スポーツ界に激震、違法賭博関与でNBA現役選手や監督をFBI逮捕
違法なスポーツ賭博に関与したとして、米プロバスケットボールNBAのマイアミ・ヒートに所属するテリー・ロジエ選手とポートランド・トレイルブレイザーズのチャウンシー・ビラップス監督が23日朝に逮捕され、その後起訴された。米連邦検察が明らかにした。
逮捕直後、2人は所属チームで即時に職務停止扱いとなった。
パテル連邦捜査局(FBI)長官とブルックリンの連邦検察当局によると、現役および元NBA選手やコーチを含む少なくとも30人以上が、全米11州で逮捕された。
パテル長官はニューヨークで記者会見を開き、「複数年におよんだ捜査の結果、詐欺や窃盗などの規模は数千万ドルに達する」と述べた。
被告19人はブルックリンで同日開かれた審理で、起訴内容について無罪を主張した。12人が保釈されたが、残る被告は連邦当局の拘束下に置かれた。
検察によれば、ロジエ被告はNBAのロッカールームで得た内部の情報を利用。一方、ビラップス被告は組織犯罪が関与した不正ポーカー事件に絡む別の事件で起訴されている。
検察によれば、スポーツ賭博を巡る起訴には、NBA選手およびチームに関する非公開情報を悪用した賭けを行う詐欺に関与した6人の被告が含まれる。当局によると、非公開情報には、特定の選手がどの試合を欠場するか、けがや病気を理由に途中で退く予定かといった情報が含まれていたという。ロジエ被告やデーモン・ジョーンズ元NBA選手らが関与していた。
マイアミ・ヒートの担当者はコメントを控えた。トレイルブレイザーズの担当者はコメント要請の電話や電子メールにすぐには応じなかった。
NBAの広報担当者は声明で、「きょう発表された連邦の起訴状を検証している」と説明した上で、「われわれは、これらの告発を極めて深刻に受け止めており、試合の公正性は最優先事項だ」と表明した。
もう一つの起訴案件は、ニューヨークやラスベガス、マイアミなどで行われた地下ポーカーへの関与で、カードシャッフル機に細工し、隠しカメラを仕込むなどのいかさま行為があったとされている。
NBAは1月、ロジエ選手が23年3月に行われたニューオーリンズ・ペリカンズ戦で不審な賭博行為に関与していたとの通報を受けたと明らかにした。ロジエ選手は当時、シャーロット・ホーネッツに所属していた。NBAのマイク・バース広報担当者は当時、「NBAルールの違反は確認されなかった」との内部調査結果を発表した。
米連邦検察は昨年、トロント・ラプターズのジョンテイ・ポーター元選手を訴追。意図的に出場時間を短くし、悪い成績に賭けた共謀者が利益を得られるよう仕組んだとされる。NBAはポーター元選手を永久追放処分とした。
ポーター元選手の弁護士エリック・オルソン氏は、コメントを求めるボイスメールに対してすぐには応じなかった。ロジエ被告の弁護士ジェームズ・トラスティ氏も、コメントを求める電子メールおよびボイスメールに応じなかった。
ジョーンズ元選手およびビラップス被告の弁護士の連絡先は、すぐには確認できなかった。
原題:FBI Arrests NBA Players, Coaches in Sports Gambling Probes (3)(抜粋)
— 取材協力 Ira Boudway and Misyrlena Egkolfopoulou