「誰の指示か」人口水増し、揺れる富山市 「20年も」匿名告発
誰が、何のためにやったのか――。
富山市で9月、2025年の国勢調査の人口が2000人以上水増しされていたことが発覚した。
統計の信頼を揺るがす異例の事態に、警察も捜査に乗り出した。
市側は幹部からの指示を否定するが、庁内からは疑念の声も上がる。
市議のもとには、過去の国勢調査でも数値が操作されていたとする「告発」も届いた。
なぜ人口が書き換えられたのか。
関係者への取材から、不正の背景を追った。
<主な内容> ・総務省の調査で発覚 ・浮かんだ「水増し」の目的 ・ささやかれる動機と疑念 ・匿名文書が訴える「20年調査でも」
・職員「指示があったとしか…」
総務省の調査で発覚
事態が大きく動いたのは、9月4日だった。
「調査で疑義が生じている。確認させてほしい」
総務省統計局の職員数人が、市役所を訪れた。
25年に市が実施した国勢調査で、不正が行われた疑いがあるという。
統計局による市職員への聞き取りは、計3日間に及んだ。
市の調査に基づき、富山県が今年4月に発表した市の人口の速報値は40万2133人だった。
ところが、総務省が精査した結果、確定値は39万9197人となり、速報値とは2936人の開きがあった。
国が調べたところ、調査員が「居住実態なし」と判断して書類に書き込んだ記述が、消しゴムで多数消されていたことが判明。さらに居住実態がないにもかかわらず、新たに世帯を書き加えたとみられる形跡も見つかった。
何者かがデータを書き換えるなどして、人口が水増しされていたのだ。
10月3日には総務省から刑事告発を受けた県警が、統計法違反容疑で市役所を家宅捜索した。
「青天のへきれき」
市の幹部はそう振り返る。
藤井裕久市長も「市政に対する信頼を揺るがすもので、重大な事案として受け止めている」と釈明に追われた。
別の幹部は、庁内の空気をこう表現した。
「誰が指示したのか。疑心暗鬼になっている」
浮かんだ「水増し」の目的
5年に1度実…
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