イランの反政府抗議で死刑執行、10代の若者も 今年の抗議について初と国営メディア
画像提供, Mizan News Agency
イランの国営メディアによると、反政府抗議デモの最中に、複数の警察官を殺害した罪で有罪判決を受けていた3人の男性が、死刑を執行された。昨年12月末から今年1月にかけて続いた抗議デモに関連した、最初の死刑執行だという。
BBCがアメリカで提携するCBSは、消息筋の話として、イランのレスリング代表チームに所属していた10代のサーレ・モハンマディ被告が含まれると伝えた。
イランのタスニム通信によると、イラン最高裁が死刑判決を支持した後、現地時間19日午前に北部ゴム州で絞首刑が執行された。
昨年12月に始まり今年1月に激化した全国規模の抗議デモを、イラン当局は激しく弾圧した。人権団体は数千人が死亡したとしている。
イラン革命防衛隊(IRGC)系の準公式通信社タスニムは、モハンマディ被告、メフディ・ガセミ被告、サイード・ダヴーディ被告の3人がそれぞれ、中部コムで起きた複数の襲撃で警察官2人を殺害したとして有罪判決を受けたと報じた。
タスニムによると、3人は「神への敵意」の罪でも有罪とされた。は、国家安全保障犯罪である「神への敵意」は、イラン当局が抗議者や反体制派に死刑を言い渡す際に使う罪状の一つ。
人権団体によると、この3人は拷問されて自白を強いられ、公正な裁判なしに処刑されたという。
イランでは18日、二重国籍のイラン系スウェーデン人が処刑されている。ミザン通信によると、クーロシュ・ケイヴァニ被告は、イスラエルへのスパイ行為で有罪判決を受けて絞首刑となった。
ケイヴァニ被告は、昨年6月のイランとイスラエルの12日間の戦争中に逮捕されたという。
スウェーデンのマリア・マルメル=ステネルガルド外相は声明で、「スウェーデン人の処刑に至った法的手続きが適正ではなかったのは、明らかだ」と述べた。
抗議デモは、イラン通貨の崩落と生活費の急騰に対する市民の怒りをきっかけに昨年末に始まった。31州の180以上の都市と町へ拡大したとされている。
抗議デモは間もなく、政治的変革を求める動きへと拡大し、宗教指導者による支配体制への挑戦としては、1979年のイスラム革命以来で最も深刻なものになった。
インターネットと通信がほぼ全て遮断されたため、国内の状況はなかなか把握できなかったものの、抗議者はBBCに対し、市民を次々と殺害する治安部隊による弾圧はかつてない激しさだったと話した。
アメリカに拠点を置く「人権活動家通信(HRANA)」によると、1月の弾圧で抗議者6488人や子ども236人など、少なくとも7000人が殺害された。
ノルウェーに拠点を置くクルド人権団体ヘンガウによると、1月8日に拘束され、家族に「数日以内に処刑される」と告げられていた抗議者のエルファン・ソルタニ氏は、後に保釈されたと言われている。
イラン司法当局は、ソルタニ氏に死刑判決は出ていないと主張、同氏が問われているのは治安関連の罪のみで、懲役刑を受ける可能性があるとしていた。
アメリカとイスラエルは2月末、イランへの大規模な攻撃を開始し、イランの最高指導者を殺害した。イランは報復として、イスラエルのほか、アメリカと同盟関係にある湾岸諸国を攻撃している。