「クレイジーだ」、イーロン・マスクが米国の「破産」リスクを警告(Forbes JAPAN)

EVメーカーのテスラは10億ドル(約1500億円)超のビットコインを保有していることで知られるが、同社を率いるイーロン・マスクは、「米国は破産に向かって突き進んでいる」と再び警告した。 マスクは、2024年の大統領選でドナルド・トランプの再選を支持していた際にも、迫りくる金融崩壊の警告を発していた。 そして今回、マスクは「米国の債務危機は、経済を驚異的な速度で成長させない限り解決できない」と警告した。ビットコインの支持者たちは、これが暗号資産価格の上昇につながると見ている。 マスクはポッドキャスターのジョー・ローガンに対し次のように語った。「民主主義国家では現実的に不可能なことだが、たとえ政府が超強権的に無駄や不正を削減したとしても、債務危機を解決する方法は存在しないと言えるだろう」。 コロナ禍において政府支出が急増した結果、米国の債務は近年急速に膨張している。さらに、インフレ抑制のために引き上げられた金利が、膨れ上がった38兆ドル(約5865兆円)規模の米国債務の利払いコストを増大させた。 マスクはローガンとの3時間にわたる長時間の対談の中でこう語った。「国債の利払い費が国防予算全体を上回り、しかも増え続けている。これはクレイジーだ」。 米国時間11月3日現在、ビットコイン価格は過去24時間で急落しており、その価格が10万ドルを下回るほどの暴落懸念が再燃している。 暗号資産取引所ステルスEXでCEOを務めるマリア・カローラはEメールで次のように述べた。「暗号資産市場は依然として脆弱な状態にある。地政学的緊張が続き、予期せぬマクロ経済的ショックが発生すれば、再び急激な調整が起きる可能性がある」。 「10月には、マクロ要因というよりも内部的な流動性の不均衡によって、一連の急落が発生した。アルゴリズムやデリバティブの取引量に左右されるこの市場は依然として脆い。もし米国の政府閉鎖が続き、FRBが明確な金利方針を示さないままであれば、(ビットコイン価格は)10万ドルを再び試す展開になる可能性が高い」。 アナリストらは、先月の急落のような価格急変が再び発生すれば、それが大規模なパニックを引き起こすおそれがあると警告している。 暗号資産取引所ヴァルールでCEOを務めるファルザム・エサーニもEメールで次のように述べた。 「市場構造は依然として脆弱だ。価格がどちらか一方向に10%動くだけで大規模な清算が起こり得る。価格が上昇すれば約113億9000万ドル(約1兆7580億円)のショートポジションが、下落すれば約75億5000万ドル(約1兆1653億円)のロングポジションが清算される。このような清算の集中は連鎖的な効果を生み、ニュースへの市場感応度を高める。FRBの発言トーンの変化や新たな地政学的緊張があれば、市場の勢力図は劇的に変わる可能性がある」。 マスクは、トランプ政権が設置した政府効率化省を通じて政権入りしたが、今年初めには、今後10年間で数兆ドル規模の国債を増やすとされるトランプの税制・歳出法案をめぐってトランプ大統領と激しく対立した。 その後マスクは、自身が立ち上げた新党「アメリカ党」がビットコインを採用するとの噂を認め、「米ドルや他の資産に裏付けられていない、いわゆる法定通貨は、絶望的だ」と述べた。 しかし現在、マスクは米国の破産を歳出削減で防ぐという考えをほぼ断念したように見える。 「これらの削減策をすべて実行しても、米国が破産する審判の日を先延ばしにしているだけだ」とマスクは語った。 「私は、債務危機を解決し、米国の破産を防ぐ唯一の方法はAIとロボティクスにあると結論づけた。我々は、債務返済が可能になるほどの成長率で経済を拡大させる必要がある」。

Forbes JAPAN
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: