USBケーブルの能力を「USB CABLE CHECKER3」を使って可視化するじゃんね
BitTradeOneの「USB CABLE CHECKER3」という製品を買った。USBケーブルやUSB充電器/モバイルバッテリーの仕様を画面表示で確認できるアイテムだ。メーカー公式オンラインショップ価格は9328円(メルマガ購読でこの価格から10%割引)。
コレ、以前に紹介したBitTradeOne「USB CABLE CHECKER2」の新型で、機能的には「USB CABLE CHECKER2」を大きく超えた製品となっている。USB Type-Cケーブルなどの仕様が画面表示されて便利そう~と思ったので一般発売直後(最初はクラウドファンディングで売られた)に購入した。使った結果、便利であった。
で、いきなり余談だが、「USB CABLE CHECKER3」は人気があるっぽくて現在品薄中。メーカーの公式オンラインショップでは「予約受付_2026年1月下旬発送予定」となっており、大手通販サイトでも「次回入荷は2025年12月下旬頃を予定」などとなっている。
のだが、俺的見解では、「USB CABLE CHECKER3」は予約してまで買うほどの……まあ人によっては予約しても買いたいものとなるようにも思うが、予約して1万円くらい出して買ったところで「買わなくてもよかったな」ってなる人の方が多いような気がする。
さておき、BitTradeOne「USB CABLE CHECKER3」でナニができるのか? 2つのコトがデキる。
ひとつはUSBケーブルの仕様判定。充電専用なのかデータ通信対応なのか、PDの最大電力は何ワットなのかなどがわかる。「このケーブル、デバイスを買ったら付属してたけど、どういう用途に使えるの? 充電だけ? 高速通信できる?」といったことが一発でわかる。
ただし、表示は専門的なので、USB関連用語に対する知識が必要(もしくは都度調べる必要)があることが多い。
もうひとつは、USBポートの仕様がわかる。PCのUSBポートやモバイルバッテリー/USB充電器の仕様がわかるので、「ノートPCのこのポートはモバイルディスプレイ表示のためのUSB Type-C接続に使える」といったことがわかったり、あるいはUSB充電器の出力の組合せがわかったりする。
なお、「USB CABLE CHECKER3」のマニュアルはコチラ。軽く読んでいただくと、「ここまでの情報は必要ではない」って感じるかもしれないほど、ヒッジョーに詳細なケーブル/ポートの仕様が表示される。
マニアックな観点では愉快だったりもするが、「USB Type-Cケーブルの基本的な仕様がわかればいい」という場合、もっと安価なチェッカーや、「USB CABLE CHECKER3」の前の製品である「USB CABLE CHECKER2」のほうがいいかもしれない。
「USB CABLE CHECKER3」は簡単に使える。USBケーブルの仕様を表示させたい場合は、本体のA側ポートとB側ポートをつなぐように、USBケーブルを接続すればいい(ケーブルチェックモード)。本体の電源が入っていれば、すぐにUSBケーブルの仕様が表示される。
なお「USB CABLE CHECKER3」の電源は単4形電池×2本(ニッケル水素充電池/アルカリ電池/マンガン電池)。前モデルの「USB CABLE CHECKER2」はコイン電池が電源だったが、より手軽に使えるようになった。ただし「USB CABLE CHECKER3」は液晶ディスプレイ搭載だけに、けっこーグイグイと電池が減っていく感じ。
USB充電器やモバイルバッテリー、PCのUSBポートの仕様を知りたい場合は、調べたいUSBポートと本体をUSB接続すればいい(ポートチェックモード)。数秒の解析が行われた後、ポートの仕様が表示される。
なお、ケーブルチェックモードやポートチェックモードは、本体をオートモードにしておけば基本的には切り換える必要はない。ただし、ポートチェックモードをより詳細に機能させるためにはモードを「ポートチェックモード」にする必要がある。それら注意事項も「USB CABLE CHECKER3」のマニュアルに説明されている。
使った印象は、とても便利ということ。前のモデルである「USB CABLE CHECKER2」も持っているが、アレ、使おうとすると「どのLEDランプがなんだっけ?」となりがち。毎日使うようなものではなく、たまーにしか使わないモノなので、使い方というか表示の読み方を忘れてしまうのだ。まあすぐ思い出せるレベルだが。
しかし「USB CABLE CHECKER3」は情報がすべて画面表示される。ので、USB仕様関連の知識さえあれば、表示を見るだけで「あっナルホド」と理解できる。ケーブルやUSBポートによっては表示される情報量がメチャ多く、画面が数ページにおよぶこともあるが、見ていけば「そうそう、この仕様を知りたかった」という項目を見つけられると思う。
この「USB CABLE CHECKER3」は、使っていて役立つし愉快なのだ。製品を買うとともに増えがちな謎のUSBケーブルの仕様がわかり、たとえば処分すべきUSBケーブルを容易に選別できるようになる。あるいは「このUSBケーブルPD100W対応ってなってたけど、ホントは60Wだったの? パチモン?」といったことも(ごく希に)わかって興味深い。
デバイスのUSBポート仕様を調べるのもおもしろい。Macはもちろん、iPhoneのUSB Type-Cポートの仕様を調べて「へぇ~そうなってたんだー」みたいに楽しめる。
あと個人的に非常に便利だと感じられたのが、USB充電器の出力仕様。冒頭の画面写真にあるように、出力のボルトとアンペアの組合せがわかるので、「このUSB充電器はしっかりと高速充電に使える」、「けっこうハイスペックなんだな」的なことがわかって実用的でありかつ興味深い。
なので実用性もあるし知的好奇心を満たせたりもするヨ! オススメ! ……とは書けない俺なのであった。
正直な話、こういうチェッカーを使う機会は多くないっていうか少ない。「充電されないのは……このケーブルのせい?」とかいうトラブルがあっても、別のケーブルを試せば原因を探っていける。
あるいは「このケーブルはPD何ワットに対応なの?」とか思っても、まあデバイスの充電状態を見ていれば「そこそこ高速充電できてるのか、ならいいや」ってケースが多いだろう。逆にケーブルが240WのPD充電対応品だとわかっても、そんなに高出力でデバイスを充電するケースはほとんどない。
マニアな感じの視点で使う・おもしろがるにおいては、「USB CABLE CHECKER3」に1万円くらい払う価値はあるかなと思う。のだが、フツーに「USBケーブルがどういう仕様なのかちょっと知りたい」を満たすためにはコストパフォーマンスが悪い「USB CABLE CHECKER3」だと思うのだ。
ていうか「この謎ケーブルがどういう仕様なのか、いつもモヤモヤするんだよなー」という場合、そういうケーブルは処分して、500円なり1000円なり2000円なりで自分が必要な仕様を満たしたしっかりしたケーブルを買えばいいように思う。
大は小を兼ねる的にシッカリした高品位・高性能ケーブルを買ったりするのは……現実的にはその性能を出し切るようなケースはけっこう希なので、USBケーブルの仕様にそんなにこだわらなくても、まあいいよね、的な?
とは言え、USB Type-Cで混沌としているケーブル市場。率直なところ拡張し過ぎてユーザーにとっては「わかりにく過ぎてダメな規格」になっている感じだが、そういう状態になってしまっているのでしょうがない。
そういう状況なので、USBケーブルを買ったり入手した場合は、なるべく基本仕様を知るようにして、それをケーブルにラベルでも貼って書いておくのがいいと思う。買ったときにそうしていれば、謎USBケーブルに対してモヤモヤすることもかなり減るんだし。
「USB CABLE CHECKER3」を買って使って、役立ちもしたし、おもしろがれもした俺。だが、結局は「このUSBケーブル(や充電器)は、自分が必要とするスペックがあるかどうか数値で知れる」くらいの役立ち方だ。
「このUSBケーブル怪しいから捨てよっかなー」というときに、「捨てたあとで後悔したくはない」というモヤモヤがちょっと払拭できるとかもある。おもしろがれるのも最初のうちだけで、すぐ飽きて使わなくなったりしがち。
でもこういうガジェット、通常は知れない情報を見られたりして、ソコは気分がイイんスよね~。USBケーブルなどに感じるモヤモヤがスッキリなくせるうえに、かなり正確な仕様も知れて気分がイイ!
のは確かなのだが、そこに1万円くらい使うかどうか、1万円くらい払って上記のスッキリ感や気分の良さを味わいたいのか、って話だったりする。どうか、よきご判断を。