疑惑の〝福岡県議会のドン〟が潔白語った100分 問われた説明責任と記者会見の一部始終

福岡県議会の金銭授受疑惑に関し、記者会見する蔵内勇夫前議長=5日午前、福岡市

福岡県議会の「ドン」と呼ばれた蔵内勇夫前議長が5日、議員辞職後初となる記者会見を福岡市内で開き、正副議長ポストを巡る金銭授受疑惑について「これまで何度も申し上げましたように、私自身について指摘されている金銭授受についてそのような事実はございません」と改めて否定した。

会見は蔵内事務所が主催し、記者の数や放送を制限するなど異例の条件付きで行われ、約1時間40分で打ち切られた。報道陣からは「今の説明では県民は全く納得しないと思います。もう1回会見開いてください」との声も上がったが、蔵内氏は応じることなく足早に会場を後にした。

会見での主な発言と質疑応答は次の通り。

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「私は議会議員に関して金銭を受け取ったことはありませんし、いわゆるお車代であり、いかなる名目であれ、社会的な儀礼を超えた、政治倫理に反する現金を受け取ったことはありません。ゴルフや飲食については、議会関係に限らずこれまで数多くの会に参加して参りました。その一つ一つについて誰が会計をし、私がいくら負担したかまで細かく覚えているわけではありません。しかし私自身は、いつもそれぞれが負担するいわゆる割り勘の認識で参加しておりますので、その場ではなくても後で支払っており、誰かに負担を求めることはありません。また、招待された場合も、社会的な常識として相応の包みをお渡ししております。第三者委員会などで事実を確認し明らかにしていただきたい」

福岡県議会の金銭授受疑惑に関し、記者会見する蔵内勇夫前議長=5日午前、福岡市

--なぜ辞職の道を選んだのか。なぜ会見がこのタイミングになったのか

「県議会が大変混乱をし、県民の皆さんに大きな不信を与えてしまった。このことに対する責任は日々痛感をしておりました。もう私が身を引き、次の時代の県議会の皆さんで新しい県議会を築いていく。このことの方が大事である、そのように思いました」

--民主会派で副議長を務めた新村雅彦元議員が平成24年4月に福岡市内で会食した際に二人きりのタイミングで茶封筒に入れた500万円を渡したと証言した。500万円は受け取ったのか

「何度も申し上げましたが、正副議長人事に関し金銭の授受は一切ございません。当時彼が所属していた政党の彼自身のお金にまつわる話と関連しているのかもしれませんが、私を含め自民党県議団には無関係な話です。証言に信憑性(しんぴょうせい)はないと思っています。第三者委員会でしっかりと検証をいただく」

--新村氏は、23年10月に沖縄県でのゴルフ会に参加し費用100万円を支払ったと話している。ゴルフには参加したのか

「私は複数のゴルフの会に参加をしておりますが、会計をやったことはございません。結果的には割り勘という感じでこれまで行ってまいりました」

--自民県連の幹事長を務めた樋口明議員もゴルフ代などのほか、29年1月に福岡市の仏料理店で開かれた自民県議団幹部らの新年会で1人約3万円の費用を全て払ったと証言している

「(ゴルフについて)マスターズ、蔵内杯には私は出席していると思います。当時会計をした方がきちっと処理をされていると思っています。それからフランス料理店、恐らくあの店のことだろうと思います。あの時も私はお包みは渡したと思っています」

--証言が真っ向から食い違う中で、新村さんや樋口さんから蔵内さんが恨みを買う覚えはあるか

「ここでは控えたいと思います」

--新村さんの証言を覆すような客観的事実はあるか

「今精査しているところなんですけど、15年前ですから。なかなか出てこないんですね。お互い意見が対立しているわけですから、第三者委員会、百条委員会(県議会調査特別委員会)で検証していただくことだろうと思います」

--新村さんが噓をついているのか、蔵内さんが噓をついているのかどちらか

「私は噓はついておりません」

--新村さんが噓をついているということか

「それはご自身の判断で思ってください。私は噓をついていないということを申し上げておるわけです」

--蔵内氏が旗振り役といわれるワンヘルス事業について、蔵内氏が辞職されて以降、服部誠太郎知事がワンヘルスの関連施設をゼロベースで見直すと言明するなど完全に見直しの方向へ舵をきっている

「知事が予算、事業を精査するのは当たり前でしょう。何の違和感もありません」

--服部知事はともにワンヘルスを推進し蜜月関係とも言われてきた。今思うことは

「蜜月と信頼があるというのは別です。多くの県民の方々が疑念をお持ちになれば、そういったことを行うというのは知事として当然のことではないですか。そのことによって私と知事の関係がうんぬんということは私にはございません」

--ワンヘルス事業の進め方についてどういったところに問題点があったか

「反省しております。つまりワンヘルスというのが私しか分かっていなかった。もう少し説明を皆さんに対してしっかりやるべきだったなと、そういう思いはございます」

--8月に議員辞職したが、それをもって政界は引退する考えか。それとも今後出馬などの可能性はあるのか

「選挙には一切出ません」

--証言者が自身の名誉を毀損(きそん)している、あるいは陥れようとしているというような思いはあるか

「相手がどういう意図があるかわかりませんが、私は大変な名誉を汚されました。私の今抱えている役職からすれば、とてもではない。でも耐えてます」

「私はうそはついておりません」「名誉汚されたが耐えている」蔵内勇夫前議長、会見で主張

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