「梅雨」時期は気分が沈みがち…どうして? 心を健康に保つコツ&NG行為とは 心理カウンセラーに聞く
梅雨の時期に気分が沈む原因や改善法などについて、心理カウンセラーに聞きました。
6月8日から同月10日にかけ、気象庁が九州北部や近畿、東海、関東甲信などの梅雨入りを発表しました。ところで、梅雨になると気分が沈むことがありますが、なぜなのでしょうか。梅雨の時期に気分が沈む原因や、その際にやってはいけない行為などについて、心理カウンセラーの平井綾乃さんに聞きました。
Q.梅雨の時期になると気分が沈みやすいといわれていますが、本当なのでしょうか。原因も含めて、教えてください。
平井さん「梅雨の時期に気分が沈みやすくなる人が一定数いるのは、本当です。主な原因は2つあり、1つは『雨季の気候変化の大きさによって体調不良を引き起こしやすくなっている』ということ、もう1つは五月病ならぬ『六月病』の影響です。
前者ですが、梅雨は特に気圧の変化が大きいため自律神経が乱れやすく、それに伴って心身の不調も引き起こされやすいです。
後者の要因として、梅雨は五月病にならないようにと気を付けていた緊張感が緩み、心身の不調が出てくる時期でもあります。新年度の動きに慣れてきた一方で、それまで感じないようにしていた疲れがやっと感じられるようになった時期とも言えるかもしれません。
また、梅雨時は快適に過ごしにくく、不自由が積み重なることから『ストレスフリーからは縁遠い季節』と言えるでしょう。湿度が高くてジメジメしていますし、外出時は傘やタオルなどの荷物がかさばって動きにくかったり、雨のために予定変更を強いられたり、何かと不可抗力の不自由さに悩まされます。そのため、気分が上がらない人は多いのではないでしょうか」
Q.梅雨の時期に気分が沈む場合、どうすれば改善できるのでしょうか。
平井さん「まずは、乱れやすい自律神経を意識的に整えていきましょう。例えば、梅雨の時期に少し晴れ間が見られる際は、散歩に出掛けて日光の光を浴びるようにしましょう。太陽の光には、精神を整えるホルモンである『セロトニン』の分泌を促進させる効果があります。場所を変えると心も切り替わりやすいです。
また、自分が心地良く感じる方法を見つけるようにしてください。例えばおいしいものを食べたり、サウナに行ったりするなど、人によってリラックスできることは異なるため、自分なりの方法を考えていきましょう。あるいは気晴らしや趣味を持つのも良いですね。娯楽が思いつかない場合は、まずは近所を散歩するのもお勧めです。
梅雨時は湿度も高く不快で、気持ちまで滅入りやすいものです。しかし、梅雨にも終わりがあると割り切って目の前の不調に淡々と対応してやり過ごすことも大切かもしれませんね。
気分の落ち込みが2週間以上続き、日常生活に支障が出ているのであれば六月病の可能性があります。その場合は何か『きっかけ』があると思われるため、不調の原因を分析するのをお勧めします。原因が分からなかったり、自分だけで解決できなかったりする場合は、専門家に頼るのも良いでしょう」
Q.梅雨の時期に気分が沈んでいるときにやってはいけない行為について、教えてください。
平井さん「先ほどの話と重なりますが、気分が沈んでいるからといってその気分に引っ張られ続けることは避けましょう。例えば、外に出るのがおっくうだからといって部屋に引きこもって横になっていると、自律神経が副交感神経に偏ってしまい、かえって体がだるくなってしまいます。
梅雨の時期の外出は何かと面倒なものですが、それでも比較的暖かい日中を見計らって、外出してみるのをお勧めします。少し大きめの商業施設や日帰り温泉などに行ってみるのも良いかもしれませんね。
一方、後から罪悪感が襲うような気晴らし、健康を害する気晴らしは控えた方が望ましいです。例えば、気分が沈んでいるからといって、過食や衝動買いなどの浪費、ギャンブルをするのは好ましくありません。そのときは気分が高揚するかもしれませんが、その後、後悔の念と罪悪感に襲われ余計に落ち込みます」
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梅雨の時期は、気圧の変化によって自律神経が乱れるため、心身の不調に陥りやすいとのことです。そのため、気分が沈んでいる場合は積極的に外出して日光を浴びたり、運動したりといったアプローチが効果的だといいます。
なお、気分の落ち込みが2週間以上続いたり、生活に支障を来したりする場合は、カウンセラーや医師などの専門家を頼るのがお勧めだということです。