。これは業界見通しの54%を上回る数字。宗虎声最高経営責任者(CEO)が3日にソウルモビリティショーでのインタビューで述べた。

  EUの行政執行機関、欧州委員会は先月、フォルクスワーゲン(VW)やステランティスなどからの圧力を受け、排ガス規制の適用を緩和する提案を発表。排出削減目標の達成に3年間の猶予を与える内容で、35年ゼロエミッション目標の見直しを前倒しで実施することも提案した。しかし宗氏はこの目標の放棄はそう簡単ではないと指摘した。

  「EUは自動車メーカーが投資を行い、目標を達成できるよう時間を与えているのだと思う」とし、「われわれはすぐにでもEUの要請に応えることができる」と述べた。

  米国に輸入される自動車に25%の関税を賦課するトランプ政権の決定は、起亜自動車にとって最も重要な市場の一つである米国での販売に打撃を与える恐れがある。トランプ氏は、7500ドル(約110万円)の税控除などのEVインセンティブを廃止する方針も示している。

起亜自動車の「PV5」ミニバン(4月3日、ソウルモビリティショー)

  米国での年間販売台数は24年の約80万台から33年ごろまでに約120万台に引き上げる計画だと宗氏は述べた。

  「米国の排ガス規制はまだそれほど変わっていない。トランプ大統領が規制を緩めるのではないかという期待もある」とした上で、「しかし、米国で次の政権が発足した後に何が起こるのかは本当にわからない。多少の変更や数年の遅れはあるかもしれないが、われわれは当初に計算した通りに進めようとしている」と語った。

原題:Kia CEO Looks to Europe as Trump’s Tariffs Cloud US Outlook (1)(抜粋)

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