「一緒にナンパへ」の重い代償 3児死亡、飲酒運転には同乗者がいた
深掘り
小勝周 榎本瑞希
8月25日。深夜、消防署の出張所のスピーカーが鳴った。
「水難事故の第1出動」。放送は続く。
車同士の交通事故。一方の車が「海の中道大橋」から海に転落――。
福岡市消防局の救助小隊長だった平山博一さん(53)にとって、のちの20年間を含めても「あまりにも特異な事故」への出動指令だった。
追突され海に転落し、クレーンで引き揚げられた車=2006年8月26日午前3時21分、福岡市東区駆けつけると、ひしゃげたガードレールが目に飛び込んできた。
橋の街灯に照らされ、約15メートル下の海面に人影が浮かぶ。
夫婦が浮輪にしがみついていた。幼児を1人ずつ抱えながら。
隊員2人がロープで降下し、4人を支えた。
両親が叫ぶ。
「車の中に子どもが」
母親は、もう1人の子どもを脱出させようと潜水していた。
平山さんも「なんとか助けたい。現場にいた全員が思っていた」。
海の中道大橋で起きた事故で、救助にあたった平山博一さん=2026年7月、福岡市消防局中央消防署、小勝周撮影通りかかった漁船が4人を護岸へ運んだ。もう1人の子も救出された。
だが搬送先の病院で次男(3)、長女(1)、長男(4)の死亡が相次いで確認された。
現場に現れた男
家族5人はカブトムシ捕りから車で帰る途中に、猛スピードで走ってきた車に追突された。
事故直後、橋の上では福岡県警の交通捜査員・山本紳一警部(59)が路面にはいつくばり、ゴム片にライトを向けた。
路面には対向車線側へ延びる細いブレーキ痕が残っていた。「全ての記録を残さなくては」
事故から30分ほど経ったころ。現場に現れた男が、警察官に言った。
「俺が運転手です」「飲酒運…
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- 小勝周
- 西部報道センター|県警担当
- 専門・関心分野
- 福祉、災害、社会運動、アジア(香港)
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